法職受験生の皆さん、家族法入門はじめの皆さん、そして、家族法に関心ある、或いは離婚・相続等で現にお悩みの、市民の皆さん、ジョークを通じて家族法知って 幸せのルールを探ってみませんか?

結婚離婚親族扶養後見相続遺言までも、家族法ならクリック一つ、ジョーク(条句)法にダイレクト、わかりやすい家族法入門の手引きです。
民法の親族法編と相続法編を、まとめて「家族法」と言います。家族法へのご招待です。夫婦同氏同性婚児童虐待防止についても考えてみました。


親しめる             家族生活のわかりやすい手引き ダジャレジョーク集
家族法入門ダイレクト 家族長い道のり 家族法座右ガイド条句  

      家族ルールの面白ジョーク(条句)。 家族法入門ご案内。
    家族ルールにネットジョーク(条句)クリック一つダイレクトキャッチ
                            (下線クリックでご覧下さい)

ページ内リンクを貼った
目次です。目次を開いたら項目をクリックしてご覧下さい。 
 「索引」がありませんので、「Ctrl」+「F」操作で検索をして頂けたらと思います。 

子供がいる夫婦の離婚
ダイレクト! こちらをご覧下さい。
相続仕組みダイレクト! こちらをご覧下さい。
遺言ダイレクト 遺言のすすめ遺言書作成のポイント自筆遺言例

平成30年
相続法改正 ダイレクト  関連部分に関する加筆抜粋をこちらでご覧下さい。

夫婦の相続こちらから配偶者居住権についてはこちらを、その具体例こちらをご覧下さい。    


          続・遺言  もご覧下さい。

                        「妻住用遺言(配偶者居住遺言)があります。

                     また、 人生百年時代と配偶者居住資産についてはこちらをご覧下さい。     


                                相続税額算定のあらましにもダイレクト!



忠保 稔 氏に捧ぐ
 私が平成25年9月に公証人を退職する迄の間9年以上に亘り、公証役場書記として、その長年に亘る豊かな実務経験と誠実な執務態度、正確な実務実績をもって、私を忠実に支えてくれ、平成29年2月に他界された故忠保 稔氏に対し、深い感謝と哀悼の念と共に、本稿を捧げます。
                むつみ寡黙堂法律事務所
                弁護士 小池洋吉 (東京弁護士会所属 登録番号50142)  

 なお、この献呈文は、以前、本ホームページの末尾に記していたものですが、ほぼ復旧が成った今も、本稿を起こす契機ともなっている恩人に対する私の思いは、変わることなく胸にありますので、むしろここに掲載させて頂くのが良いかと思います。

 9年余りに亘る公証人生活を通じ、家族法知識の普及のためにはホームページが有効であると思うに至り、退職後の平成28年11月8日、一般の方たちのためこの「家族法入門 座右条句集」を開設しました。その後、私の不手際から平成30年2月にその大半が失われましたものの、同年10月にようやくほぼ復旧することができ、また、その後の相続法改正に応じる加筆・訂正もほぼ終えて、新たに「Q&A」も追載できる運びとなりました。ご迷惑をおかけしたことをお詫びすると共に、内容的には未だまことに不十分で、未熟・未完と思っていますので、今後も鋭意加筆・訂正等を重ね、読者の皆様に喜んで頂けるものとなるよう、老骨に鞭打ち日々努めて参る所存です。何卒ご理解・ご協力のほどお願い申し上げます。

 平成30年6月20日、成年、婚姻適齢等に関する民法の一部を改正する法律が、同年7月13日
相続に伴う配偶者居住権、自筆証書遺言の要件、相続人以外の親族の特別寄与料等に関する民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律及び法務局における遺言書の保管等に関する法律が、それぞれ公布されました。当ホームページも、遅くとも、分野ごとに異なる施行日までには間に合うよう加筆若しくは改訂・補正等をして、なるべく読み易いまとまったものにしたいと思いますので、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。



 全320条ある離婚や相続等、市民生活上の重要な事柄に関する法(民法)の定め(親族法・相続法 :) 家族法を我流の条句というものにしてみました。例えばこんな具合です。
  
   人生航路難航時752同居協力扶助により妹背(いもせ)ならば
           
            並
732夫婦生活つは出来重婚禁止
  
 民法732条は重婚禁止の規定、同752条は夫婦互いの義務に関する規定ですが、 条句は、このように、法の定めを、口にして覚え易いよう、韻を踏んで五七調にし、合わせて、第何条であるかの条数も、赤色字読み込んでみたものです。誠に幼稚な発想で、拙く粗雑なものになってしまっていますが、楽しんで頂けたら幸いです。

 掲載の法律条文や項目等に付した下線をクリックして頂くと、リンク先を参照することができますが、条文は、お手数ですが、リンク先の章、節等の中でスクロール等して、該当条文をご覧になって下さい。
                     ◎ 数字の読みについてはこちらをご覧下さい。


同居・協力・扶助の義務
 は、民法752条の条文のままの順に並びますが、講学上は、これらのうちの「協力」が中心的・包括的な義務とされます。つまり、「協力」は憲法24条にも「婚姻は、・・・夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により維持されなければならない」とありますから、婚姻をした両名は、配偶者との同居に努め、配偶者が手持金に窮したら自己固有の財で扶ける等して生計を維持し、互いに同種・同量・同等の暮らしを保つべく、扶養する義務 (生活保持の義務) は勿論、家事の分担や病時の介護等、他のあらゆる場面で協力し合わなければならない義務ということになります。殊に、夫婦の間に子が生まれれば、子は、両親によって愛され保護されて、心身共に健やかに育てられなければならない(児童福祉法1条、2条)存在ですから、子の利益のために監護教育する(民法820条)等、夫婦共同(818条)して、親権者としての責任(民法820条~824条)を果たさねばなりませんし、子に対して上記夫婦間同様の扶養義務(民法877条)も果たさねばなりません。子を含む家族生活を万難を排して維持する責任を伴いますから、この「協力」には実に重い意味が込められていることを銘記しなければなりません。そして、その結果として、配偶者が亡くなったときには、法定相続分 ( 子がいる場合は、半分ですが、相続人がいない場合は遺産全部を承継します ) 或いは遺留分が当然の権利として認められることになります ( 遺言によれば、法定相続分を超える財産を、他の者にはない幅の配偶者控除の下に、受けることもあり得ます ) し、不幸にして離婚に至った場合は、夫婦それぞれの固有財産を含む全財産の半分 (私見) 財産分与として受けることもできます。ですから、この「協力」は、昔からのフレーズ「あい拠り、あい扶け、一心同体で支え合う」ことであると言えます。

 
夫婦の同居義務の延長上に、婚姻の余後効とも言うべき配偶者居住権が平成30年の相続法改正により保障されるに至りました。こちらをご覧下さい。 なお752条の義務に加え、互いに貞操義務があることは、不貞が第一番目の離婚原因とされていることから、当然です。また、夫婦間の扶養義務についてはこちらを、重婚についてはこちらをご覧下さい。

 
貞操義務については、上記のように民法は直接明文を置いていません。夫婦愛や貞操は、人が心の深くに秘めて、法の踏み入るべきでない領域であり、それが侵害されたときにのみ法が関わることになるからであると説明されています。強制力を持つ法に対しては、人の心に対するリスペクトと謙抑が望まれ、心をズカズカ蹂躙することは許されません。しかし、法に明文がないからと言って、重要ではないということにはなりません。むしろ、貞操こそ婚姻の本質に関わることだと私は思います。こちらをご覧下さい。

配偶者暴力
 婚姻が、上記「夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力(憲法24条)によって維持されるべきであることの対極に、配偶者暴力があります。暴力によって配偶者や子を支配することは婚姻の本質に反することであり、身体を傷つける等に至れば言うまでもなく犯罪でもあります。暴力を振るう配偶者に対しては、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条)として離婚原因となりますし(独立原因をご覧下さい)、重大な結果に至る前にカウンセリング等何らかの支援を受けることにより、暴力を止めさせなければなりません。また、犯罪者となる前に、警察、裁判所の力によって、暴力防止の司法的な手立てを講じ、又、身の安全のための避難も考えなければなりません。この目的から平成13年に制定されたのが「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」 です。この法律で
配偶者」には、婚姻の届出をしていないいわゆる「事実婚」を含みます。男性、女性の別を問いません。また、離婚後(事実上離婚したと同様の事情に入ることを含みます。)も引き続き暴力を受ける場合を含みます。また、「暴力」は、身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を指します(なお、保護命令に関する規定については、身体に対する暴力又は生命等に対する脅迫のみを対象としているほか、身体に対する暴力のみを対象としている規定もあります)。そして、生活の本拠を共にする交際相手(婚姻関係における共同生活を営んでいない者を除きます。)からの暴力について、この法律を準用することとされています。また、生活の本拠を共にする交際をする関係を解消した後も引き続き暴力を受ける場合を含みます。相談(同法3条~5条)、保護(同法6条~9条の2)(婦人保護施設、母子生活支援施設、民間シェルターでの保護となります)、自立支援(同法8条の3)保護命令(同法10条~22条)(被害者、或いは、場合によりその子、その親族に対する、身辺でのつきまとい、はいかい、面会強要、迷惑な電話・メール、粗野・乱暴な言動等を禁じ、不快・嫌悪を催し、或いは羞恥心・名誉を害する等のいやがらせ行為をも禁じることができます)等が用意されていますので、現にこの問題を抱えている方は、まず、配偶者暴力相談支援センター等に相談されることをお勧めします。保護命令の申立書には、命令の必要性について具体的に記述し、合わせて、相談支援センターないし警察署の相談を経ていない場合は、公証人の認証を受けた書面を添付することが必要です。保護命令に対する違反には、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金の制裁があります。こちら(政府広報)も参考にして下さい。
 DV相談は、各都府県等にも相談窓口がありますから、そちらに電話相談することも可能です(例:東京神奈川県埼玉県千葉県)。なお、配偶者からの暴力に悩んでいることを、どこに相談すればよいかわからないという方のために、全国共通の電話番号(0570-0-55210)から相談機関を案内するDV相談ナビサービスが実施されています。


 
  次に、民法733条の再婚禁止期間と民法772条嫡出推定民法773条父を定める訴えの各規定の関係について、以下に見てゆきたいと思いますが、まず

嫡出推定
(結婚した夫の子であるとの推定)の関係から。

 
嫡出とは婚姻している夫婦の子であるという身分のことです。婚姻により夫婦は、同一戸籍(戸籍法6条)となり、戸籍上での夫婦に子が生まれた場合、その出生届(戸籍法49条)をすると、その子は嫡出子の身分を取得します。婚姻関係にない男女間に子が生まれると、その出生届は母親がしなければなりません(戸籍法52条)が、その場合は、父親の名は記載されず、子は非嫡出子となります。父親の名を記載するためにはその男性から認知をして貰う必要があり、任意に認知してくれない場合は認知の訴えを起こす必要があります。夫婦間の子が嫡出であるとして、即受理されるのには、根拠があります。民法772条が、その第1項で、「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。」とし、次いで第2項で、「婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」と規定するので、婚姻届けの日から200日を超えて生まれた子は、まず、婚姻中に、つまり夫がいる妻として、懐胎したものであると推定され、次いで、妻の懐胎子であるから、子の父親は夫であると推定される、という二段構えの推定の結果、夫婦間の嫡出子としての身分を取得し、その出生届ができる訳です。これは、婚姻が融合創一によって導かれる終生的貞操結合であることを前提してはじめて成り立つ推定なのです。そして、この推定が働かなければ、婚姻中に生まれた子であっても、母子関係が成立するだけですから、子は、法的には両親の愛を受け得ないこととなります。この嫡出推定と夫婦親子同氏の原則とは、融合装一の関係であることについて、こちらをご覧下さい。
 ここで、二百日経たない内に生まれた子については、前記のようには推定されない子である訳ですが、昔の判例
(大審院連合部判決昭15・9・20)によって、内縁中に懐胎し、婚姻後出産した子について、出生と同時に当然嫡出子の身分を有するとし、母の夫との父子関係を否定するには嫡出否認の訴えではなく親子関係不存在確認の訴えによるとされたことを踏まえ、爾来、戸籍実務では「推定されない嫡出子」として、嫡出子の戸籍記載が行われてきています。




       
二百超え三百内なら婚中懐夫は父に772推定される。



 という条句は、これだけでは、??? ですが、 少し足し、また、砕いて分かり易くしますと、


    (出)の日届けて二百(日を)超え

       (又は)離婚(又は取消)届けて三百(厳密には、三百一日以上)なくば

          
()中懐 (胎)(推定を受けて、ひいて)(出)子推定(をも受ける)



 二段構えの推定を経て、夫は、妻が産んだ子供の父親と定められることになります。なお、この推定については、性転換後の婚姻にも嫡出推定が及ぶかという点に関する判例があります。
 
性同一性障害により、同障害者の性別取扱いに関する特別法に基づく審判を受けて、男性への取扱変更となった者が、妻との間に人工授精で儲けた子供について、性行為によって子をなすことがあり得ないことを理由として嫡出推定規定を適用しないとすることは相当でない旨判示した判例(最決平25・12・10)
 
この判決は、その理由として「特例法3条1項の規定に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者は,以後,法令 の規定の適用について男性とみなされるため,民法の規定に基づき夫として婚姻す ることができるのみならず,婚姻中にその妻が子を懐胎したときは,同法772条 の規定により,当該子は当該夫の子と推定されるというべきである。もっとも,民 法772条2項所定の期間内に妻が出産した子について,妻がその子を懐胎すべき 時期に,既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ,又は遠隔地に居住して,夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には,その子は実質的には同条の推定を受けないことは,当審の判例とするところであるが(最高裁昭和43年(オ)第1184号同44年5月29日第一 小法廷判決・民集23巻6号1064頁,最高裁平成8年(オ)第380号同12 年3月14日第三小法廷判決・裁判集民事197号375頁参照),性別の取扱いの変更の審判を受けた者については,妻との性的関係によって子をもうけることは およそ想定できないものの,一方でそのような者に婚姻することを認めながら,他方で,その主要な効果である同条による嫡出の推定についての規定の適用を,妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に認めないとすることは相当でないというべきである。」と述べています。

 
また、所謂「わらの上からの養子」に関する次の判例があります。この事件は、虚偽の出生届けであるからと、それまで親の立場で経過してきた被上告人夫婦が親子関係の不存在を主張したのに対し、上告人が養子縁組の成立を主張したものですが、判決は、結論として、虚偽の届けである以上子の身分について何らの効力も認められないとしたものです。しかし、同じ親子関係不存在確認の事例で、長年親子として暮らしてきた場合、親の立場の者から一方的に親子関係の不存在を主張することは許されないとして、結論的に、本件とは逆に虚偽の届けの効力を覆さなかった判例もあります。こちらもご覧下さい。 
 
養子とする意図で他人の子を嫡出子として届けても、それによつて養子縁組が成立することはないと判示した判例(最判昭25・12・28)
 
この判決は、その理由として「論旨は(イ)被上告人夫婦(亡Dと被上告人)は、上告人の意思に関係なく、被上告人側夫婦の意思のみによつて上告人をその嫡出子として戸籍上の届出をなし、 爾来上告人を実子の如く養育し、上告人も被上告人夫婦を実父母と信じて経過して来たものである。かゝる場合には上告人側からは親子関係不存在確認の訴を提起することができても、被上告人側からはかゝる訴を提起することは許されないものである。したがつて本訴は違法の訴である。次に(ロ)本件の場合の嫡出子の届出は、 これを養子縁組の届出があつたものと認むるのが相当であるのに、原審は上告人の この主張を排斥したのは不当であると主張するのである。しかし(イ)の点につい ては、嫡出子は「妻が婚姻中に懐胎した子」であることを要件とするものである。 ところが原審の確定した事実によれば、上告人はEとF間の婚姻外の子であつて、 被上告人夫婦間の嫡出子ではないのに、嫡出子として戸籍上の届出がなされているのである。してみれば、この儘の状態では外形上嫡出子の親子関係が存在するかに見え、したがつてそのような法律関係をもつて律せられることになるから、上告人側からも被上告人側からも嫡出子関係は不存在の確定を求むる利益を有するものといわなければならない。そしてこの事は、その届出が上告人の意思に関係なく被上告人側の意思のみによつてなされたものであり、また当事者間従来法律上事実上親子同様の関係が持続されて来たものであるとしても、これ等の事実によつて嫡出子関係が創設される謂われはなく、しからば叙上確定の利益に消長を来すものではないのである。されば被上告人の本件訴は適法のものといわなければならないから、この点の論旨は理由がない。次に(ロ)の点については、養子縁組は本件嫡出子出生届出当時施行の民法第八四七条第七七五条(現行民法第七九九条第七三九条)及び戸籍法にしたがい、その所定の届出により法律上効力を有するいわゆる要式行為であり、かつ右は強行法規と解すべきであるから、その所定条件を具備しない本件 嫡出子の出生届をもつて所論養子縁組の届出のあつたものとなすこと(殊に本件に 養子縁組がなされるがためには、上告人は一旦その実父母の双方又は一方において 認知した上でなければならないものである)はできないのである。しからば原審の この点の判断には何等の誤りはないから、論旨は理由がない。」と述べています。



出生届け
 子が産まれたときは、14日以内(国外で出生があつたときは、3箇月以内)に、原則として、出産に立ち会った医師、助産婦等の作成した出生証明書を添付した届書に、父母の氏名を記載して、出生届けをしなければなりません(戸籍法49条)。婚姻中の夫婦間の子である嫡出子の出生届けは、父又は母が行い、子の出生前に父母が離婚していた場合は、母がこれを行います。また、嫡出でない子の届けは、母が行わなければなりません(戸籍法52条)。嫡出でない子の出生届けでは、父親の名は記載できません。父親の名を記載するためには認知の手続きが必要となります。

 そして 次に、嫡出推定を踏まえて再婚禁止期間(民法733条)が定められることとなります。つまり、再婚する前の婚姻を「前婚」、再婚した婚姻を「後婚」としますと、前述の「婚中懐」の推定を踏まえれば、離婚後300日以内に産まれた子は前婚中の懐胎と推定されて、前夫が父親となり、後婚の後200日以後に産まれた子は後婚によって懐胎したと推定されて、後夫が父親ということになりますから、両婚の間に100日間の空白期間を置けば、前婚子と後婚子の推定が重なることがなく、産子がどちらの子であるか不明とする余地はありません。それで、この離婚の後100日間は再婚禁止期間として、産子がどちらの子か不明となる事態を防ごうという訳です。この禁止違反の再婚で両婚による懐胎推定が重なる場合の出生届については、次の段落をご覧下さい。



    前婚離婚(又は取消)のその日から百日たぬ婚姻

       
(子ができても)
両夫(推定)なり父難知

            再婚禁止
(期間)なっとるさ
733



    
離婚する
()なくば

                 
日数(ひかず)たず(再婚)()
733Ⅱ①

          
(娠)あれば ちて

             
(再) して燦々733スタート。

                           「して」は、7の伊語「セテ」、西語「シエテ」から
 

 
そして、以前は「六か月」とされていた再婚禁止期間が、「百日」に法改正されたきっかけは、こちらの判例 (最判平27・12・16) が「民法733条1項の規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分は、・・・憲法14条1項、24条2項に違反する」と判示したからでした。
 禁止期間違反の婚姻の取消しについてはこちらをご覧下さい。また、その取消しができなくなる場合についてはこちらをご覧下さい。



       臨婚女


          
前婚離婚(又は取消)そのから

      百日
って(再したとすると)、(前後両婚)両夫

   推定事態
なさそ
733(更に二百日経った日を境にその前に生まれた子は前婚子
          
その後に生まれた子は後婚子と推定され、推定が重なることがない)


                望
再婚

説明部分を取り払うと

      臨婚女

 
          
前婚離婚
そのから

        
百日って 両夫

    推定事態
なさそ733再婚也。



(再婚)禁止期間違反の再婚
(禁期婚)で子が生まれた場合、父性の推定が前後両夫に及ぶことになるときは、出生届けに父親の氏名を記載することができません。禁期婚で産まれた子でも、後婚の成立後200日以内に産まれた場合は、後婚による推定はかからないので、推定の重複がなく、前婚の夫が父と推定されることになります。推定が重複する場合、どちらが父親か確定するためには裁判が必要となります。これが民法773条父を定める訴え(人事訴訟法43条、〔§2、§4〕)です。

 但し、平成19年の法務省通達により医師の証明書によって
離婚後に懐胎したことが認められれば、後婚子としての出生届けができる☆こととなりました。なお、禁期婚のため父を定める訴えが必要となる子の出生届けは、母が行うことになりますが、その場合は届書に、父が未定である事由を記載しなければなりません(戸籍法54条)。

 ☆ 厳密には、「
懐胎時期に関する証明書」によって、推定される懐胎の時期の最も早い日が婚姻の解消又は取消しの日より後の日である場合に限り,婚姻の解消又は取消し後に懐胎したと認められ,民法第772条の推定が及ばないものとして,母の嫡出でない子又は後婚の夫を父とする嫡出子出生届出が可能です。」とあります。
 
禁止期間違反の婚姻 (禁期婚) は婚姻取消しの対象となり得ますが、妊娠・出産との関係で、取消しができないことになる定め (民法746条) について、こちらもご覧下さい。



        前婚了後
(の)三百()

           
後婚(こうこん)って二百()()


         その
出産
(前後)両婚婚中懐(推定)

         
(両夫共父であり得るので)
(親を)(なん)知産(ちざん)773

           「
める家裁


認 知 

 男性が
婚姻外で子を儲けた場合、我が子であっても法律上は他人になってしまいます(既婚男性が子を儲けた場合、通常、婚姻による嫡出推定により、その子は妻との間の子とされ、男性はその法律上の父親となります。ですから、婚姻外の女性との間では、その子は嫡出推定外となって、父親としての推定が働かず、その侭では他人となります)から、法律上も自分の子供とするためには、 認知 をすることが必要となります。認知によって父子関係が発生する(民法779条)訳ですが、法文上は、「嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる」とあって、母親による婚外子認知も予定されています。ただ、母子関係は、後述のように分娩の事実によって生じるとされていますから、通常は、母と子の間柄であることが認知を待たずに認められます。認知は、認知届けによってする(民法781条1項戸籍法60条)か、又は、遺言によってもすることができます(民法781条2項)。遺言による場合は、遺言執行者から届出をすることになります(戸籍法64条)認知能力についてはこちらをご覧下さい。ここまでは、父側からする任意認知であり、いわゆる主観主義的認知と言えるものですが、任意の認知が行われない場合には、子の側からする認知も認められています。昔は、例えばフランス民法等でも、婚姻尊重と父権尊重とが相俟って「父親の捜索」を許さない法制が一般的であったと言われますが、それが徐々に緩和されて父親の意思に訴える「認知請求」を許し、さらに今は、「主観」の主体である父親の死後3年までは認知の訴えが許される(民法787条人訴§2) 客観主義へと変化して、「強制認知」色を増してきていると言えます。親の死後になされる認知を「死後認知」と言います。訴訟では、原告に立証責任が課せられるのが原則ですが、認知の訴えではかつて、父親側から「多数当事者の抗弁」が提出されると、母親の「父親以外とは性的交渉がなかつた」との主張が容易に覆されるという原告に不利な判断が行われたりしました。しかし、判例(最判昭29・1・21)はその後、内縁にも民法772条嫡出推定を類推して内縁懐胎を認めるようになり、事実上立証責任の転換が図られて今日に至っています。内縁関係がない場合の困難は残る訳ですが、最近では、DNA鑑定が普及し一般化していますので、立証困難の早期解消が期待できますし、客観主義が一層進むことが予想されます。認知届けについては、こちらをご覧下さい。任意認知が得られず、家裁での手続きに入る場合は、「家族法関係事件の手続のあらまし」で離婚について述べたと同じように 、「調停認知」、「審判認知」、「裁判認知」の3通りの認知があり得ることになります(調停認知について、こちらをご覧下さい)。

なお、
嫡出でない子について父から嫡出子とする出生届がされ、又は、嫡出でない子としての出生届がされた場合、各出生届が戸籍事務管掌者によって受理されたときは、その各届けは、認知届けとしての効力を有するとする判例(最判昭53・2・24)があります。
 この判決は、その理由として、「けだし、右各届は子の認知を主旨とするものではないし、嫡出子でない子を嫡出子とする出生届には母の記載について事実に反するところがあり、また嫡出でない子について父から出生届がされることは法律上予定されておらず、父がたまたま届出たときにおいてもそれは同居者の資格において届出たとみられるにすぎないのであるが(戸籍法五二条二、三項参照)、認知届は、父が、戸籍事務管掌者に対し、嫡出子でない子につき自己の子であることを承認し、その旨を申告する意思の表示であるところ、右各出生届にも、父が、戸籍事務管掌者に対し、子の出生を申告することのほかに、出生した子が自己の子であることを父として承認し、その旨申告する意思の表示が含まれており、右各届が戸籍事務管掌者によつて受理された以上は、これに認知届の効力を認めて差支えないと考えられるからである。」と述べています。




    ならぬ(まま)けりゃ

             
我子(わがこ)でもそのならば他人也


            
認知によりて父子(ちちこ)779ぞなる。





認知は認知届けによってする(民781条1項戸籍法60条)か、又は、遺言によってもすることができます(781条2項)。遺言による場合は、遺言執行者から届出をすることになります(戸籍法64条)。





    我が子なら

      
戸籍の法(§60~§65)(のっと)って)届出するかさもなくば

         
遺言(いごん)781戸籍法64条 によるの(認知の)(方式)がある

                   
781だ、認知せえやい781



認知の訴え 
 
親の側からの任意の認知がなされない場合は、非嫡出子の側から訴えの形で認知を求めることもできます(民法787条)。子は勿論ですが、母親も子の法定代理人として訴えを起こすことができます。この場合、子が意思能力を有するに至っているときでも、法定代理人母として訴えを提起できるとする判例(最判昭43・8・27)があります。訴えを提起することができる者としては、「子、子の直系卑属、これらの者の法定代理人」とありますので、孫が提起することも可能ですが、783条2項に「父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる」とあるので、孫からの訴え提起は、子の死亡後に限り可能であるとされています。父親の死亡後に認知の訴えを起こす場合、相手方は検察官となります(人事訴訟法12条3項)。親権者が法定代理人として訴えを提起する場合、身分行為については代理は馴染まないから、職務上の地位に基づく提起だとする説もあるようですが、上記判例は法定代理とする立場です。こちらもご覧下さい。
 なお、認知請求権を放棄することができるかという論点があり、放棄できるとする説もあるようですが、判例は、「認知請求権は、その身分法上の権利たる性質およびこれを認めた民法の法意に照らし、放棄することができないものと解するのが相当である」として消極に解しています(最判昭37・4・10)。この訴えは、父死亡後も認められ、父死亡後は検察官を相手とする強制認知色の強いものですが、例えば、詐欺・強迫による婚姻について、検察官にはその取消権がないとされる理由は公益要素がないからであるとされることにも窺えるように、この認知の訴えで検察官が関与するのは公益的要素があるからであり、それは、当該子が知らずに近親婚をする虞れを未然に防ぐことに資することにあると思われます。そうとすれば、公益に反する認知請求権の放棄は認められないものと言うべきです。

 
  

        ()(まご)(直系卑属) 法定代理(人)

             父母(ちちはは) 生前 ()没後三年 (迄)

                父母(ちは)() 787 ( ) 訴えできる



保存された精子を用いて当該男性の死亡後に行われた人工生殖により女性が懐胎し出産した子の認知請求事件で、その子と当該男性との間の親子関係を否定した判例(最判平成1894)があります。
 この判決は、その理由として、「民法の実親子に関する法制は、血縁上の親子関係を基礎において、嫡出子については出生により当然に、非嫡出子については認知を要件として、その親との間に法律上の親子関係を形成するものとし、この関係にある親子について民法の定める親子、親族等の法律関係を認めるものである。ところで、現在では、生殖補助医療技術を用いた人工生殖は、自然生殖の過程の一部を代替するものにとどまらず、およそ自然生殖では不可能な懐胎も可能とするまでになっており、死後懐胎子はこのような人工生殖により出生した子に当たるところ、上記法制は、少なくとも死後懐胎子と死亡した父との間の親子関係を想定していないことは、明らかである。すなわち,死後懐胎子については,その父は懐胎前に死亡しているため、親権に関しては、父が死後懐胎子の親権者になり得る余地はなく、扶養等に関しては、死後懐胎子が父から監護、養育、扶養を受けることは あり得ず、相続に関しては、死後懐胎子は父の相続人になり得ないものである。また、代襲相続は、代襲相続人において被代襲者が相続すべきであったその者の被相続人の遺産の相続にあずかる制度であることに照らすと、代襲原因が死亡の場合には、代襲相続人が被代襲者を相続し得る立場にある者でなければならないと解されるから、被代襲者である父を相続し得る立場にない死後懐胎子は、父との関係で代襲相続人にもなり得ないというべきである。このように、死後懐胎子と死亡した父との関係は、上記法制が定める法律上の親子関係における基本的な法律関係が生ずる余地のないものである。そうすると、その両者の間の法律上の親子関係の形成に関する問題は、本来的には、死亡した者の保存精子を用いる人工生殖に関する生命倫理、生まれてくる子の福祉、親子関係や親族関係を形成されることになる関係者の意識、更にはこれらに関する社会一般の考え方等多角的な観点からの検討を行った上、親子関係を認めるか否か、認めるとした場合の要件や効果を定める立法によって解決されるべき問題であるといわなければならず、そのような立法がない以上、死後懐胎子と死亡した父との間の法律上の親子関係の形成は認められないというべきである。」と判示しています。



母子関係
については、判例 (最判昭37・4・27)によっても、「母とその非嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知を俟たず、分娩の事実により当然発生する」として、分娩・出産の事実自体により認められるとされていますが、その分娩・出産の事実がない場合について、 
代理出産で出生した子とその出産のため卵子を提供した女性との間の母子関係の成立を認めなかった判例(最判平成19・3・23)があります(このような事例の場合、現行法制の下では、卵子の母にとっては、養子又は特別養子の道しか残されていないことになるので、判決が言うように速やかな対応が強く望まれます)

 この判決は、その理由として、「民法には、出生した子を懐胎、出産していない女性をもってその子の母とすべき趣旨をうかがわせる規定は見当たらず、このような場合における法律関係を定める規定がないことは、同法制定当時そのような事態が想定されなかったことによるものではあるが、実親子関係が公益及び子の福祉に深くかかわるものであり、一義的に明確な基準によって一律に決せられるべきであることにかんがみると、現行民法の解釈としては、出生した子を懐胎し出産した女性をその子の母と解さざるを得ず、その子を懐胎,出産していない女性との間には、その女性が卵子を提供した場合であっても、母子関係の成立を認めることはできない。」と述べ、さらに、「もっとも、女性が自己の卵子により遺伝的なつながりのある子を持ちたいという強い気持ちから、本件のように自己以外の女性に自己の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産することを依頼し、これにより子が出生する、いわゆる代理出産が行われていることは公知の事実になっているといえる。このように、現実に 代理出産という民法の想定していない事態が生じており、今後もそのような事態が 引き続き生じ得ることが予想される以上、代理出産については法制度としてどう取り扱うかが改めて検討されるべき状況にある。この問題に関しては、医学的な観点からの問題、関係者間に生ずることが予想される問題、生まれてくる子の福祉などの諸問題につき、遺伝的なつながりのある子を持ちたいとする真しな希望及び他の女性に出産を依頼することについての社会一般の倫理的感情を踏まえて、医療法制、親子法制の両面にわたる検討が必要になると考えられ、立法による速やかな対応が強く望まれる」旨付言しています。なお、こちらもご覧下さい。。



認知能力 (身分行為能力)
 
婚姻のように人の身分に関する行為は、財産行為に関する (弁識能力の有無・程度を基準とする) 後見(民法9条)保佐(13条)補助(17条)等の、行為能力による制約を受けることがありません。したがって、身分行為のための能力という点においては、行為するその時に本人に意思能力があり、また、その行為相応の心身の成熟と理解力・判断力があれば、法律行為として当該身分行為は成立します。そして、その目安としては、人は、15歳になれば自身の意思で他人の養子となることができ(但し、家裁の許可というチェックは必要(民法798条)です)、又、自ら遺言することもできます(民法961条)。これは単なる目安であって、当該の者が15歳未満であっても、その身分行為に関し、具体的場面で観察力・思考力・判断力が備わっていることが認められれば、当該身分行為の能力ありと認めることができます。但し、年齢による法定障碍事由にあたれば、当該行為はできないことになります。財産的な利害の弁識能力とは異なりますから、たとえその人が後見人の後見を受ける成年被後見人であっても、行為時にその身分行為についての能力があれば、後見人の同意を要せずに、その行為をすることができます。民法は、738条でまず婚姻についてこの点を定め、それに続く離婚(764条)、縁組(799条)、離縁(812条)について、この738条婚姻能力規定を準用しています。なお、認知については、780条で「認知をするには(子の)父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない」と、未成年者(5条)も含めた形で別個に規定しています。未成年者の婚姻(§737)・離婚(§753)・縁組(§792§797§798)・離縁(§811§811の2§815)については、上記各成年被後見規定とは別にその保護的ないし制度的観点からの規定を置いています。なお、このような被後見人等の身分行為に関する訴訟での訴訟能力について、こちらもご覧下さい。なお、条句にある遺言能力については、こちらをご覧下さい。
意思能力 自分が行為するについて、その動機と結果、或いは、その行為の性質を認識し、自分の判断で行為することを決定できる能力のことであり、通常は、学齢に達すれば意思能力を備えるに至ると言われています。もちろん、個人差がありますから、一般論としてそう言えるということですが、重い精神病者であるとか、酩酊が酷い場合や失神しているときは、意思能力に欠けることになります。


   未成年被後見()でもはできる780

     意思
正気せれば
(意思能力があれば)

        心
962 その気 芽生えれば




 
認知遺言(いごん)その()むに962

     代理
なじまず
()(理人) 同意 るをしない

            §962は、遺言能力に関し行為能力を不要とする規定




成人子胎児・亡子の認知
 成年の子は、その承諾がなければ、これを認知することができません(民法782条)。また、母親が妊娠中の胎児も認知対象となり得ますが、その母親の承諾なくしては認知できません(783条1項)。さらに、亡くなった子でも、認知することが可能ですが、それはその子に直系卑属があるときに限られ、その直系卑属が成人であれば、その承諾を得なければなりません(783条2項)。




   782った成人

       我
認知世話に782なる!」

         
ムシがよすぎてされぬ

          子自身
承諾なければ認知不可

                     7を
形の類似から「り」と読む。



   ケース(せば)783783 胎児 認知 なら

     ① 胎児()承諾(を)


    ② なら(直系卑属)あるときられて

      成年(そん)
ならその承諾なくば認知不可



認知の効力

 民法784条は「認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。」と定めます。したがって、認知されたことにより、亡くなった父親の相続人となるということが起こり得ます。その際、同条の但書によって、既に相続人らが遺産の分割を終わってしまっていた場合は、その相続人らの取得分を害し得ないとすると、今度は被認知者が取得分を失って、不利益を被ります。そこで、民法は910条で「相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。」という手当をしています。先順位の相続人がいないということで、後順位の相続人らが遺産分割を終えてしまっていた場合はどうすべきかの規定はないのですが、同順位の場合について910条のような価額のみによってではあれ、取得を認める規定を設けているからには、先順位の場合は当然に被認知者が相続することができる筈であるとして、当然解釈されるべきと言われています。本来、後順位者であって、相続に与れない立場であった者たちであってみれば、一旦取得したものを失うのも仕方ないことと思われます。したがって、被認知者が相続する場面では、この784条但書は全く適用がないことになり、また、この但書が他に適用される場面は殆ど考えられないと言われています。なお、こちらもご覧下さい。



   認知 出生時

    
     その世話784養育費 、

        死後
認知
相続、  

        
せわし784てくるが第三者をば



   (死後或いは遺言)認知され

          となれて既分割

          苦闘 910結果(受け容れ)やむなき

       価額のみ (という制限を受け)

        お宝分けをむは

          苦汁 910飲まさる’うべきか




認知取消しの禁止

 
認知によって一旦父子関係(或いは母子関係)を認めた者は、その認知を取り消すことができません(民法785条)。条文には「認知をした父又は母は、その認知を取り消すことができない」とありますから、当然、任意認知をした親には、ということになりますが、その親には取消権がないということです。この取消権を、行為の効力が発する前にその効力を失わせる「撤回権」と解する説もあるようですが、民法は、家族法中で、婚姻・離婚・縁組・離縁等において「取消し」規定を置いていますから、認知だけそれらと異なる意味に用いていると解するのは不自然です(まして、遺言では、以前「取消し」とあったのを、「撤回」と改正しています(1022条を平成16年に改正)から、認知でも撤回と解すべきなら、その際に改められていた筈です)。そして、これら他の取消しのうち、創設的な身分行為である婚姻、縁組では婚姻障碍のように公序良俗に照らし是正を要する故の取消しに、詐欺・強迫による取消しが加わわって、取消原因とされています。認知においても「取消し」の同じスキーム上で、785条の認知取消しの禁止規定が置かれているのですから、成年子や胎児・亡子の認知要件とされている承認の欠缺や詐欺・強迫等の瑕疵を理由とする認知の取消請求はできない、と定められていることになります。この点は、次の条文786条が真実に反する認知であれば、たとえ認知者本人からでも認知無効の訴えが許される(この点は、次に述べるように判例が認めています)とされていることにも照応します。つまり、騙され、或いは脅されて認知したからといって、一旦親子関係を認めた上は、それが真実に反し、786条によって無効とされ得るものでない限り、有効性を妨げられない、というのが785条の法意であると言えます。ことに、婚姻障碍の一つである近親婚を防ぐという観点からは、認知における血縁の明確化は公序良俗にも関わるので、成人・胎児・亡子の認知に要するとされる承認がなかったからといって、或いは、騙され、脅されてしたからといって、その認知の取消しを許すことはできないというのが民法の採る立場ではないでしょうか。



 人生
若気(わかげ)
ナンパ後785

   認知
であっても(ナンパ結果の子である事が)事実なら

 
    たとえ認知〔脅〕された(詐欺・強迫)結果からとて取消せぬ


        
立派782った成年子

               
(せば)783ケース(児と)(き)

     
      認知承諾 いても認知取消せぬ



認知無効の訴え任意認知に対する反対事実の主張
 民法786条は「
子その他の利害関係人は、認知に対して反対の事実を主張することができる。」と定めます。これにより、任意になされた認知が真実に反している場合、認知によって養育費等の扶養義務を負い、或いは相続権を失う等の不利益を被る者は、認知無効の訴えを起こすことができます(民法786条、人事訴訟法2条2号)(その前に調停を経なければなりませんが)。認知無効の訴えについては、その判決によってはじめて無効という法効果が創設的に生じるとする形成無効とする説もありますが、前述した認知取消しの禁止理由である公序良俗の観点からは、当然無効として、他の主張の先決問題としても認知無効を主張できると言うべきです。また、認知をした父親本人が、事実に反した認知であったことを理由として、この訴えの原告となることができるかという問題がありますが、公序に反し当然無効とすれば、認知者本人を含め誰からでも主張ができることになります。その旨判示した判例が出ました。

認知者は,民法786条に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができ,この理は,認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならない旨判示した判例(最判平26・1・14)
 この判決は、その理由を「血縁上の父子関係がないにもかかわらずされた認知は無効というべきであるところ、認知者が認知をするに至る事情は様々であり、自らの意思で認知したことを重視して認知者自身による無効の主張を一切許さないと解することは相当でな い。また、血縁上の父子関係がないにもかかわらずされた認知については、利害関係人による無効の主張が認められる以上(民法786条)、認知を受けた子の保護の観点からみても、あえて認知者自身による無効の主張を一律に制限すべき理由に乏しく、具体的な事案に応じてその必要がある場合には、権利濫用の法理などによりこの主張を制限することも可能である。そして、認知者が、当該認知の効力について強い利害関係を有することは明らかであるし、認知者による血縁上の父子関係がないことを理由とする認知の無効の主張が民法785条によって制限されると解することもできない。 そうすると,認知者は、民法786条に規定する利害関係人に当たり、自らした認知の無効を主張することができるというべきである。この理は、認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異なるところはない。」と述べています。


  認知(相続権やら扶養義務) 不利益(こうむ)関係人

        
はた又その
本人反対事実ナパーム786

             
って
(認知)無効 できる




相続開始後の認知と遺産分割
 父親が遺言で認知する 、或いは、死後の訴えにより、 死後認知となるときは、相続の問題にもなり得ますが、他に相続人がいる共同相続で既に遺産分割が終わっている場合、価額のみの支払請求となるとの定めがあります(民法910条)( →被認知者の価額支払請求)こちらもご覧下さい。



   
(死後或いは遺言)認知され継ぐ身となれて

       既分割 苦闘
910結果(受け容れ)やむなき

         
価額のみ
(という制限を受け)宝分けをむは

                 ‘
苦渋910まさる’うべきか



認知後の子の監護 
未成年の子について、父親が我が子であると認知をすると、父母の協議によって父を親権者と定めたときに限り父が親権を行うと民法819条4項は定めますので、その旨の協議が調わない限り、母が行うことになりますが、認知後の子の監護についても、父母の協議によって、面会交流・養育費も含めて、子の利益を最優先にして、定めなければなりません(民法788条766条)。この766条については、こちらをご覧下さい。



 認知
したなら その父母(ちは)788

   子供
世話焼
788 ()(ろう)(揺り籠の意)() ) 766 (監護面会養育費)

     
      子()()優先()めねばない

       できぬなら
家裁調停
(調停不成立なら)い で審判



準 正
 ここで婚中懐(胎)
(§772)、養子縁組(§809)と並んで、子が嫡出子となる3大要因である準正について述べることになります。非嫡の子の認知の後に父母が婚姻の届出をし、或いは父母の婚姻後に父母から認知の届出があると、それらの届けだけで、子は嫡出子となります。前者が婚姻準正(民法789条1項)、後者が認知準正です(民法789条2項)準正は、要するに、①分娩事実により母親の子とされている非嫡出子ないし内縁子について、②認知により父子の間柄が加わり、さらに③父母の婚姻事実が重なれば、子は嫡出子となるというもので、②③の順のものが婚姻準正、③②の順のものが認知準正です。前者の場合は、明文はないものの、父母が婚姻した時に準正の効果が生じ、子は嫡出子となります。しかし、認知準正の場合は、最後に認知が加わわり、その認知には、本来出生時までの遡及効があります(784条)から、789条2項の文言「その認知の時から、嫡出子の身分を取得する。」は妥当ではなく、認知準正の場合も遡及をして、婚姻準正と同じく婚姻時から嫡出子となると解すべきとされ、戸籍実務もそのような扱いをしています。
 なお、
(昔、慣習として存在した「足入れ婚」がその例ですが ) 内縁中に懐胎し、婚姻後 (200日以内で) 出産した子は、出生と同時に当然嫡出子の身分を有するとされ、戸籍実務では「推定されない嫡出子」として、嫡出子の戸籍記載が行われることは前述のとおりです。また、戸籍法62条は、認知準正によって「民法第七百八十九条第二項の規定によつて嫡出子となるべき者について、父母が嫡出子出生の届出をしたときは、その届出は、認知の届出の効力を有する。としますので、認知届ではない嫡出子出生届であっても認知準正により婚姻時からの嫡出子とされます。結局、非嫡出子ないし内縁子の父母が婚姻し、その子の出生につき婚姻前後を出生日とする嫡出子出生届がなされれば、婚姻時からの嫡出子となります。婚姻前の出生であれば、「準正」による、婚姻後の出生であれば、「推定されない」嫡出子ということです(もちろん、婚姻後200日を超えての出生であれば「推定を受ける嫡出子」です(§772))



 
772なる(200を超えて300内)婚中懐 ()にはあらねども
 
      
(にん)(知)()婚姻

     
 ② (こん)父母(ちは)(が)認知したならば


  (いず)子供(ちは) (こん)789

    婚中懐
(なぞ)

   
届け (①は婚姻届、②は認知届)()でれば準正 (による) 嫡出


   準正可能也婚姻準正、②のそれは認知準正

       各準正
はこう789んでける


婚姻障碍
 
前記の重婚732)や(再婚)禁止期間(「待婚期間」と言います)(§733)違反の再婚(「禁期婚」と言います)、その他、婚姻年齢731)に達しない者による婚姻 (「不適齢婚」と言います) 、或いは、直系血族又は三親等内の傍系血族の間の婚姻734)、直系姻族間の婚姻735)、養子・その直系卑属(これらの配偶者も)と養親・その直系尊属との婚姻736)(以上をまとめて「近親婚」とします)等、婚姻が法により禁じられている事由で、婚姻届けの段階からハードルとして存在するものを婚姻障碍と言いますが、この婚姻障碍 (不適齢重婚禁期近親婚) を伴う婚姻は、各当事者、その親族又は検察官から婚姻取消しを請求することができます。但し、検察官は当事者の一方が死亡した後は、請求することができません。また、重婚と禁期婚の場合は、当事者の配偶者又は前配偶者からも取消しを請求することができます744)(人訴§2) 同様に取消原因となるものして、上記の四つの他詐欺・強迫による婚姻747)がありますが、これについては、公益的原因ではないとして、検察官は取消権を認められていませんし、当事者の取消権も、詐欺を発見し、若しくは強迫を免れた後3か月を経過し、又は追認をしたときは、消滅します。公益的要素がある上記四つの場合の内、禁期婚については、後記のような取消権消滅の定め、不適齢婚についても後記のような同消滅と追認の定めがあります。婚姻取消請求は、認められている期間内に提起すれば、その期間内に手続きが完了しなくともよいとされています。婚姻取消しの効力についてはこちらを、取消しに伴い対処すべき事項、取消しの手続き等についてはこちらをご覧下さい。
                 


    

    不適齢731732禁期733近親(§734~736)

     殺生744かもでもけぬ、

    当事者親族 (親等不問)検察官(から)

    (家裁に取消)
請求あれば(婚姻は) ナシとす744


     検察官(は)当事者一方死亡

     死後
取消請求
なしよ744

    禁期
(については)(偶者)前配(偶者) (取消) 請求



    「シとす」は、44を「四十四」としての読み



     たり、したりして

       ぶかの婚姻なすな747、バカあるぞ。

 

    婚姻ナヨナ747なしな747

       されて、またされてしたのなら、

       詐欺(わか)強迫(のが)れて三月(みつき)

       
めてやまるのに8062

       
三月経過(自らする)追認  (取消)  請求できんこととなる


      806条の2は、縁組時、配偶者が詐欺・強迫により同意した場合の取消しに関する規定

婚姻取消し
 
婚姻の届出については、民法740条が、731条から736条までに定められた婚姻障碍となる不適齢重婚禁期近親婚にあたる事由の有無のほか、未成年者の婚姻に関する父母の同意(737条)、証人の要件(739条2項)、その他法令の定めに違反していないかを確かめた後でなければ受理することができない旨を定め、さらに、744条は、上記四つにまとめた障碍事由をクリアしない婚姻については、婚姻取消しの請求が待つことになる旨を定めます。しかも、743条は、「婚姻は、744条から747条までの規定によらなければ、取り消すことができない。」としていますので、婚姻取消請求は、婚姻障碍と詐欺・強迫(§747)を理由とする限定された場合にのみ許されることになります(父母の同意のない未成年婚は、あとからは婚姻取消しの対象となりません)。婚姻取消しの効力については、取消しに伴う利益返還(婚姻に取消原因のあることを知っていた当事者は、得た利益の全部、知らなかったときは現存利益の限度で返還します)(知っていたときは、さらに)損害賠償の規定(民法748条)がある他は、離婚規定(民法728Ⅰ766~769 790Ⅰ819Ⅱ、Ⅲ、Ⅴ、Ⅵ)準用されます(民法749条)。準用によって婚姻取消しに伴う出来事を列挙すると、復氏・婚氏続称(§767)親権者指定(§819)子の監護者・監護費用等766)財産分与768)祭祀承継769)姻族関係終了728)離婚後に出生した子の氏790Ⅰ)となります。下線クリックでご確認下さい。なお、婚姻取消請求は、人事訴訟手続法2条1号の事件ですが、家事事件手続法244条257条(調停前置主義の原則)により、まず調停に付され、次いで、家事事件手続法272条3項により訴訟へ、と離婚同様の手続きとなります(当事者間に合意が成立して相当と認められると、同法277条により、合意に相当する審判で終えることができます)。婚姻取消しの効力についてこちらもご覧下さい。家裁での手続きについてはこちらをご覧下さい。


 
  
には
728縁切(姻族終了)


       名務
して
767復氏・婚氏続称

       (ろう) 766子の監護事項

      親権以降819どちらか親権〔真剣〕俳句819



   子
くれ
790の氏)、姓婿(せいむこ)769 769難問768

             祭祀承継
財産分与
 婚取消
準用

                   
なしく
749にも解決すべし

                 
 (それぞれの条句の元句については、「離婚の効果」をご覧下さい。)




重婚は、婚姻中の者が重ねて婚姻することを言いますから、既婚者が、配偶者でない者と婚姻届けをすることなく重ねての夫婦生活をすることは、重婚にはあたりません。婚姻届という社会的承認を二重に受けた場合を言いますから、戸籍事務の審査(民法740条、戸籍法63条、但し、実質的審査権はなく形式審査にとどまります)をすり抜ける困難に照らせば、故意にする重婚は希にしか起こらないことです。したがって、故意による重婚であれば、「終生的貞操結合」という婚姻の本質に真っ向から背くことで、刑法上の犯罪(刑法184条)となります(後婚の相手方も同様に罰せられます)。しかし、民事的には、故意・過失、善意・悪意の別を問わず、結果として重婚となった場合、いずれもその外形上普通に社会生活が営まれる事実を重んじ、無効ではなく、取消し可能な婚姻とし、しかも、取消しの効力を遡及させず(§748Ⅰ)に対処することになります(婚姻取消しの効力についてこちらもご覧下さい)。重婚の取消しは、近親婚等他の婚姻障碍事由と共に、公益的見地からの取消しとなるので、当事者、親族の他、検察官にも取消権が認められています。従来、重婚の例としては、失踪宣告によって配偶者が死亡したとみなされ(民法31条)て、再婚したが、その後生還による失踪宣告の取消し(民法32条)があったため、重婚となってしまった場合が取り上げられてきました。しかし、この場合は、「その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。」とする民法32条によって後婚が存続を許され、したがって、論理的に前婚は復活しないとせざるを得ないものと思われます。後婚が悪意であれば、勿論これを取消対象として対処すべきが当然で、この場合は前婚が復活します(後婚が悪意によるならば、勿論、離婚原因あり、ということになりますから、前婚も離婚の結果を見る可能性が大となりますが)。
 婚姻による配偶者が存在するのに、他の者といわゆる内縁の夫婦生活をすることを重婚「的」内縁と言いますが、これは、配偶者に対する貞操義務違反、同居・協力・扶助義務違反となり、また、その違反者と共に夫婦生活をする内縁者も、配偶者に対する不法行為責任を問われることになります。しかし、その配偶者との婚姻関係が事実上破綻して形骸化している場合は、これらの責任を問われる余地はありませんし、むしろ、内縁者の権利保護の方に注目しなければならないことともなります。

 
このような関係にあった内縁者の遺族年金の受給権に関して、まず、配偶者からの遺族年金の受給請求につき、「配偶者の概念は、必ずしも民法上の配偶者の概念と同一のものとみなければならないものではなく、戸籍上届出のある配偶者であっても、その婚姻関係が実態を失って形骸化し、かつ、その状態が固定化して近い将来解消される見込みのないとき、即ち、事実上の離婚状態にある場合には、もはや右遺族給付を受けるべき配偶者に該当しない」 として、受給請求を退けた判例 (最判58・4・14) があり、そして、上記のような重婚的内縁ではありませんが、内縁者からの、遺族年金の受給請求を認めた判例(最判平19・3・8、これは近親婚の事例でもありました)、夫の死亡退職金の受給請求を認めた判例(最判55・11・27、これは支給規程上の「配偶者」に内縁も含まれていた事例) 等があります。こちらもご覧下さい。
 重婚は、上記のとおり当事者、その配偶者、親族等から取消請求ができますが、重婚での後婚が離婚によって解消した後の取消請求は、(原則として)できないとする判例があります。


   人生航路難航時
752同居協力扶助により妹背(いもせ)ならば
           
            並
732夫婦生活つは出来重婚禁止


近親婚
 民法734条は、「
直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。2 第八百十七条の九の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。」として、所謂近親婚(「直血三傍血間」)を禁止しています。「養子と養方傍系血族」の婚姻としては、いわゆる婿養子がその例ですが、その対置としての「嫁養子」もあり得る訳です。817条の9は、特別養子の場合は、その縁組によって実方親族との親族関係が終了となる旨の規定ですが、734条の2項は、その親族関係終了後も近親婚の禁止は維持されることを定めています。この他、734条の法意の延長として、直系姻族間(735条)〔略して、「直姻間」〕、養親子間又は養尊・養卑(配偶者を含む)(736条)(略して、「養尊養卑間」)の各禁婚も定められていますが、これらをまとめて、近親婚と呼ばせて頂きます。734条の直血三傍血間禁止については、反倫理性と優生学的理由が規制根拠とされますが、同条2項の特別養子について、戸籍記載の工夫により一般には特別養子の実方とは判明し難い実方親族関係が、縁組により断たれた(817条の9)後も禁止が続くことに照らしても、同条による禁止は、優生学上の理由の大なることが窺えます。他方、直姻間と養尊養卑間の禁止は、それぞれ、姻族関係・縁組関係が終了した後も禁止されることで明らかですが、反倫理性のみが規制の根拠であるとされます。傍系血族間の婚姻は、三親等内が禁止となりますから、伯父伯母・甥姪間は禁じられますが、四親等である従兄弟・従姉妹間は婚姻することができます。姻族間は、直系間での婚姻が禁じられますが、傍系なら婚姻できますから、昔よく見られた、妻が亡くなりその姉妹から後妻に入る「順縁婚」、夫が亡くなりその兄弟が代わりに夫となる「逆縁婚」も可能です。順と逆と言う表現は、男系血統主義の表現で、「家」制度を思わせ、今は相応しくないですが、婚姻については法的な問題はありません。養子は、養親の嫡出子(§809)となり、血族同様の親族(§727)となりますから、養親等の養方直系血族との禁婚(734条)、養方直系姻族との禁婚(735条)は特に法条を設ける必要はないのですが、離縁による親族関係の終了(§729)があるので、736条を置いてその後も禁婚であることが定められています。

 上記の様に強い規制の対象である三親等傍系血族婚についてですが、上記遺族年金の受給を認めた判例はその判文で下記のように述べています。

厚生年金保険の被保険者であった叔父と内縁関係にあった姪が厚生年金保険法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たるとされた事例(最判平19・3・8)
この判決は、その理由として「厚生年金保険の被保険者であった叔父と姪との内縁関係が,叔父と先妻との子の養育を主たる動機として形成され,当初から反倫理的,反社会的な側面を有していたものとはいい難く,親戚間では抵抗感なく承認され,地域社会等においても公然と受け容れられ,叔父の死亡まで約42年間にわたり円満かつ安定的に継続したなど判示の事情の下では,近親者間における婚姻を禁止すべき公益的要請よりも遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するという厚生年金保険法の目的を優先させるべき特段の事情が認められ,上記姪は同法に基づき遺族厚生年金の支給を受けることのできる配偶者に当たる。」と述べています。
民法734条~736条近親間の婚姻禁止の条句です。


      ()()(親等)()()禁婚間

         
婚姻なんぞしたならば名指734 非難なるも、

        
養方姉妹(あねいもと)兄弟(あにおとと)〕なら他家なみよ734

                  婚姻ありてもしゅうない


       特別養子
排血
8179親族終えても禁婚



    子一度(ひとたび)舅姑となったならば

      子夫婦
離婚(よめ)婿(むこ)

           
にも(なぞ)735間柄()()

                   婚ならじ


     姻族関係終了意思をば表示728 或は又

     
  特別養子

        実姻
()親族終了した8179とき(実親が再婚した相手)

             
同じく直姻
(族間)婚ならじ



      離婚
(或いは)()() 表示後も

          特別養子
実姻()親族終了した8179とき

          親
(なぞ)735間柄(ゆえ)

        
離散後735()()ならじ
                      「7」を形の類似から「り」と読む


    養親(又はその直系尊属)

     養子
(又はその配偶者、養子の直系卑属又はその配偶者)

           
離縁後婚姻なさる
736禁忌也




     養親子離縁したならなさろう736

           お
いなしは浅慮也

        
養子並びに その直卑それぞれの連合いも

             (いずれも)()()とは禁婚間


未成年者の婚姻

 未成年者の婚姻については、男18歳、女16歳という婚姻適齢に達した後であっても、父母の同意を要します。しかし、この要同意原則とその例外がやや微妙に絡み合い、多少気抜けする結果が待つことになります。つまり、未成年の人が結婚するについては、民法737条1項が、父母の同意を得なければならないと規定しています。つまり両親の同意が必要というのが原則です。しかし、一方が不同意であっても、「他の一方の同意だけで足りる」と同条の2項は、例外の定めを置きます(他方の親が「知れないとき」、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも同様とされます)。そして、民法740条は、この737条を含む婚姻の諸要件や証人の要件、その他法令の定めに違反しないことを認めた後でなければ婚姻届けを受理することができない、としています。ですから、ここまでは他の婚姻要件違反と同じ扱いとして、親の同意がないとの理由で役所の戸籍係での不受理扱いを受ける訳です。しかし、この後、民法744条は、上記の「不適齢、重婚、禁期、近親婚」としてまとめた婚姻要件をクリアしない婚姻については、婚姻取消しの請求が待つことになる旨を定めますが、ここには親の同意に関する737条は含まれていないのです。しかも、743条は、「婚姻は744条から747条までの規定によらなければ、取り消すことができない。」としていますが、この744条から747条までの4箇条にも親の同意の関係する規定は存在しません。したがって、戸籍係が未成年者の婚姻届けに父母の同意の記載がないことを見落として受理してしまうと、父母の同意のない未成年婚は、あとからは婚姻取消しの対象とならない、ということになります。大上段に振りかぶった原則が尻すぼみになるような、何か腑に落ちないものが残りますね。なお、不適齢婚による取消権の消滅についてはこちらを、婚姻取消しの効力についてはこちらをご覧下さい。また、上記のことは、平成30年の民法改正により以下のように大きく変わります。

 平成30年6月20日に成年年齢・婚姻年齢に関する民法改正法が公布され、令和4年(2022年)4月1日から施行されることとなりました。これにより、約140年間続いた20歳を成人とする成年年齢制度が、18歳を成人とすることに大きく変わります
(民法4条)。また、戦後の昭和22年に、それまでより男女で各1歳引き上げられて、男性18歳、女性16歳とされて以来、70年以上続いた婚姻年齢も、男女等しく、成年年齢と同じ18歳となります(民法731条)。この改正により、未成年者の婚姻の可能性が消滅することから、婚姻による成年擬制はなくなり(民法753条は削除)、未成年者の婚姻に伴う父母の同意も不要となります(民法737条は削除)。この父母の同意を要するとする制度は、戦前は、男性30歳、女性は25歳になるまでその家の戸主と父母の同意が必要とされていたのを、戦後、原則として未成年者については、父母の同意を必要とし、但し、父母の一方が不同意である場合、他方の同意で足りるとの例外を置き、また、この要同意の定めに違反する婚姻届けは役所の戸籍係から受理を拒まれる旨を定め、しかし、誤って受理されると、他の婚姻要件違反の場合とは異なり、婚姻取消しにはならない等、経過自体が婚姻における個人の自主性を重んじて同意権が後退する流れにあった上、規制がやや曖昧で怪訝なものでもありました。それが、この度の改正により、父母同意の規制が成年擬制と共に撤廃されて、「成年・婚姻、あい共に 男女一律18歳」、そして、年齢的な規制として残るのは不適齢婚による取消しだけというスッキリした形になりました。こうして、憲法24条が「両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有する」と明示する婚姻における両性の自主と平等がさらに貫徹されることとなります。
 なお、若年層を悪環境から保護するためとして、飲酒、喫煙、公営ギャンブル等の禁止年齢は20歳までが維持され、また、他人の子に親権を行使することとなる養親の責任の重さに照らし、養親資格年齢についても20歳が維持されることになります。



未成年、親
同意をせぬ()は、御法度だからしなさんな737

  然れども片親同意するのなら

    他方
不同意なさんな737片親同意りる

     御法度けの受理難所740あり(受理を拒まれる)

     されど、
難所740のクリアで、

          
謎な737こぼし(婚姻の)取消しはなし




不適齢婚が取消不可となる場合
 不適齢婚は、適齢に達した後は、取り消すことができません。但し、本人は、適齢に達した後も3か月間、自ら追認する場合は別として、取消請求が可能です
(民法745条)。つまり、本人が、適齢に達する直前に、やはりその婚姻を取り消したいと考えた場合、適齢に達すると同時に取消権が消滅したのでは間に合わないので、適齢後3か月間の猶予を置くということです。その間に、適齢後の本人がその婚姻を追認すれば、取消権は消滅します。なお、婚姻取消しは、この3か月の期間内に請求すればよく、その期間内に手続きが完了しなくともよいとされています。


   
  
足りないさい731(は)

              
適齢に せし745 には取り消せぬ



       
足りない本人

         達
せし
745三月間(みつきかん)(自らする)

                   追認
なくば取消し




禁期婚が取消不可となる場合
 ところで、再婚禁止は、
離婚する時点で妊娠していない場合と、妊娠していても離婚後百日経たない内に出産していた場合★は、再婚禁止期間内でも、解禁となります(§733Ⅱ)
 そのため、
禁期婚は、離婚時に妊娠していたのに、そして、離婚後百日以内にその児を産んでいない侭に、再婚に踏み切った場合に限られることとなります。この場合、離婚後百日目の日より何日早く、手前で再婚したかにより、その日数分が(離婚後三百日目から手前にその日数の期間)(前婚・後婚の)両夫の推定の重なる期間となります。そうして、離婚後百日が経過したものは、とにもかくにも禁止期間を過ぎ、後は、産まれるであろう児について(右の推定重複期間中の出産であれば)、父を定める訴えによって推定の重複を解消すれば足りることから、婚姻事実を重んじ、以後は婚姻を取り消すことができないこととし、また、妊娠中であった児が、右の(離婚後)百日経過前に産まれれば、その産子は前婚子と推定すべきことが明白なので、右の百日経過を待つことなく、その時点から、この場合も婚姻は取消しできないこととなります(§746)
★これらの事実については、それを証明する医師の証明書の提出が必要です
(平成28年6月3日法務省通達)


(前婚離婚時に妊娠していたのに再婚に踏み切り、禁止期間内に婚姻届けが誤って受理された§733違反の)

    
禁期再婚、妊胎が、前婚了後百日

      
 (出)なく経過

(し、生じ得る父性推定の重複を解決☆すれば良いだけなので、その婚姻は取り消せないこととする)、

     (ある)(離婚時に妊娠していた子を百日内で産んで)

         
経過する (に出)あれば
        
(産子は、前婚子と推定すべきこと明白なので、父難知リスクは解消し、

     出産したその日から)
禁婚せしむ746意味なき(故)

               その再婚は
せぬ


説明部分を取り払うと次の様になります。結局、禁期婚或いはその取消しという事態は、離婚後百日の間で、父難知のリスクが現在する間だけに、起こ得ることになります。




   禁期再婚、妊胎が、前婚了後の百日を、

   
(出)なく経過経過する(に出)あれば



          
禁婚せしむ746意味なき

               
その再婚せぬ


平成19年5月7日の法務省通達により、再婚後に生まれた子の出生届について、前婚の離婚後300日以内に生まれた子であっても、医師の「懐胎時期に関する証明書」が添付され、その証明書の記載から、推定される懐胎の時期の最も早い日が離婚日より後の日であると認められる場合には、離婚後に懐胎したと認められ、民法772条推定が及ばないものとして、母の嫡出でない子又は後婚の夫を父とする嫡出子出生届出が可能となりました。

 

         

嫡出否認の訴え
 婚姻中の夫婦間の子
( 届出人が婚姻中であれば、772条の嫡出推定により当然夫婦間の子であるとして、受理されます ) は、嫡出子としての出生届をすることになります。したがって、夫からその子が嫡出子であることを否認するためには、法の認めた方法による他はなく、それ以外には後述の例外的な事情のある場合に認められる親子関係不存在確認の訴えが残されているだけです。この嫡出を推定される期間中に妻が他男との間で儲けた子について夫に認められた否認手段が、嫡出否認の訴えです(民法774条778条人訴§4)これは夫が子の出生を知ってから一年以内(777条)に、夫からのみ提起できる訴え(774条)で、当該の子若しくはその母親を被告として訴えることになります。母親がいない場合は、家裁が選任した特別代理人を被告とします(775条)これらの条件を満たさない訴えは後掲判例の場合のように厳格に退けられます。なお、嫡出否認の訴えを提起した場合であっても、その対象となる子については、出生届けをしなければなりません(戸籍法53条)。また、夫が死亡した場合について、人事訴訟法41条は、「夫が子の出生前に死亡したとき又は民法第七百七十七条に定める期間内に嫡出否認の訴えを提起しないで死亡したときは、その子のために相続権を害される者その他夫の三親等内の血族は、嫡出否認の訴えを提起することができる。この場合においては、夫の死亡の日から一年以内にその訴えを提起しなければならない。」とし、同条2項は、「夫が嫡出否認の訴えを提起した後に死亡した場合には、前項の規定により嫡出否認の訴えを提起することができる者は、夫の死亡の日から六月以内に訴訟手続を受け継ぐことができる。この場合においては、民事訴訟法第百二十四条第一項後段の規定は、適用しない。」と定めます。なお、妻(母)、子からの否認について、こちらもご覧下さい。この「訴え」の裁判所での手続きは、人事訴訟法2条2号事件として、家裁の管轄となり、「家族法関係事件手続きのあらまし」に述べましたように、調停→合意に相当する審判(家事事件手続法277条)→訴訟、の順を踏むことになりますから、実際に争訟となることは左程多くないと言われます。そうしますと、調停当事者間に合意が成立し、審判官が合意を相当であると判断すると、合意に相当する審判がなされ、これに対する異議申立てもなく、確定すると訴訟による判決と同じ効力を持ちます(家事事件手続法281条)。ですから、この形によれば、嫡出否認の出訴権者が夫だけに限られる等、嫡出否認に課せられた厳格な制約の中でも、夫、妻、子の三者間における合意の成立によって妻、子側の希望する解決に至ることがあり得ます。



   (妻を)寝取られしコキ 結果婚中懐772(の)

         
「このなし774
(言っ)

           
から
(のみ) 嫡出 否認 (の訴え)ができる也



 「嫡出 のウチの子「父誤(ちちご) 775、我なし774」、

     嫡出否認
は、そのか、親権持を、

                被告としてのみできる也。

                   親権を行う母がないときは、家裁が特
(別)(理人)選任す



嫡出否認の出訴期間
 民法777条は、
嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。」と定めます。夫からの嫡出否認をいつまでも可能とすることは、相手方となる母子の身分関係と生活を不安定ならしめ、家庭の破壊に繋がりかねませんから、出訴期間は短期間に限るとの趣旨からの「一年」間限定です。しかし、知らぬ間に経過と言うのは、夫に酷ですから、夫が「子の出生を知った時から」ということになります。また、その「知った」については、「自分の子ではないと知った」時と解すべし、との説もありますが、拡大解釈は制度の趣旨を覆しかねませんので、条文通りに厳格に解するほかないと思います。夫が被後見人であるときの出訴期間は、後見開始の審判の取消し後、子の出生を知ったときから一年となります(778条)事実状態の継続を尊重して権利関係を認める時効期間ではないので、時効の中断(民法147条)はあり得ませんが、中断事由に承認(民法147条3号)があるのと似て、「嫡出の承認」により嫡出否認権は失われます(民法776条)。法文には、「子の出生後において、その嫡出であることを承認したとき」とあるだけですので、具体的にどのような行為があれば、この「承認」になるのか、些か不明な点がありますが、明治時代の判例によれば、単に父親からの嫡出子出生の届出があったのみでは足りないとされ(但し、同届出により認知を認める判例もあることから、嫡出承認効も肯定できるとする説があります)、また、一般に、命名をしたり、子の養育に熱心に参加しただけでも足りないとされています。




  
  ナナな
777んと ! 吾子(あこ)筈ない子妻が産み

          
(知って)
一年 経てば否認さえ

                
許されぬ のか、
(身分関係)
安定のため。




        但し、
「筈ない子」夫が長期海外(出張)みな 777 がそう言う(出)産ならば、

              
(親子関係)不存在確認訴えできる也。


   

    婚中懐 (胎により)みにし776めるぞ

       
嫡出の承認すればその(嫡出否認の)権利失以後否認 不可

               
出生届愛育子の(嫡出)承認とはみなされぬ





 妻が婚姻中に懐胎した嫡出推定の及ぶ子について、その子の側から、嫡出否認の訴えの
出訴期間を徒過した後に、親子関係不存在確認の訴えをもって親子関係の存否を争うことは、DNA鑑定により子が夫の子でないことが科学的に明白であっても、できないとする判例があります。

夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,夫と妻が既に離婚して別居し,子が親権者である妻の下で監護されているという事情があっても,嫡出であることを否認するためには,夫からの嫡出否認の訴えによるべきであるから、子の立場から親子関係不存在確認の訴えをもって父子関係の存否を争うことはできない旨判示した判例(最判平26・7・17)

 この判決は、その理由として、「民法772条により嫡出の推定を受ける子につきその
嫡出であることを否認するためには,夫からの嫡出否認の訴えによるべきものとし,かつ,同訴えにつき1年の出訴期間を定めたことは,身分関係の法的安定を保持する上から合理性を有するものということができる最判昭55年3月27日最判平12年3月14日参照)。そして,夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,夫と妻が既に離婚して別居し,子が親権者である妻の下で監護 されているという事情があっても,子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然 になくなるものではないから,上記の事情が存在するからといって,同条による嫡出の推定が及ばなくなるものとはいえず,親子関係不存在確認の訴えをもって当該 父子関係の存否を争うことはできないものと解するのが相当である。このように 解すると,法律上の父子関係が生物学上の父子関係と一致しない場合が生ずることになるが,同条及び774条から778条までの規定はこのような不一致が生ずることをも容認しているものと解される。 もっとも,民法772条2項所定の期間内に妻が出産した子について,妻がその子を懐胎すべき時期に,既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ,又は 遠隔地に居住して,夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には,上記子は実質的には同条の推定を受けない嫡出子に当たるということができるから,同法774条以下の規定にかかわらず,親子関係不存在確認の訴えをもって夫と上記子との間の父子関係の存否を争うことができると解するのが相当である最判昭44年5月29 日最判平10年8月31日,前掲最高裁 平成12年3月14日参照)。しかしながら,本件においては,甲 が被上告人を懐胎した時期に上記のような事情があったとは認められず,他に本件訴えの適法性を肯定すべき事情も認められない。」と判示しました。

母子からの親子関係否認
(私見)
 
この判例或いは学説によって、嫡出否認の訴えが父親にだけ許され、出訴期間も限られる理由として説かれているのは、「子の身分関係の法的安定性」がその最大のものです。しかし、嫡出推定は単に父性を推定するだけでなく、嫡性の推定をも伴うことを考えると、これは果たして文面通り受け取れるものか疑問が浮かびます。父性を否認するだけならそんなに厳格に拒絶せず、子のために真の親子関係を確定することの方が長い目で子の福祉に叶うことは明らかなように思います ( 児童の権利条約第7条には「児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知りかつその父母によって養育される権利を有する。」とあります )。その他に、夫の名誉を尊重して、他から妻の姦通を指摘させない趣旨であるとも言われますが、そこにはやはり、旧来の嫡性を守りたい意識が垣間見え、戦前から社会の底流に牢固として流れる「家」とか「家柄」の意識と、これに基づく「家名を傷つけない」、或いは「跡継ぎを得たい」との、子の福祉とはかけ離れた意図が隠されているようにも思われます。772条から778条まで砦を築くように条文が並ぶ景観は、婚姻が嫡出推定と結びついて、父性を確実なものとすることが婚姻制度の根幹であるとは思うものの、嫡出の旗をはためかせ、頑なに嫡性を守っているようにも感じます。少子時代となって、児童の福祉が社会的にも第一義的な取組課題となっている現今、父親だけが婚子の父性を否認できるとする判例・学説は見直しが迫られていると思いますが、如何でしょうか。 ちなみに、上記昭和55年、平成12年の判例はいずれも夫が否認する手立ては嫡出否認の訴えがあるのみ、とするだけで、妻や子からの否認には触れていませんし、昭和44年、平成10年の判例も、嫡出推定を受けない子、或いは推定の及ばない子については父親側から親子関係不存在確認の訴えによることができる旨を説いているだけです。民法774条には、第七七二条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。」とだけあります。懐胎を伴わない父親は、子の父親が誰か、疑えばきりがないので、それを断ち切って「終生的貞操結合」の相方を信じるよう嫡出推定(§772)を与え、ただ、推定であるから、反証を挙げての否認(§774§775)を許すが、それも時的制限を置かないときりがないから一年間§777とする、というのが嫡出否認制度の趣旨であろうと思います。これは、夫が騒ぐことについて制約を課しただけの規定であって、それはそれで母子の安静な保育環境を確保する観点から不可欠なことだとは思いますが、妻や子自身がその身の立場から主張することについては、この条文は触れていないですし、上記条文の砦はすべて父親に対して構えられているのです。何故、772条の「推定」を覆す資格を、子や母には認めないのでしょうか。家族以外からの指摘ではなく、当事者自身からの求めであるのに、何故「否」なのでしょうか。民法774条に、この平成26年の判例が言うような、妻・子の人権をかけた主張を封じる効力を担わせることには無理があるのではないでしょうか。後記の「同氏協議に代わる母子氏」でも申しましたが、時代の進展と共に従来のバラダイムから離れ、子の福祉と母子中心の考え方に向かうことが求められているように思われます。



   嫡出否認 (の訴え)なるも

     子
実父子供本人
嫡出
(扱い)


              止
める ちなし774なし774




なお、例えば婚姻中ではあったが前記の「200日」に満たない出産で、嫡出の推定されない子のケース(最判昭41・2・15)であったり、夫が長期不在中の懐胎で嫡出推定の及ばない子のケース(最判平10・8・31)の場合、親子関係不存在確認が提起でき、これには出訴権者出訴期間
制限はありません。但し、次の判例があります。

戸籍上自己の嫡出子として記載されている者との間の実親子関係について不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例(最判平18・7・7)

 この判決のポイントは、次のとおりです。
一 実親子関係不存在確認訴訟は,実親子関係という基本的親族関係の存否について関係者間に紛争がある場合に対世的効力を有する判決をもって画一的確定を図り,これにより実親子関係を公証する戸籍の記載の正確性を確保する機能を有するものであるから,真実の実親子関係と戸籍の記載が異なる場合には,実親子関係が存在しないことの確認を求めることができるのが原則である。しかしながら,上記戸籍の記載の正確性の要請等が例外を認めないものではないことは,民法が一定の場合に戸籍の記載を真実の実親子関係と合致させることについて制限を設けていること(776条(嫡出の承認)、777条(嫡出否認の訴えの出訴期間)782条(成年の子の認知:要 承諾)783条(胎児又は死亡した子の認知:要 承諾),785条(認知の取消しの禁止)などから明らかである。

二 真実の親子関係と異なる出生の届出に基づき戸籍上甲の嫡出子として記載されている乙が,甲との間で長期間にわたり実の親子と同様に生活し,関係者もこれを前提として社会生活上の関係を形成してきた場合において,実親子関係が存在しないことを判決で確定するときは,乙に軽視し得ない精神的苦痛,経済的不利益を強いることになるばかりか,関係者間に形成された社会的秩序が一挙に破壊されることにもなりかねない。

三 また,虚偽の出生の届出がされることについて乙には何ら帰責事由がないのに対し,そのような届出を自ら行い,又はこれを容認した甲が,当該届出から極めて長期間が経過した後になり,戸籍の記載が真実と異なる旨主張することは,当事者間の公平に著しく反する行為といえる。

 そこで,甲がその戸籍上の子である乙との間の実親子関係の存在しないことの確認を求めている場合においては,
① 甲乙間に実の親子と同様の生活の実体があった期間の長さ,
② 判決をもって実親子関係の不存在を確定することにより乙及びその関係者の受ける 精神的苦痛, 経済的不利益
③ 甲が実親子関係の不存在確認請求をするに至った経緯及び請求をする動機,目的
④ 実親子関係が存在しないことが確定されないとした場合に甲以外に著しい不利益を受ける者の有無

等の諸般の事情を考慮し,実親子関係の不存在を確定することが著しく不当な結果をもたらすものといえるときには,当該確認請求は
権利の乱用 (民法§1Ⅲ憲法12条後段)に当たり許されないものというべきである。上記の事情を十分検討することなく,甲が乙との間の上記実親子関係不存在確認請求をすることが権利の濫用に当たらないとした原審の判断には,違法がある。




 親子関係が生じると監護教育(民法820条)居所指定(821条)懲戒(822条)(業の)許可(823条)財産管理・法律行為代理(824条)等を巡って親権(818条)の権利義務関係が生じます。これは、親子間で相互に生じる扶養や相続の権利義務に比べより原初的・根源的な権利義務であり、子は産まれ落ちるやこれらの広範な内容を有する親権に服することになります。私流に申しますと、子は、夫婦の終生的貞操結合によって融合創一の意志の下に生まれ、それ故に、夫婦と子の三者の間は、「融合装一」の嫡出推定(民法772条)が働く強い絆で結ばれます。その絆を絆たらしめる機能を担うのが親権だと言えます。
 
親権の行使に当たっては、融合創一によって、子に対し、夫婦互いの間と同様、無償の愛をもって臨むことになりますが、そもそも融合創一は、子に関わる「創」でしたから、実際上子に対しては、全く見返りを求めない、真の意味の「無償の愛」である筈です。身を犠牲にしてでも子を愛すというあり様は、昔の言葉「愛は惜しみなく奪う」で表されています。「しみじみとかわいい」を古語では「かなし」と言うそうですが、子への愛は、親の我(が)を超えた(我欲を満たしたいだけの感情や衝動とは無縁の)ところの、悲しくなる程にいとおしい思いであろうと思います。不幸にして婚姻によらずに出生した子であっても、母のこのような親権の下で母子の絆が保たれます(このことを直接に定める規定はありません。母の氏を称するという「氏」規定790条2項はありますが、親権規定としては、819条4項がこの点を前提とした、協議で父を親権者としたときに限り父が親権を行うとの規定から、出生以来母の親権下にあることが解釈できます)。この母子の絆こそが全ての出発点であることは、同氏協議に代わる母子氏の項で述べましたので、ご覧下さい。(なお、親権行使にあたっての悩み事の相談については、こちらも参考にして下さい。)
 昔、大家族制の下では、絶対的な家父長の権利義務である戸主権が子に及んで、親権の影は薄く、又、その中にあっても母親のそれは、さらに薄くて、父親に次ぐ二次的なものとされ、その上親族会の監督下にあるというような、何重もの差別がありました。子も強大な家父長権の下、年齢に関わりなく独立の生計を立てるまで家父長権
( この場合、「家」を同じくする親の親権 ) に服し、結婚するにも例えば男は30歳、女は25歳まで家父長 ( この場合、「家」にある父母 及び戸主) の同意を要するという具合でした。戦後の改革により「家」制度が廃止されると共に、男女の平等が実現されて、今日の父母共同親権(民法818条3項)が行われることとなった訳です。
 親権の上記各条文の中でも
監護・教育820条財産管理・法律行為の代理824条は、親権の中身の二本柱となります。前者はいわゆる身上監護の関係で、続く821条から823条が、居所・懲戒・職の許可というその具体的内容を定めています。したがって、親権は大きく「監護権」と「(理)権・代(理)」とから成ると言えます。管理・代理の関係では、代理について「代表」という文言になっていますが、これは、赤の他人が本人を代理するのではない、身上監護や財産管理も含めた包括的な親権を有する親が代理するのである、という意味を込めた文言であろうと思います。身上監護の関係では、民法820条が、それまで、とかく親の支配を許容する定めのように誤解されていた点を改めるべく、平成23年に「子の利益のために」という文言が加えられたことに特に留意されなければなりません。
 
ところで、この監護権ですが、上述のように民法820条は、親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」として、「監護」と「教育」とを分けて掲げています。監護は、監督と保護であり、教育は教え育成することであると言われますが、子を護り、その身の回りの世話をするには、必ずそれに伴い必要な教えや諭しが伴いますから、実際の子育ての場面では監護と教育は切り離せません。また、監護「権」といっても、上記条文にあるとおり、親権におけるそれは当然の如く義務を伴うものです。ですので、「監護権」というときは、監護・教育に関する権利・義務であると考えるべきことになります。子を伴う離婚や子の認知の場面では、上記の親権が原則通りには共同行使818Ⅲ)できないため、父母の内一人を親権者とする訳ですが、その者が必ずしも監護者として相応しいか、というところから、他方を監護権者とし、その者が監護・教育に携わるという監護権の分属が起こり得ます。また、この監護権と対置する、他方の財産管理と法律行為の代理824)も、これらは身分行為を含まない財産行為に関する管理・代理なので、これを単に「財産管理」とし、上記親権の二本柱を、「財産管理と身上監護」と言うこともあります。 因みに、子の身分行為については、例えば、未成年子が子を儲けた場合は民法780条があるので、子自身で認知ができ、また、未成年者の婚姻については親の同意に関する規定(民法737条)があり、養氏縁組には15歳以上であれば子自身で、15歳未満の場合は法定代理人の代諾で縁組ができるとする規定(民法797条)があるように、それぞれ個別に保護規定等があって、これらについては個別に必要な同意権や代理権が用意されています。
 離婚に当たっては、夫婦のいずれが離婚後の親権を持つかを決めねばならず、協議離婚では夫婦の合意で、裁判離婚では裁判所が、離婚後の親権者を指定します
(民法819条)。民法には、協議離婚届けはこの親権者の指定がないと受理されない旨の規定が置かれています(民法765条)。離婚の際は、同時に離婚後の監護についても、監護者と監護費用、その他必要な監護事項を、面会交流の約束と共に、子の利益最優先で定めるべきとの規定(民766条)がこれに続きます。親権者の指定について、こちらもご覧下さい。



      (いやしく)親権者なら(利益)

        監護教育
やつれ820てもする義務がある権利ある



        

      親権者820かかない人間てと、

         監護教育
をする義務がある権利ある




  
   バイトや818、独立すると意気込むも、判断力らぬから

        未成年者父母(ちちはは)親権(に)せば破綻818

   バイトや
818、独立するというけれどその判断は818父母の親権服せば破綻は818ない。



親権者の居所指定権
 親権に基づく子に対する監護教育(民法820条)は、それに相応しい場においてなされるべきですから、親権者は、子に対してその場を提供し、指定することになります(民法821条)。監護は、しかし、特別な施設等を想定している訳ではなく、通常の親子の生活における子の養育監護ですから、通常は、普段の家族生活の場である住居が指定されることになります。教育については、学齢前においては、通常、家庭教育が基本ですから、その場としてはやはり住居ですが、学齢前から幼稚園教育等の教育課程も徐々に始まるでしょうし、学齢後は、家庭と学校でそれぞれの教育が行われて、親権者は、それぞれ相応しい場を指定して教育に努めることになります。子は、親権者による場の指定に従うべきですが、子がこれに従わないときは、子の利益のため、社会的に妥当な範囲内で次条の懲戒権を行使する(体罰を加えることは許されませんが、ある程度の有形力行使は、妥当性の範囲内において許されます)ことにより、強制することができます。子が、その意思に反して第三者に拘束されている場合は、親権者からその引渡しを請求できることは当然で、そのときは、子の身体に対する直接強制は許されませんが、阻止する相手に対しては、法的手段を踏んだ上での妨害排除と制圧は、法的正義の実現のための強制力としてやむを得ないと考えます。子の引渡請求については、こちらをご覧ください。



    監護教育万事 821場所()るからに

       子
親権行めたる

             
821るべきの義務がある



親権者の懲戒権
 
民法822条は、「親権を行う者は、第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。」とし、その820条は、「親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」と定めます。ですから、親権者が我が子を懲戒できるのは、「子の利益のため、監護・教育に必要な範囲内で」という限定付きであるということになります。この限定は、平成23年の改正により、それまで単に「必要な範囲内で」とあったのを改めたものでした。懲戒権が、我が子を虐待する親の口実とされる事例が目立ったため、懲戒権の乱用に歯止めをかけるべくなされた法改正でした。これより前、平成12年に成立した児童虐待防止法は、保護者による児童(18歳に満たない者)に対する、外傷を与えるような暴行やわいせつな行為、或いは、心身の正常な発達を妨げるような減食や長期間の放置等はもちろん、著しい暴言又は著しく拒絶的な対応等、児童に著しい心理的外傷を与える言動も、「虐待」として禁止し、虐待を発見したときには一般人にも通告義務を課す規定をも設けましたが、児童虐待の悲劇が一向に後を絶たないため、23年の民法改正にまで至ったものでした。しかし、その後も虐待事件は後を絶たず、「しつけ」と称して行われることが目立ったため、平成28年には、児童虐待防止法を改正し、それまで「児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、その親権の適切な行使に配慮しなければならない」とだけあった同法14条1項を、「・・児童のしつけに際して、民法第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超えて当該児童を懲戒してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。」と上記の民法改正を受けた形で改正し、「しつけ」の限界を明記しましたが、同条2項では「児童の親権を行う者は、児童虐待に係る暴行罪、傷害罪その他の犯罪について、当該児童の親権を行う者であることを理由として、その責めを免れることはない。」と刑事犯罪にあたり得ることを警告もしているところです。しかしながら、児童虐待は一向に減少を見ることなく、惨酷極まる目黒区の結愛(ゆあ)ちゃん事件、それに続く野田市の心愛(みあ)ちゃんが大きく報じられて世を戦慄せしめたにも拘わらず、その後も連日のように「しつけ」に藉口した児童虐待の報に接するに及んでは、この懲戒権規定に体罰禁止規定を加えるべきとの声や、或いは、懲戒権規定そのものを削除すべし、との声も起こりつつあるのも、むべなるかなと思ってしまいます。懲戒権の見直しに関するパブリックコメントをご覧下さい。なお、親権喪失児童虐待の項もご参照下さい。
 懲戒権を述べるについては、やはり、前提となる児童の権利について見ておかなければならないと思います。児童福祉法の冒頭に「総則」として、児童福祉の理念が掲げられていますので、こちらをご覧下さい。



    親権者しつけとばかり

     度えて
822822

   懲戒
虐待
傷害(等)

          罪着、 刑事、判事
822うべし





財産管理・代理行為
 
未成年者は、自ら単独で法律行為をすることはできず、利益を得るだけの行為や義務を免れるための行為は除いて、その他は、必ず親の親権者法定代理権(民法824条)に基づく同意を得て行為しなければなりません(民法5条1項)(同意権)。そして、未成年者が親権者の同意を得ずにした行為は、親権者がこれを取り消すことができます(同条2項120条1項)(取消権)。  行為能力が制限される人による行為の取消しをめぐる取消権や追認権、行為の相手方からする催告、取消しの効果、さらには、法定追認、取消権の消滅時効等については、こちらをご覧下さい。
 親権者が子の財産管理をする上での注意義務としては、いわゆる専門家としての注意(
善良なる管理者の注意(善管注意義務と言います。))までは求められませんが、自己の財産を管理するに当たって払う程度の注意、自己のためにするのと同一の注意(§827)(民法918条1項にある「固有財産におけるのと同一の注意」と同じことから 、固財注意義務と言います) は払わなければなりません (民法827条)。(しかし、後見には善管注意が求められます。) 両注意義務の違いについては、こちらをご覧下さい。管理計算の関係でこちらもご覧下さい。

 親権者は、子の財産管理と子のための代理行為をしますが、但し、子の行為を目的とする債務を負うについては、子の同意を得なければなりません
(民法824条)
                                  



 親権者
ならば義務として、子の財産の管理をし、

   法律行為の代理をも、万事し
824

    
何か本人にハツシ824とさせる契約(の代理)

    幼護構
(造語)859あり、本人の同意を得るの要あるよ824


   
§859は後見人の管理と代理に関する規定   「ある」は中国語の2から



   未成年、法定代理(人)同意がなくば、法律行為も 5してはいけぬ、

    法
(定)(理人)の同意がなくば、取り消され得る

   法代が目的定めて処分可と許した財産、

    目的の範囲内なら処分でき、目的定めず処分をば

            許したときも同様とする。



   親権善管注意無用644

   むごく
659はあらぬ

     自己
ため すると同一注意 をば

      
って
(財産) 管理 やつせ827



§644は受任者の注意義務に、§659は無償受寄者の注意義務に関する規定、後見人の注意義務条句は
こちら


成年到達時の管理計算義務
 民法828条は「子が成年に達したときは、親権を行った者は、遅滞なくその管理の計算をしなければならない。ただし、その子の養育及び財産の管理の費用は、その子の財産の収益と相殺したものとみなす。」と定めています。親は、子の財産を管理する権利義務(§824)があり、管理する以上その対象たる子の財産を、自己固有の財産と混同することなく、区別して保管・保存しなければなりません。しかし、親子という濃密な血縁関係上、その管理における注意義務は自己のためにするのと同一の注意(民法918条1項にある「その固有財産におけるのと同一の注意」と同じことから 、固財注意義務と言います)で足りるとされています(§827)。これは、つまり、子の財産を、親の財産とは区別して管理すべきだが、管理のための注意の程度は自己固有の財産と同じで良く、その親なりの注意を払えば良いということです。通常その職や社会的地位にある者であれば払うであろう客観的に求められる、相当な程度の注意である「善良な管理者の注意」である必要はありません。ですから、通常であれば、他人の財産を管理する場合、その管理の期間を通じて、会計帳簿を備え、収入・支出を明らかにして、定期にその収支と残高の一致することを確保してこそ管理と言える訳ですが、親権者の財産管理については、子の成人に当たって遅滞なく最終の管理計算をすれば良いということになります。しかも、子の財産による収益がある場合、通常の管理であれば、これと期間中の費用との差額を返還すべきところを、成人するまでの養育費と管理費用とによって相殺されたものとみなされます。管理責任の重畳的軽減ですが、親子は無償の愛による関係ですから、利害の計算の外であるという観念が根底にあるからではないでしょうか。



 親権者
成人した親権離れ870るときは

    遅滞なく
管理計算すべき子供収益

    したる養育管理費用相殺みなさる



  成人
し、矢庭
828計算迫られてバツ828いが

             
収益てた費用チャラ」。


                民法870条は、後見終了時の同様な「後見計算」の規定。



親権債権の消滅時効

 親子間で、財産管理を巡り生じた債権には、五年の消滅時効があります(民法832条)。親の財産管理上の過失から子に損害を与えた場合等の親側の債務、或いは、親が子に代わり立替えて支払った金員の子側の返還債務等が考えられます。ここで親権者の財産管理と子の養育のための費用は、民法828条により親権終了時に子の財産からの収益と相殺されるので、除外されます。時効の起算点は、通常、子が成年に達したときですが、成年到達前に親権が親の死亡等により終了したときは、その後新たな親権者或いは管理権者が就任した時或いは子が成年に達した時からの起算となります。

 
 

     管理終
わって
五年てば

   
 親権(に関して親子間に生じた) 債権 832時効完成 消滅


 成人
親権 了後五年親子の間に(債権巡り) バトルある832?、

  それとも五年
(経過)(時効完成)832



  成人をせぬうち管理()消滅法定代理 ()不在なら (子が)

    成人
或は後任法代 就任その起算をしての五年也



第三者の無償供与財産
 第三者が、子に財産を与え、合わせて、その財産につき子の親の管理を拒むときは、別の管理を用意しなければなりません(民法830条)。子がこのような財産を供与された場合、それが単に利益を得るだけの行為であれば、親権者の同意は不要です(民法5条但書)から、子に意思能力さえあれば、子の単独判断で供与を受けることは可能です。その上で、供与者が親権者の管理を拒めば、親権者を排した別管理が必要となります。その供与者が管理人を指定したときは、その者が管理を担い、指定しなかったとき、或いは、指定はあったものの指定後にその管理権限が消滅したり、改任の必要が生じたりした場合は、求めによって家裁が管理人を選任します。この管理については、民法27条から29条不在者財産管理人規定が準用されますしたがって、財産目録を調整して、家裁の命じる必要処分に従い27)、また命じられれば管理や返還のための担保を提供しなければなりませんが、報酬も家裁の判断によって支給され得る(§29ことになっています。その管理の権限は、民法103条に定められた保存、改良、利用の範囲に限られ、これを超える行為は家裁の許可を得ねばなりません28)そして、管理人の管理事務の遂行には、財産管理の委任を受けた受任者として、民法644条善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務 (善管注意義務) を負い、それと共に、報告義務 (645条)・受取物の引渡義務 (646条)・金銭消費に対する利付き償還・損害賠償義務 (647条 ) も負いますが、費用の前払請求 (649条) 、支出した必要事務費の償還請求・必要債務の弁済請求・無過失で損害を被ったときの賠償請求 (650条) も可能です 。なお、親権者による財産管理との違いをこちらでご覧ください。


 「幼無垢869春来 869無償(財産)供与者親権

       闇
830えばその手離 管理


   供与者指定がないため 裁選管理人なら、

     その管理、不在者
28管理定めに従う。


  §28は、管理人の権限に関する規定  §869は、第三者が財を与えて後見人に管理させない場合の規定。不在者の財産の管理については、こちらもご覧下さい。



     子無償財産供与第三者親権829(のを) がれば

                    
その財産収益
費用相殺できぬ





親権者の職業許可権

 民法823条は「子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。」と定め、また、同条2項は「親権を行う者は、第六条第二項の場合には、前項の許可を取り消し、又はこれを制限することができる。」とし、その6条は、5条に「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。」とあるのを受けて、「一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。」と定めます。つまり、親権者は、未成年者が職に就くこと、或いは自営業を営むことについては、それに同意するか否か、或いは、許可するか否か、によりチェックすることで未成年者の保護に当たりますが、それは、営利を目的とする営業の場合、或いは、それが数種類の営業にまたがる場合も同様です。しかし、就職にしても、自営業にしても、本人がその業に堪えない事由があるときは、その許可を取り消したり、制限したりすることができます。そして自営でなく、他に雇われて就労する場合、その雇用主との間で労働契約を結ばなければなりませんが、雇用主には、十五歳に達した後 最初の3月31日が終了するまでの児童を使用してはならない定め(労基法56条1項)がありますから、この年齢制限をクリアして初めて就職可能となり、この最低年齢以降の労働契約締結に親権者が同意・不同意のチェックを行うことになります(但し、一定の職業については、十三歳以上の児童は、行政官庁の許可を得て、修学時間外に、又、映画・演劇関係については、十三歳未満の児童も、同様にして、使用することが出来る、とされています。深夜労働については、更に、時間を限る規制があります(労基法§56§59§61))。また、子に不利な契約は、親権者が解除することが出来ます(労基法58条2項)。なお、親権者は子に代わって労働契約を締結することを禁じられています(労基法58条1項)し、子の賃金を代わって受け取ることもできません(労基法59条)。これに違反した場合、いずれも30万円以下の罰金刑に処せられます(労基法120条)。また、上記最低年齢に違反した雇用主は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑に処せられます(労基法118条)

 

   職業ハヅミ823でできぬ親権許可


   親権者
はどう
823ても職業えぬたら

             その許可取消制限できる也。



未成年、見込んだからには親
(法代)
として、営業許可し、成人に劣らぬ働き見たいもの、

        碌
6でないなら(許可)取消すか、制限をして、沙汰止みよ。


         法代=法定代理人、§民法Ⅱは未成年者の営業の許可に関する規定






  
親権者何か(本人に)ハツシ824とさせる(契約の代理)には、

          
本人の同意を得るの要あるよ824

    但し、本人の労働契約、本人の同意あるとも、親権者

        代理で契約
(賃金受領も)(しては)ならぬ也




親権者による身分行為の代理
 と 未成年者による訴訟行為

 親権者は、子の福祉のため子の監護・教育(民法820条)、財産管理(民法824条)の任務を担いますが、子の結婚や養子縁組等の身分行為は、本来、本人の意思により本人自身で行為されるべき一身専属性のものですから、原則として他人が代わってできるものではなく、代理は馴染まないとされています。ですから、前記民法824条では、子に代わる代理権を「財産に関する法律行為について」与える旨を定めています。しかし、民法は、子の福祉のための必要から、子の身分行為に関しても、例外的に身分や監護関係の代理を認める規定を置いていますので、それらをまとめておきたいと思います。こちらをご覧下さい。。


婚姻年齢・成年擬制 民法は、成人年齢を二十歳と定めています(民法4条)が、男女の婚姻年齢は、男性18歳、女性16歳(男女間の肉体的成熟度の差異によるとされていました)と、未成年婚が可能な制度としていますので、未成年婚には父母の同意を要する(民法737条)とした上結婚することにより成年者とみなす成年擬制の規定(民法753条)が置かれています。それで、未成年夫婦であっても、子を儲けて親として親権を行使することができる訳です。この婚姻制度は、上記の点で男女の平等と婚姻の自由にやや疑問が投げかけられていましたが、この疑問に応える平成30年の民法改正により大きく変わることになります。こちらをご覧下さい。現行制度下の未成年者の婚姻について詳しくは、こちらをご覧下さい。


十八(とはち)で、女は十六(とろく)、それより()さい731子供婚、

〔届出しても受理されず、届できても取り消され、〕婚姻することできぬ也。




   (わらわ)成長して七五三753あれば

        未成年
()婚姻して 成人擬()あり




  
未成(年者婚姻成人擬 親権脱(未成年者)後見終わる

     
れて独立しくこうぞ
753

   
後見人
847遺言証人974同執行者1009資格753欠格解除



親権代行(親権に復する子が子を儲けた場合)
 民法833条は、「
親権を行う者は、その親権に服する子に代わって親権を行う。」と定めます。未成年で、未婚の子が、子を儲けた場合、その未成年親は、(単独では財産的)法律行為をすることができません(民法5条)から、当然親権を行使することができません。したがって、その未成年親の親が、つまり、生まれた子の祖父母が、孫に対して、未成年親の親権を代行することになります。その未成年親が、婚姻をすれば、民法753条未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。の成年擬制により、親権を自ら行使することができることとなります。この場合、未成年親は、直接には、分娩により母子関係が生じる母親が想定されています。婚姻外で父親となった男親は、そのままでは法的な親子関係はありませんから、その後、認知をし、そのときに成人していれば、民法819条4項父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。との定めにより、協議の上で男親が親権者となることができます。この二人が婚姻すれば、民法789条1項父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。により、子は婚姻時から嫡出子となります(婚姻準正)。因みに、上記男性親が未成年の場合でも、意思能力があれば、認知能力に問題ありませんから、その子を認知することができます。しかし、認知して父親であることが確定しても、成人しなければ親権はありませんから、ここでも、その男性親の父母による親権代行が起こることになります。また、上記婚姻をしたくとも、父母が婚姻年齢に達していなければ婚姻できませんから、女性の婚姻年齢が16歳から18歳に改まる(婚姻年齢に関する)改正法の施行日2022年4月1日以後、女性親が18歳未満であるため、婚姻できないケースの問題が生じ得ることになります。また、この親権代行については、未成年だからと言って、親権全てを行使できないとすることには問題があるとの指摘があります。親権の内、(理)・代(理)の代行は当然としても、監護権は認めて良いのではないでしょうか。  


 未成
(年、未婚) 子が宿るとさ833

   親権
する子供親権

       
やむな867爺婆(が)代行


  未成
(年)の我が子が婚姻し、成人みなされ 親権、
 
   儲けた子供に自らが親権行使す、嬉しく泣こう
753ぞ。


 §867は、未成年被後見人に代わる親権の行使に関する規定。「どるとさ」は、33を「三十三」としての読み。


利益相反
 
子は、親権者がその代理人となって(或いは、親権者の同意を得て自ら)、第三者と契約等を交わすこととなります(民法824条5条)が、時には親権者自身と契約する等、親権者と利害が対立することもあり得ます。利益相反と言いますが、そのような場合には、子のために特別代理人を置くべしとする規定が、民法826条です。
 そして、親と子ではなく、財産的法律行為についての行為能力を常に欠如している人を保護する制度である
後見においても、後見人・被後見人の間で利益相反が生じ得ることから、そのような関係があれば特別代理人が選任されることとなります(§860)。但し、後見監督人が置かれている場合は、監督人が代理しますので、特別代理人の選任は不要です(§851)
 同様に、行為能力の程度が著しく不足している故に、自身で重要な法律行為をするには保護する人の同意を得なければならないとされる人に関する
保佐や、同じく行為能力が不足しているが著しくはないので重要な法律行為の一部については要同意である人に関する補助においても、(保護者の同意を得て本人自らが行為する場合と、本人からの請求か、本人の同意によって、裁判所から代理権を付与された保佐人、補助人によって行為される場合に)保佐人、補助人と本人との間で利益相反が起こり得る訳ですが、前者については臨時保佐人(§876の2)、後者については臨時補助人(§876の7)という名称で別の代理人が置かれることとなり、これらも、監督人がついているときには、監督人が代理するので臨時保佐人、臨時補助人は不要(§876の3§876の8による§851の準用)となります。後見・保佐・補助についてはこちらをご覧下さい。
債務保証・担保提供における利益相反
 
親権者と子の間の利益相反に関する事例判例として、子の所有する不動産に親権者が第三者の債務を担保するため根抵当権を設定した事案について、利益相反に当たらないとした判例①(最判平4・12・10)と、同じく第三者の債務のため、親権者自らも子と共にその債務の連帯保証人になり、子との共有にかかる不動産に抵当権を設定した場合は、利益相反にあたるとした判例②(最判昭43・10・8)があります。

判例 親権者が子を代理してその所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は、親権者に子を代理する権限を授与した法の趣旨に著しく反すると認められる特段の事情が存しない限り、代理権の濫用には当たらない旨を判示した判例(最判平4・12・10)
 
この判決は、その理由を、「親権者は、原則として、子の財産上の地位に変動を及ぼす一切の法律行為につき子を代理する権限を有する(民法八二四条)ところ、親権者が右権限を濫用して法律行為をした場合において、その行為の相手方が右濫用の事実を知り又は知り得べかりしときは、民法九三条ただし書の規定を類推適用して、その行為の効果は 子には及ばないと解するのが相当である(最高裁昭和三九年(オ)第一〇二五号同 四二年四月二〇日第一小法廷判決・民集二一巻三号六九七頁参照)。  しかし、親権者が子を代理してする法律行為は、親権者と子との利益相反行為に当たらない限り、それをするか否かは子のために親権を行使する親権者が子を めぐる諸般の事情を考慮してする広範な裁量にゆだねられているものとみるべきで ある。そして、親権者が子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は、利益相反行為に当たらないものであるから、それが子の利益を無視 して自己又は第三者の利益を図ることのみを目的としてされるなど、親権者に子を代理する権限を授与した法の趣旨に著しく反すると認められる特段の事情が存しない限り、親権者による代理権の濫用に当たると解することはできないものというべ きである。したがって、親権者が子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為について、それが子自身に経済的利益をもたらすものでないことから直ちに第三者の利益のみを図るものとして親権者による代理権の濫用に当たると解するのは相当でない。」と述べています。

判例 第三者の金銭債務について、親権者がみずから連帯保証をするとともに、子の代理人として、同一債務について連帯保証をし、かつ、親権者と子が共有する不動産について抵当権を設定するなどの判示事実関係のもとでは、子のためにされた連帯保証債務負担行為および抵当権設定行為は、民法第八二六条にいう利益相反行為にあたると判示した判例(最判昭43・10・8)
 この判決は、その理由について、「原判決がその挙示の証拠のもとにおいて確定した事実、とくに昭和三五年三月一〇日DからEに対する金三五万円の貸付について同人の懇望により、被上告人B5 が、みずからは共有者の一員として、また、未成年者であつた被上告人B2、同B3、同B4の親権者としてこれらを代理し、さらに、長男被上告人B1の代理人名義をかねて、右債務について各連帯保証契約を締結するとともに、同一債務を担保するため、いわゆる物上保証として本件不動産全部について抵当権を設定する旨を約しその旨の設定登記を経た等の具体的事実関係のもとにおいては、債権者が抵当権の実行を選択するときは、本件不動産における子らの持分の競売代金が弁済に充当される限度において親権者の責任が軽減され、その意味で親権者が子らの不利益において利益を受け、また、債権者が親権者に対する保証責任の追究を選択して、親権者から弁済を受けるときは、親権者と子らとの間の求償関係および子の持分の上の抵当権について親権者による代位の問題が生ずる等のことが、前記連帯保証ならびに抵当権設定行為自体の外形からも当然予想されるとして、被上告人B2・同B3・同B4の関係においてされた本件連帯保証債務負担行為および抵当権設定行為が、民法八二六条にいう利益相反行為に該当すると解した原判決の判断は、当審も正当として、これを是認することができる。」と述べています。

遺産分割協議における利益相反
 相続人ではない親権者が、
(共同親権者たる配偶者の親が亡くなって、配偶者も既に亡いため、配偶者を代襲した)相続人である数人の子に代わって遺産分割協議に臨む際は、内一人の子については代理人になり得ても、他の子らについては各別に特別代理人を選任しなければならないとする判例(最判昭49・7・22)があります。この判例は、利益相反について、個別に利害の対立結果があるか否かを見るのではなく、客観的に対立の恐れがあるか否かで、相反の有無を判断すべきことも説いています。また、自らも相続人である親権者が、子を代理して遺産分割協議をした事例についての判例(最判昭48・4・24)もあります。この判例は、「親権者が共同相続人である数人の子を代理して遺産分割の協議をすることは、かりに親権者において数人の子のいずれに対しても衡平を欠く意図がなく、親権者の代理行為の結果数人の子の間に利害の対立が現実化されていなかつたとしても、八二六条二項所定の利益相反する行為にあたるから、親権者が共同相続人である数人の子を代理してした遺産分割の協議は、追認のないかぎり無効であると解すべきである。」と述べています。


財を親が買ったり貰ったり借金子が保証 或は 子供相続を子を代理して放棄する 等々形はともかくも

 ようあるロー
826親子 () 利害が相反すそんな事柄(につき)

    親は子
代理人にはなれぬ也。家裁に求めため特別代理
() 選任要す。



  親権者
子供にとって
双方がウンウ

      
 親心発露
826やろ-!860傍目(はため)なら

       
利益相反
() (理人) 要す家裁に選任求むべし。



   親
膝下数人
一人と他子が(互いに利益) 相反ならば(その)

       
一方ため ()() の選任 請求せねばない。二人をば「そやつも826代理」はできぬ也




  
後見人被後者 にとって双方インウイン

     使命感
発露 826の「ヤロー860傍目(はため)なら

     利益相反(別) (理人)要す家裁に選任求むべし。

  


 保佐
()被保佐()「双方がウインウイン」と使命感 発露826の「やろう860傍目(はため)なら〕

   
利益相反 (代理人役として)せるのに876の2Ⅲ (監督人あるとき除き、後見のときの)

            特
()(理人)臨時保佐人(選任せねば)



   補助()被補助()利害互いにしても、のち8767Ⅲいをさぬよう

            
(監督人あるとき除き) 臨時補助人(選任)要す也


  

  後見監督(ばん)(する)(こう)(見人を)(びと)851擁護 851その職務

   ①
にある(後見事務)監督 (利益)相反()代理 (特別代理人の選任は不要)

      
(後見)けたときには遅滞なく後任(選任)請求急場(必要)処分



    後見人、被後者(利害)相反するときは、特()() 選任あるべきも

    
(後見)監督人があるときは擁護   851④、監督 被後者代理、特代はなし




   特()(理人)が付いて(利益)相反() 恥じる826なし。  

      
§860は、後見人の利益相反に関する規定



() () (じる)しくりぬワンサ13行為一々11保佐人の)同意

          反
すれば取消120ありとわれたらやせる876いの保佐開始


  やせる
876いというけれど、

   
() () (じる)しくりぬワンサ13行為一々11保佐人()同意チェックをし、

      
特定一部行為では
(本人の求め、或いは同意で)保佐人()代理(権付与)クリアする

                              そしてエイドしてるのよ
876の4




 十五()
15 (弁能) 非満(肥満?) 一難17 やせる876の6をば補助(開始) として、

   ワンサ
13(行為)特定一部について以後15 (補助人)同意

  加
うるに、本人望むか同意があれば

   特定行為
補助人、代理権付与、必ずややせる
876の9奏すべし


親権の共同行使
 民法818条3項は、「親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。」と定めます。ですから、親権は、父母の片方が行使できない場合を除き、共同行使されなければなりません。そして、民法825条は、この共同行使されるべき場合に、「父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。」としています。この定めは、実際には父母の片方が関与しないまま(或いは、さらに、その意に反しているときであっても)、他方が父母共同の名義でした法律行為は、(行為の相手方が、その事情を知っているときは別として)有効であるとするものですので、親権者である父又は母が、親権の共同行使の定めに違反して、単独で親権を行使した場合は、無効となることに注意しなければなりません。このような単独行使による未成年の子の財産の処分行為(子所有の株券に質権を設定する行為)を無効であるとした判例(最判昭42・9・29)があります。



 
バイトや
818、独立すると意気込むも、判断力らぬから

  未成年者
父母(ちちはは)親権()せば破綻
818ない




 
ため親権 (真剣) 行使父母 二刀()

  
父母親権
(真剣)やっと 818

 〔
(は-)
818共同行使破綻818ない




 
父母(ちちはは)一方行使

後見開始親権喪失等法律上(或いは) 行方不明心身障害等事実上(の事由で)

 
できぬとき他方ハイパー818くなる単独行使破綻818ない



     婚中親権父母共同行使

     一方
(が行使) 不可なら単独行使



 なお、父母の一方によって、共同名義で、子に代わり(或いは、子が自ら行為することに同意して)、なされた法律行為は、他方の意に反しても効力を妨げられることがありません(民法825条)。又、未成年者の婚姻には父母の同意を要しますが、父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意で足ります(民法737条)。



「共同」名義単独「破二」、(単独代理、又は、本人の行為に単独同意)

   は
破二護
825めで()られる

   
但し相手方悪意
(「破二」であることを承知)であれば無効也

   親権者
単独名義単独破二無権代理はなし



 「破二」は、親権共同行使則破りの単独行為
「破二護」は、「破二」行為の効力を護ること造語




 未成年737 婚姻 むなら両親同意するが

  片親
同意あるなら
()意固地不同意なさんな737

    
片親同意りる也。一方行方れぬ

        亡
くなった
(意思)表示ができぬきも同様



親権者を定める

 親権の共同行使を行うことができない事態となった場合には、親権の帰趨は如何か、父母のどちらを親権者とするか等についても、民法は定めを置いています
(民法819条)。同条で父母の協議で定めるとされている、その協議が調わないときは、裁判所が代わりに審判で定めることができます(同条5項)し、又、同条によって一旦定まった親権者について、子の利益のため必要があるときは、子の親族の請求で、家裁が親権者を他の一方に変更することができます(同条6項)。親権者の変更は家裁の手続きによってしかできないことで、当事者の合意による変更はできません。
1 父母が協議離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければなりません
(819条1項)
2 裁判離婚の場合家裁が父母の一方を親権者と定めます
(819条2項)その際は当事者の陳述を聴くほか、子(15歳以上の者に限る)の陳述も聴かなければなりません(家事事件手続法169条2項)
3 子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行います(819条3項)。但し、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができます
(同条3項但書)
4 父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行います
(819条4項)
 なお、母子関係については、判例
 (最判昭37・4・27)によって、「母とその非嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知を俟たず、分娩の事実により当然発生する」として、分娩・出産の事実自体により認められるとされていますから、当然出産した母親が親権を単独行使することになります。この点を直接定めた規定はありませんが、上記819条4項からの当然解釈としての結論です。


   バイク
819夢中息子には

         
協議離婚裁判離婚認知その他の場合によって

     
子供いるのに離婚なら)親権以降819どうする

         どちらが
つか、親権(真剣)俳句
819

             



    
協議離婚一環、親権()協議不調なら
                      
家裁調停いで審判


    
親権者、裁判上離婚なら
            
父母(ちちはは)のいずれか家裁指定する


     出生前
(親が) 離婚したなら
       親権
ない()夫引819(後に協議で変更可)。


    認知

      母
(父母の)によって
                       
とすること可能也


      
められたる親権者、
       羊頭狗
819(子の福祉に)不適当、
         
或又
、事情変更、子親族
                
家裁親権() 変更 


親権者変更の手続きについては、こちらをご覧下さい。






親権喪失・親権停止・管理権喪失(親権制限制度)
 
親権の行使や子の財産の管理が適切でない親に対しては、親権の喪失(民法834条)や停止(834条の2)、管理権の喪失(835条)の審判が下されることがあります。
喪失」の要件は、「父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するとき(834条)であり、
停止」のそれは、「父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」(834条の2)で、
管理権の喪失」の要件は、「父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するとき」と定められています(835条)
 これらの審判を求めることができるのは、子自身、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官とされています
(民法834条~835条)が、親権の喪失については、その原因状況が2年以内になくなる見込みがあるときは請求できず、親権停止の期間は、その原因が止むまで2年を超えない期間内で定めるとされていますから、親権の「喪失」か「停止」かは、原因状況の継続期間が2年内に収まるかどうかによって分かれることになります。管理権行使の不適当と困難については、「自己のためにするのと同一の注意(民法827条)を怠った場合が「不適当」、管理能力不足による場合が「困難」であると説明されています。以前は、管理が失当であったことによって子の財産を危うくしたという要件であったものが、平成23年に上記のように改められたものです。

    

   834かるべき
          
(悪意の) 遺棄虐待834



  親権行使


          
(じる)しく 或又 不適
著害

              二年
えてもありそなら

         親
蜂刺
834親権喪失審判むべし





  子本人その親族や(未成年)後見人
      同監督人
検察官請求すれば

        
(家庭)裁判所(喪失)審判するが影響大(のため)
                
活用少なく(親権)停止(審判)まる(平成23年改正




  
虐待

     
蜂刺834 (親権)喪失 あるも(親権行使が 不適、子の利害する)

            
(ちち)程度(じる)しくなくば

          
(親権の)喪失闇夜834回避して

                 
優し  834の2   (以内) (親権)停止 あり

 



 父

    保護者
としては(やさ)()
835(優しい保護者:造語)でも

 財産管理
不適

      
利害せば、破産(はさ)()835(財を危うくする保護者:造語)でなくも

              
喪失 とする管理権

これら親権を制限する審判の請求権者は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人、検察官ですが、加えて、児童福祉法33条の7により、児童相談所長にもこれらの審判の請求権が与えられました。


児童虐待
 上記親権停止制度は平成23年の民法改正により新設されたものですが、その際これら親権制限に関する
子自身の申立権も合わせて認められました。これにより、子は、意思能力がある限り、自身で親権喪失等の申立てができることになりました。そもそも、人は自身の身分に関することは、財産的行為に関する未成年の能力制限(民法5条)なしに、自身で行為することができます。そして、その目安としては、15歳になれば自身の意思で他人の養子となることができ(但し、家裁の許可というチェックは必要(民法798条)です)、又、自ら遺言することもできます(民法961条)。これは単なる目安であって、当該の子が15歳未満であっても、虐待という具体的場面で観察力・思考力・判断力が備わっていることが認められれば、管理権喪失から親権の停止・喪失まで幅のある親権制限のための端緒となるに過ぎないその申立てについては、その行為の能力が十分にあるものと認めるべきです(上記養子縁組能力も、養子となる効果の発生は家裁の許可にかかるのと同様に、親権の制限も最後は家裁が当否を判断しますから、申立てという入口は子のために広く開かれていてしかるべきです)。児童虐待防止法には、被害児童自身による通告規定がありません (この点は、子に親権制限の申立権が認められたのと歩調を合わせて改められるべきでした。口頭での申立てであっても、録画によって記録に残し、正式な手続きに乗せられるようにする等、早急に法改正をするべきです)。したがって、児童虐待を防止する間接的方途になりますが、親権制限に関する子自身のこの申立権を活用し、或いはそれを起点として、周囲が連携して親権制限と合わせて虐待防止の具体的方策を執らなければなりません。ですので、被害児童が、実際にアンケート等具体的な場面で、しっかりと虐待等の具体的事実を踏まえた整った文章で自らの虐待被害を述べ、自ら助けを求め、対処の希望等を訴えていれば、それを受ける教師や教育委員会等の関係者・関係機関は、子が親権制限に関する申立てに繋がる自らの意思を述べているものとして、本人の申立てを補助すべきですし、また、児童相談所への通告(下記のとおり、教職員には、児童虐待の早期発見に努め、虐待を受けていると思われる児童を発見したときは通告する義務があります)、警察への通報等相応の対処をするべきです。これを怠れば職務怠慢の誹りを被るでしょうし、場合によっては国家賠償の対象とされるでしょう。
 そして、児童相談所長
(児童福祉法33条の7)検察官(民法834条~835条)にも親権喪失等の申立権がありますので、親権制限・虐待防止・刑事司法の三方からこの社会問題に対して強力な連携体制を組むべきです。余りに非情で冷酷な児童虐待が頻発する現状に鑑み、親権を笠に着た親から被害児童を救済するため、家裁 (子自身による申立てが届けば、家裁が関係各機関の中軸となって子の救済に当たることが期待でき、特に家裁調査官の活躍に期待したいと思います)・学校・児童相談所・警察・検察の各機関の連携が、実際に、子に対する一時保護や施設収容による保護(さらには、普通養子・特別養子制度や里親制度等も重要です)と並行して、適切に親権喪失等の親権制限、司法による刑事罰等に至ることができるよう、焦眉の急として求められています。
 なお、保護者による児童虐待を防止するため、平成12年に児童虐待防止法が成立し、その後の改正等を経て、保護者の児童
(18歳に満たない者)に対する、外傷を与えるような暴行やわいせつな行為、或いは、心身の正常な発達を妨げるような減食や長期間の放置等の他、著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力その他児童に著しい心理的外傷を与える言動も、「虐待」として禁止され、児童虐待を防止するための調査、立入り(児童虐待防止法9条)、それが拒否された場合の、裁判所の発する許可状に基づく、解錠して住居に立ち入ることのできる臨検、捜索(同法9条の3)や必要な処分(同法9条の7)、児童の一時保護(同法8条)等が定められた他、教職員、医師、福祉施設職員、弁護士、学校や病院、施設等、虐待を発見しやすい立場にある者の児童虐待早期発見の努力義務(同法5条)、虐待の予防、防止、児童の保護、自立支援に向けた国、地方公共団体の施策に協力すべき義務(同法同条)、また、上記教職員等虐待を発見しやすい立場にある者に限らず一般人にも、虐待を受けたと思われる児童を発見したときは、福祉事務所又は児童相談所に通告しなければならないとする通告義務が定められ(同法6条)、国、地方公共団体のこれらに関する啓発義務も定められました(同法4条)。また、通告に関しては、児童相談所全国共通ダイヤル「189」に電話すると、発信した電話の市内局番等から当該地域を特定し、管轄の児童相談所に電話が転送され、虐待の通告・相談ができるようになりました。親権者懲戒権に対する制約の経過についてこちらを、児童虐待防止アクションプランについてはこちらを、同プランに沿ってのオレンジリボン運動についてこちらもご覧下さい。
 平成の世の初め1989年(平成元年)児童の権利条約が国連で採択され、これを平成6年に我が国も批准して発効していますが、同条約19条1項は「 締約国は、児童が父母、法定保護者又は児童を監護する他の者による監護を受けている間において、あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取(性的虐待を含む。)からその児童を保護するためすべての適当な立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる。」と定め、また、同条2項は「 1.の保護措置には、適当な場合には、児童及び児童を監護する者のために必要な援助を与える社会的計画の作成その他の形態による防止のための効果的な手続並びに1.に定める児童の不当な取扱いの事件の発見、報告、付託、調査、処置及び事後措置並びに適当な場合には司法の関与に関する効果的な手続を含むものとする。」としています。そして、これに基づき、平成12年に児童虐待防止法が制定され、平成23年には、児童の権利条約9条に沿う面会交流(§766)と親権停止の新設(§834の2)、懲戒権に対する制限820)、親権制限に関する前記子の申立権新設(§834§834の2§835)等のための民法改正が行われ、また、これと並行、前後して、乳児家庭全戸訪問事業等の子育て支援、虐待定義の具体化・明確化、虐待防止相談体制の強化、児童相談所長に対する親権制限のための申立権付与、警察署長への援助要請規定の新設、児童の安全確認のための調査立入等の権限強化、児童虐待通告義務の一般人適用等、数次に亘る児童福祉法、児童虐待防止法の改正もあった上、平成28年には「しつけ」の限界を示しての刑罰による警告(児童虐待防止法14条の改正)まであったにも拘わらず、平成最後の年に至ってさえ親による冷酷非情な虐待死の事件が頻発しているのを見、また、関係各機関の連携の欠如・不徹底、児童虐待防止のための砦となるべき児童相談所の手薄・弱体と理念・使命感の欠如という現実を見ると、平成は児童のための法律を作って、魂を入れなかった、児童被災の世でもあったのかと思ってしまいます。

☆平成最後の年にまた痛ましい児童虐待の事件が起きてしまいました。学校、教育委員会が父親の威圧に屈し、虐待防止の砦であるべき児童相談所までがその職務遂行の核心である理念、使命感を欠如していたことを曝け出した事件です。繰り返し体制の脆弱が指摘されてきているにも拘わらず、一向に改善を見ることなく、事態がますます悪化しているように感ずるのは私だけではないと思います。同性婚の項でも述べましたが、今や、我が国の私人間における個人の尊厳・基本的人権は、踏みにじられるまま悪化の一途を辿っているように見えます。我が国の憲法は、政治の具にだけ使われて、実際には、その根本理念である基本的人権の擁護のためには、人々の間に適用されておらず、幼い命も守れないままに唯のお題目に堕しています(こちらもご覧下さい)。憲法は権力に対する抑止法だとばかり強調し、虐待からの救済を要する場面で、権力を抑止するべく令状主義の厳格を以て臨むなどしてどうするのでしょうか。現に虐待のリスクが認められれば、いたいけな幼い命を守る観点から令状主義を緩和するべきです。憲法を人々に行き届かせるべく、権力を私人間の悪に立ち向かわせなければ、悪の蔓延は止めなく増長して、尊い命が失われ続け、ひいて社会の崩壊に繋がります。憲法のため今なすべきは、憲法の改正ではなく、真にこの憲法を人々の間に行き渡らせるための堅固な体制作りです。国家・社会の基盤である筈の家庭において支配・抑圧が蔓延・横行し、邪な支配が学校や実社会の隅々までも蝕むに及んで、子供や女性、障害者等弱者が虐げられるままに放置されていたら、それで国を守る気概など生まれてくるでしょうか。為政者は、児童の権利条約に定められた「あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力、傷害若しくは虐待・・からその
児童を保護するためすべての適当な立法上、行政上、社会上及び教育上の措置をとる」ことが何より焦眉の急であることを認識するべきです。



   親権者しつけとばかり

       えて
822822

   懲戒
虐待、傷害(等)

            罪着刑事判事
822うべし





    
834かるべきなのに
 
         子供虐待
かねたら

     いちはやく
189189電話して、

           防止一役
189いましょう。





結婚 ( 婚姻 ) の手続き 
 一般に「結婚」と言われますが、法律の用語としては、「婚姻」と言います。国の根本法規である憲法にも、「
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。(憲法24条1項)とあります。そして、この文章に結婚についての核心が含まれています。
 条文にあるように、婚姻は、憲法上「両性の合意」という内心の意思の合致としてのみ規定され、法的な外形を定めない表現となっています。一般には、結婚に至る過程として、結納とか、婚約指輪とかを順に交わし、最後に結婚式を挙げて新婚旅行というように各種イベントが順を追った手続きのように践まれますが、それらもその「両性の合意」が、まじめで真実なものであることを社会的に証明する手立てとして践まれているに過ぎません。そして又、この条文では、昔は例えば、結婚には家長の同意がなければならないというように「家」制度を守るための制約があったりしましたが、他の目的のための制限を受けることなく、「
両性の合意のみに基づいて」自由に結婚できることが謳われ、婚姻が、夫婦の、法の下の平等と協力によって維持されるべき旨が示されています。
 その上で、憲法は、24条の2項で「
婚姻・・・に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」として、指導理念を示した上、具体的な手続きについては法律に委ねています。そして、それに沿い、民法が婚姻のための諸規定を置いている訳ですが、例えば、男女の婚姻年齢は男が18歳、女は16歳(民法731条)と、男女で異なり(男女間の肉体的成熟度の差異によるとされていました)、また、成人年齢が20歳(民法4条)なので、未成年の婚姻については父母の同意を要する(民法737条)とされる等、やや男女間での不平等と、父母から自由でない感の残る定めとなっています。しかし、この度、平成30年の民法改正により、その731条が改正されて、改正法の施行日である2022年4月1日からは、婚姻年齢が男女ともに18歳となり、民法4条の成人年齢も18歳となりましたから、婚姻のための父母の同意も不要となりました。
 具体的な結婚の手続きとしては、民法739条が、「
婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。」とし、また、同条2項が「前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。」と定め、さらに、戸籍法29条33条74条、戸籍法施行規則56条が届出書の記載事項を定めています。ですから、婚姻届けは、提出前に予めしっかり確認し、記載漏れ、誤記等のないようにしなければなりません。こうして、婚姻は、婚姻届けにより、その日に成立します。結婚式を挙げた日ではありません。婚姻届けには、成人の証人二人(以上)署名押印が必要です。上記の条文にあるように、婚姻届けは口頭でも可能ですが、その場合、当事者二人と証人二人の計4人が出頭しなければなりませんし、各人の本人確認をした上、口頭で必要事項を述べなければなりませんから。時間がかかります。書面による届出は、本人が提出する(一人での提出が可能です)ほかに、郵送でも可能ですし、本人の使者として他人が提出することもできます。本人がする場合も、他人が提出する場合も、提出者の身分証明により誰が提出したかを明らかにし、他人の提出にかかる届出であると判明したときは、役所戸籍係から本人に通知が行くことになっています(戸籍法27条の2)。もし、他人が虚偽の届出をした場合は、公正証書原本不実記載罪(刑法157条)により処罰されることになり、婚姻は無効です(この婚姻無効の対処はなかなか大変です)。虚偽の届出がなされる恐れがあるときは、役所戸籍係に予め不受理の申出をしておくと受理されずに済みます(戸籍法27条の2)。郵送された届書は、本人が死亡した後でも受理しなければなりません(戸籍法47条)。日本人同士で外国で挙式し、届出するときは、その国の日本領事館又は大使館に届出することになります(民法741条)
 婚姻届けは、婚姻障碍がないことが確認されないと受理して貰えません(民法740条)。婚姻年齢に達しているか、重婚でないか、近親婚に該当しないか、再婚禁止期間での再婚ではないか等の障害事由の有無が審査され、障害事由がないことの確認を経てはじめて受理されることになります
(尤も、実質的な調査はなく、形式的審査にとどまりますから左程時間はかかりません)。そして、この審査に戸籍係のミスがあっても、ひと度「受理」があると、一応有効となり、婚姻障害を理由として婚姻を取り消すためには、家裁に婚姻取消しの請求をしなければなりませんから、厄介です(不適齢婚等で、その後適齢に達し、一定期間が経過する等、一定の条件の具備により取消権が消滅するものもあります)婚姻取消しの判決が出ると、婚姻は、判決確定の日から将来に向かって取り消されることとなります。それまでは婚姻が継続するので、結果的には、離婚とさほど変わらないと言えます。



婚姻
 婚姻を辞書で引くと、1.「結婚すること、夫婦となること」、2.「男女の継続的な性的結合と経済的協力を伴う同棲関係で、社会的に承認されたもの、法律上、両性の合意と婚姻の届出によって成立する」(大辞泉)とあります。定義としては、2.の前段が本稿のこの場所には相応しいと思われますが、憲法にも、民法にも、婚姻はどうあるべきかについての各種の定めはあっても、「婚姻とは」についての定めはありません。結局、婚姻の成立要件や、婚姻に伴う権利義務によってその内包を想起・想定する他ないということになります。しかし、その内の核心的なファクターだと思われる「婚姻意思」について、判例(最判昭44・10・31)では「真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思」であるとされ、当事者にこの意思の合致がない場合は婚姻が成立したと言えないとされます。これですと、むしろ上記1.の定義に拠った、内容的には、「夫婦」の一語に尽きている表現と言えます。そして、その後の判例(最判62・9・2)では、「婚姻の本質は、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として 真摯な意思をもつて共同生活を営むことにある」と述べていますから、この両性の永続的な精神的及び肉体的結合私なりの、婚姻に伴う権利義務の要約から肉付けをして婚姻の実質を浮き上がらせるやり方はできないかと思います。それにしても、上記2.の最初の方の「性的結合」、そして判例の言う「精神的・肉体的結合」は最も根本的・原初的で欠かせない要素であり、これに「互いの貞操義務を伴う継続的ないし永続的な」という修飾語が付いて、はじめて「婚姻」の定義のコアと言えるのではないでしょうか。私は、ここで、相続における「融合同一化(私の私見で恐縮です) に想到します。それが相続人に無条件の財産承継を容認する根拠であるように、婚姻においては、婚姻当事者両名の遺伝子が融合して新たな遺伝子を創造するように「融合創一」が起こるのであり、それが無償の愛の源泉となって、これこそが婚姻に広範かつ重要な権利義務が付与・賦課される根拠となるのであろうと思うのです。結合において起こる融合創一では、父母が23本ずつの染色体を提供し合い、子は、父母の遺伝情報を半分ずつ受け継いで、46本の染色体を持って生まれます。この結合において父母の遺伝子は、性染色体による性差はあっても、その価値の上下は全くない、対等・平等の役割を果たします。ところで、その「結合」は、昔は、辞書や判例が言うような「継続的」や「永続的」ではなく、「終生的」結合と解されていた (民事法学辞典「婚姻」) のですが、今は離婚も大変に多くなり、そう定義することができない現状である、というのが一般の理解なのかも知れません。しかし、結婚式では今でも誓詞等としてその趣旨が必ず述べられますし、私個人としては、婚姻結合は、「終生的」で、かつ、これに貞操義務が伴うことが根本属性ではないかと思います。少なくとも、結婚の際にその「意志」がなければ「婚姻意思」ありとは言えないと思います。ですので、婚姻を以下に述べる権利義務を伴う「夫婦ないしカップルとして社会的承認を受けた対の二人の終生的貞操結合」と集約して表現してはどうかと思いますが、如何でしょうか。ここで、「終生的貞操結合」の目的であり、結果であり、かつ、その推進力・影導力(ようどうりょく)となる「融合創一」は、かつ「融合操一」でもあることとなります。「操」は、「みさお」の意味です。駄洒落になりますが、互いに一人に沿うのですから、「沿う一」ですね。
 なお、「カップル」を「夫婦」に加えた意味を申し上げます。判例(最決平25・12・10)が、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律
(3条1項)に基づき男性への性別の取扱いの変更の審判を受けた者とその妻との間において、「妻との性的関係によって子をもうけることは およそ想定できないものの,一方でそのような者に婚姻することを認めながら,他方で,その主要な効果である民法772条による嫡出の推定についての規定の適用を,妻との性的関係の結果もうけた子であり得ないことを理由に認めないとすることは相当でない」と判示して、その両名間の(生殖医療による)子の嫡出推定を肯認しました。そのような現在、「婚姻」を論ずる上においては、上記「性的結合」にはこのような「カップル」も含めて考えなければならないと思いますし、後記の「内縁」で述べるように「結合」にも実に多種多様な態様が実在する状況があるので、その現実を踏まえて、「婚姻」を考える際にもこの要素を加味するべきではないかと考えました(→同性婚)。また、この判例によって、婚姻と嫡出推定の強固な結びつきが明らかとなったと言えますが、これについてはこちらをご覧下さい。
 
そして、これに本稿の冒頭に出ました同居・協力・扶助(民法752条)の義務 (不貞が離婚原因(民法770条)の一つとしてあることの反対解釈以外、正面からの明文はありませんが ) 貞操義務が伴うことになります。同居・協力・扶助の内では、「協力」が重要だと申しました。この協力は、しかし、他人同士が協力し合う程度のものではありません。「融合」創一による、夫婦が一体化しての、一心同体の協力でなければなりません。何を協力するかと言えば、親権(民法818条~833条)と扶養(民法877条~881条)です。親権は、二人が子を授かった場合は、という条件付きとなりますが、子の利益のための監護教育(民法820条)を柱とする重い責任を伴う重要な権利義務であり、二人共同して互いの間同様、無償の愛をもって取り組まねばなりません。法律的には、「夫婦互いの間同様に」と言うことになるのですが、そもそも婚姻の本質である融合創一は、子に関わる「創」でしたから、実際上子に対しては、全く見返りを求めない、真の意味の「無償の愛」である筈です。身を犠牲にしてでも子を愛すというあり様は、昔の言葉「愛は惜しみなく奪う」で表されています。「しみじみとかわいい」を古語では「かなし」と言うそうですが、子への愛は、親の我(が)を超えた(我欲を満たしたいだけの感情や衝動とは無縁の)ところの、悲しくなる程にいとおしい思いであろうと思います。扶養は、いわゆる生活保持義務であり、互いと子に対して、同種・同量・同等の暮らしを保持しなければなりません。そして、ここでも、法的判断とは別の実際生活においては、子に対しては、自らは食さなくとも、子には与える親心がある筈です。ですから、前述しました「婚姻意思」の内包としては、これらの権利・義務を、享受し受け容れる決意、万難を排しても「融合創一」で「共白髪」の強い意志が含まれなければならない筈です。以上とすれば、法的な「婚姻」のコアをさらに集約して表現すると、「社会的承認を得られた対の二人の終生的結合意志の合致」とも略言できるかと思います (貞操義務は、この表現の中に含まれると解釈できると思います)
 そして、これらの結果として、互いの相続権
(民法890条900条) ( 相続での法定相続分は、子供がいる場合半分ですが、配偶者以外相続人がいない場合は全財産を継ぐことになります ) が社会的に約束されますし、伴侶亡き後も居住に難儀しないよう終身無償の配偶者居住権が新たに制度化されて、偕老同穴による完結も約束されました。仮に不幸にして離婚に至った場合でも、「終生的」協力を誓った以上、元伴侶の生涯の生活に資するべく、それまで夫婦別産制(民法762条)の下に潜在化していた前記「融合創一」関係が財産分与(民法768条)として具現して、その時点での全財産の半分を分与すべき強い義務が伴うことになります (私見)。なお、夫婦の平等についてこちらもご覧下さい。
 また、「社会的承認」とは要するに、上述した、婚姻法秩序の上で婚姻に伴い認められる広範な権利と当然に課される重い義務とを発生させる契機とするべく制度化された公的承認事務のことであり、現行法上は、端的に「婚姻の届出」
(民法739条)ということになります。したがって、現行法上「婚姻届」が不可能な結合、或いは、敢えて届出をしない結合をも含め、届出のない結合については、婚姻として扱うことはできず、それらは内縁ないし準婚として別に論じられることとなります。なお、夫婦親子同氏の原則については、こちらをご覧下さい。
 
最後に本項の趣旨を要約をすれば、婚姻の本質は「終生的貞操結合」であり、その期するところは「融合創一」ですが、家族の長い道のりで途中この婚姻のコアからしばし逸脱するのやむなきに至っても、帰するところは「融合創一」であるとの意志さえ維持できれば、「無償の愛で協力する」ことにより乗り越えられるということではないでしょうか。こちらもご覧下さい。
 本稿は、これらについて、以下に条句を交えながら述べ及んで行きたいと思います。



婚姻届等 ( 婚姻要件 )
 憲法24条は、婚姻を、「両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」と定めますが、これを受けて民法739条1項は、「婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる」としています。ですので、婚姻は、夫婦となるべき男女の合意 ( 婚姻意思 ) に裏付けられた婚姻届けによって成立し、これによって法の認める各種権利義務等の効力が生じることとなります。そして、この届けについては、民法739条2項が、「前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。」とし、さらに、戸籍法27条29条33条74条が届出書の記載事項を定めています。このように、婚姻は、国民生活の根幹たる家庭の秩序に関わりますので、法の定める方式を践まなければ、その効力を認められない要式行為です。また、婚姻には、例えば、嫡出推定の重複を避けるための待婚期間(民法733条)婚姻年齢(民法731条)重婚(732条)・近親婚(734条736条)等の禁止等、公序良俗、慣習、倫理ないし社会規範等として存続する各種規制からくる障碍事由があり、これらの婚姻障碍をクリアすることも婚姻要件とされますから、クリアしないと婚姻届けを受理されず、誤って受理された場合は、取り消され得るという制約も伴います。しかし、上記憲法にもあるように両性の婚姻意思の合致こそが重んじられるべきですから、財産行為におけるような能力による行為制限はあってはならないので、( 財産行為の行為能力に欠ける ) 被後見人であっても、婚姻能力がありさえすれば婚姻することができます(民法738条)。ということで、婚姻要件を教科書的に列挙すれば、婚姻能力ある男女による、婚姻意思の合致に基づいて、婚姻障碍を伴うことなく、婚姻届けがなされること、と言うことができます。そして、ここでの「婚姻意思」は、前述しましたように私は、「終生的貞操結合」の「意志」の合致であるべきだと思います。
 婚姻届けの実際についてもう少し詳しくはこちらをご覧下さい。また、国際結婚の婚姻届けについてはこちらをご覧下さい。


 
婚姻は、要式行為なので、婚姻の届出を欠いた夫婦は、内縁として事実上の夫婦生活は存続し得ても、原則として婚姻の効力は認められません。 そして、一口に内縁と言っても、昔多く行われた「足入れ婚」がそうであったように、ただ子ができるのを待って、或いは、最近では互いの相性の確認ができるのを待って、いずれ正式な婚姻に移行するというものから、最近ときに散見される夫婦同氏を嫌い別姓の法制化を待つ内縁、或いは、婚姻障碍を伴う故の内縁、LGBT同士のカップル等々、いわゆる内縁から準婚、事実婚、敢えて「婚姻」の形をとらない非婚等、実に多種多様であり、その典型的婚姻からの乖離程度も様々です。したがって、これらを一括して論じることはできず、個々のケースごとにどのように対処すべきかを考えなければなりません。
 しかし、このようなとき、「婚姻」について考察した際の最後の論点「社会的承認」という条件は、意外に大きな要素になるのではないでしょうか。つまり、婚姻に伴う権利義務の広範かつ重要なことに照らせば、それはこの社会的承認という条件が具備されて初めて付与される効果であると見るのが素直な論理だと思います。例えば、法定相続分も、離婚に伴う財産分与も年金分割も、「婚姻」の形式を満たさなければ認められないものです。財産分与については異論もあるところでしょうが、内縁破綻時の財産処理については、両名の所得や家計の状況等を見た上での具体的判断ですが、共有と認定・推定できる部分について、共有物分割で処理するのが本来で、ここに私が財産分与について言う夫婦の全財産の等分という強い効力を持ち込むことはできないからです(但し、判例は、傍論的に財産分与を認める可能性を示唆しています)。
 それでも、婚姻意思に基づく事実上の夫婦生活があるという場合については、生別・死別のそれぞれの際、なるべく事実に沿った法効果を認めようとする努力が払われてきています
。生別の場合についてはこちらを、死別の場合についてはこちらをご覧下さい。

同性婚について

 本日(平成30年11月14日)、同性婚を認めるべき、として来春複数の地裁に訴訟が提起されるとの報道がありました。世界の多くの国で同性婚が認められつつあり、いよいよ我が国にもその潮流が及んで来た感があります。私も、従来漠然と、日本国憲法24条に「
婚姻は両性の合意のみに基いて成立し」とあるのは、男女婚を当然の前提としている故、同性婚は認められないものと考えておりました。しかし、関係論文等を読み、よく考えてみると、この憲法24条の規定は、新憲法以前における男女の不平等を、憲法14条が国民の法の下の平等を明定したことから、殊に ( 妻は無能力であり、夫の管理・収益に服する。又、妻にだけ姦通罪がある等 ) 不平等が顕著であった婚姻において不平等を是正し、合わせて、婚姻当事者以外の戸主や在家の父母が当事者の成人後も当事者男30歳まで、女25歳まで婚姻に対する同意権を有する等、当事者以外からの掣肘も厳しかったためそれらも取り払うべく置かれたものではないかと思うに至りました。同条は、婚姻は男女によってのみ成立し得ると限定する趣旨など念頭になく置かれたもので、婚姻において顕著であった男女の不平等の是正と婚姻の自由の保障にこそ その眼目があったのではないでしょうか。つまり、同条は、婚姻の自由を宣言し、婚姻は、平等・対等な当事者の婚姻意思の合致にその本質があることを明定したもので、同性婚を禁じる等の婚姻における性構成を規制するために置かれた規定ではないのです。今、学童・生徒間の陰湿ないじめが社会問題となり、悲劇的な自殺が多発しています。そのいじめや差別の口実とされがちなのが、LGBTや性同一性障害等のその人自身では変えることのできない生来の資質です。このいじめをはじめ、職場や営業現場等での理不尽で非道なハラスメント、或いは、後を絶たない痛ましい児童虐待等に対しても、前記法の下の平等、並びに、個人の尊厳・幸福追求権(憲法13条)を、広く学童・生徒ら、そして職場上司、子の親等を含む国民全体に明示して、国民一人一人の尊厳と幸福追求権を守ることに繋げることこそが、今、憲法自体が真に求めていることではないでしょうか。そのためにも、今このとき、「終生的貞操結合」が認められる同性婚には「社会的承認」を与え、婚姻としての法的効果を付与することが、このように個人の尊厳が置かれた劣悪といえる状況下で、憲法のため真になすべきことだと思いますが、如何でしょうか。但し、その社会的承認には、上記性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律によって性別取扱い変更審判を受けたことによるカップルの事例のように、何らかの立法措置を講じて、上記のように多種多様な他の内縁等の事例と明確に区別でき、安定した法運用が図られるよう早急に準備されなければなりません。なお、「氏」の関係についてこちらもご覧下さい。

内縁子の氏と戸籍
 
内縁夫婦に生まれた子は、嫡出推定(772条)を受け得ない非嫡出子となります。非嫡出子は、母が出生届けをして(戸籍法52条2項)、子は母の氏を称し(民法790条2項)、母の戸籍に入ります。そして、その出生届け、戸籍には、父親の名は記載できません。父親の名を記載するためには認知を要することになります。父親が任意に認知せず、認知の訴えとなった場合、かつては父親側から「多数当事者の抗弁」が提出されると、母親の「父親以外とは性的交渉がなかつた」との主張が容易に覆されるという原告側に不利な判断が行われたりしました。しかし、判例(最判昭29・1・21)はその後、「内縁の妻が内縁関係成立の日から二百日後、解消の日から三百日以内に分娩した子は民法第七七二条の趣旨にしたがい内縁の夫の子と推定する。」として、内縁にも民法772条嫡出推定を類推適用し、内縁懐胎を認めて、事実上立証責任の転換が図られ、今日に至っています ( 尤も、今日ではDNA鑑定によって親子関係の立証は遙かに容易になったと思われます )。したがって、夫婦として生活し、婚姻届を出していないだけである事実上の夫婦であれば、嫡出推定の及ぶ期間中の妻の懐胎子はその夫の子と推定されることになります。なお、内縁の子の父母が婚姻し、その子の出生につき婚姻の日の前後を出生日とする嫡出子出生届がなされれば、婚姻時からの嫡出子となります。婚姻前の出生であれば、「認知準正」による、婚姻後の出生であれば、「推定されない」嫡出子となるからです。前者についてはこちらを、後者についてはこちらをご覧下さい。出生届けについてはこちらをご覧下さい。



婚姻意思
 上述来の「婚姻意思」については、婚姻には、当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思が存在することが必要である旨判示し、当事者間の子に嫡出子としての身分を与える目的のみで届けられた当該婚姻を無効とした判例
(最判昭44・10・31)があります ( これは、民法742条に言う「当事者間に婚姻をする意思がないとき」に関する判例です)。類書には、この判例を引いて婚姻意思を説くものもありますが、この判例は、判示のいわば方便婚姻を否定することに力点があって、婚姻意思の内包を考究したものではありません。ここで、私が上述来の考察から婚姻意思を述べるとすれば、「社会的承認を得て、終生的貞操結合を、設定しようとする意思」ということになるかと思います。


 ここで、以上の婚姻関連条文をまとめると、婚姻成立の要件である婚姻届に関する民法739条740条、そして婚姻能力に関する738条、各種婚姻障碍に関する732条737条婚姻無効に関する742条、ということになります。
その他、縁組、離婚、離縁等、各種戸籍届けに関する定めに関しては、こちらもご覧下さい。


 婚姻は、婚姻届けによってその日成立します。結婚式を挙げた日ではありません。婚姻届けには、成人の証人二人の署名押印が必要です(§739)。未成年者の婚姻には父母の同意が必要です(§737)が、平成30年の民法改正により、2022年4月1日からは、婚姻年齢・成年年齢が18歳になることに伴い、未成年者の婚姻ということがなくなり、父母の同意は不要となります。
 
婚姻届けは、婚姻障碍がないことが確認されないと受理して貰えません(民法740条)。婚姻年齢に達しているか、重婚でないか、近親婚に該当しないか、再婚禁止期間での再婚ではないか等の障碍事由の有無が審査され、障碍事由がないことの確認を経てはじめて受理されることになります。



 人生ナ咲
739結婚

  当
(事者)二人
   
  証人二人頼んで(婚姻)けしてこれで成立

      
(舞台は)さく739も、れの門出

         発て
(人生の)並木路739Ⅱ




 婚姻届

   双方証人二人

      
()()書面口頭

     けして難産?ここに739Ⅱ結実






  (婚姻) 難所740

    
()さい731から、しなさんな737 七箇条

   守
ったで、難避
(ため)739Ⅱ

       
証人二人(書面でも可)

      その
他法令違反もないとめられねば、受理されぬ



婚姻届け
届書作成とその受理の間に当事者の一方が昏睡状態に陥って、受理後間もなく死亡したとしても、婚姻は有効に成立したと解し得るとした事例判例があります。
事実上の夫婦共同生活関係にある者が、婚姻意思を有し、その意思に基づいて婚姻の届書を作成したときは、届書の受理された当時意識を失つていたとしても、その受理前に翻意したなど特段の事情のないかぎり、右届書の受理により婚姻は有効に成立する旨を判示した判例(最判昭44・4・3)
 この判決は、その判文で「原判決の確定した事実によれば、本件婚姻届は、訴外Dが昭和四〇年四月五日午前九時一〇分前後に盛岡市役所に持参し、係員に交付して受理されたものであり、 一方、Eは、昭和三九年九月頃より肝硬変症で入院していたが、昭和四〇年四月三日頃より病状が悪化し、同月四日朝から完全な昏睡状態に陥り、同月五日午前一〇 時二〇分死亡するに至つたというのであつて、原審は右の状態の下における届出は意思能力ない者の届出として無効であるとしたのである。しかしながら、本件婚姻届がEの意思に基づいて作成され、同人がその作成当時婚姻意思を有していて、同 人と上告人との間に事実上の夫婦共同生活関係が存続していたとすれば、その届書 が当該係官に受理されるまでの間に同人が完全に昏睡状態に陥り、意識を失つたと しても、届書受理前に死亡した場合と異なり、届出書受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情のないかぎり、右届書の受理によつて、本件婚姻は、有効 に成立したものと解すべきである。もしこれに反する見解を採るときは、届書作成 当時婚姻意思があり、何等この意思を失つたことがなく、事実上夫婦共同生活関係が存続しているのにもかゝわらず、その届書受理の瞬間に当り、たまたま一時的に 意識不明に陥つたことがある以上、その後再び意識を回復した場合においてすらも、 右届書の受理によつては婚姻は有効に成立しないものと解することとなり、きわめて不合理となるからである。しかるに、原判決は、婚姻届受理当時、Eが完全な昏睡状態に陥り意思能力がなかつたことが明らかであるといい、その一事を前提として同人には婚姻をなす合意があつたとはいえず、本件婚姻は無効であると判示したものであるから、原判決は、所論のように、法律の解釈適用を誤つた違法があるものといわなければならない。したがつて、原判決は、破棄を免れず、本件婚姻届が Eの婚姻の意思に基づいて作成されたか、その後届書が受理されるまでに翻意する など婚姻の意思を失う特段の事情があつたかどうか等の各点につき、さらに審理の 必要あるものと認め、本件を原審に差し戻すのを相当とする。」と述べています。




 受理されぬ(婚姻)けの難所740

    
一度(ひとた)受理 一応有効

  然
れども不適齢
(§731)重婚(§732)禁期(§733)近親婚(§734~§736)

      
(婚姻障碍の内、親の不同意を除くものは)後日取消()れあり(§743746

 
§740は婚姻届の受理に関する規定


婚姻年齢
 婚姻年齢は、男性18歳、女性16歳です
(民法731条)。戦前は、戦時態勢下の「産めよ増やせよ」政策によって早婚も認めるから結婚して子を作れという国策からか、男性17歳、女性15歳であったのが、戦後このように改められたのですが、この間にも貫かれた男女差には必ずしも合理的でないものを感じざるを得ませんね。この点は、平成30年の民法改正でスッキリと男女等しく18歳とされることとなりました。下記の条句にある「親の同意」の関係も改正があり、これにも触れましたので、こちらをご覧下さい。



 男十八(とはち)、女十六(とろく)

     
それより()さい
731子供婚、

   〔届出しても受理されず、届できても取り消され、〕婚姻することできぬ也。




  (婚姻届け)同意欠缺(けんけつ)737)

     片方同意りるから他方不同意なさんな
737





婚姻能力

 婚姻のような人の身分に関する行為は、財産行為に関する
(弁識能力の有無・程度を基準とする) 後見・保佐・補助等の、行為能力による制約を受けることがありません。したがって、身分行為のための能力という点においては、行為するその時に本人に意思能力があり、また、その行為相応の心身の成熟と理解力・判断力があれば、法律行為として当該身分行為は成立します。そして、その目安としては、人は、15歳になれば自身の意思で他人の養子となることができ(但し、家裁の許可というチェックは必要(民法798条)です)、又、自ら遺言することもできます(民法961条)。これは単なる目安であって、当該の者が15歳未満であっても、その身分行為に関し、具体的場面で観察力・思考力・判断力が備わっていることが認められれば、その身分行為の能力ありと認めることができます。婚姻については、しかし、婚姻年齢が定められていますから婚姻年齢に満たないと、能力的には問題がなくとも、年齢による婚姻障碍の面から婚姻できないことになります。婚姻能力は、財産的な利害の弁識能力とは異なりますから、たとえその人が後見人の後見を受ける成年被後見人であっても、行為時に婚姻についての判断ができる能力があれば、後見人の同意を要せずに婚姻することができます。民法は、738条でこの点を定め、それに続く離婚(764条)、縁組(799条)、離縁(812条)について、この738条婚姻能力規定を準用しています。なお、認知については、780条で「認知をするには、父又は母が未成年者又は成年被後見人であるときであっても、その法定代理人の同意を要しない。」と、未成年者も含めた形で別個に規定しています。未成年者の婚姻・離婚・縁組・離縁については、これら各成年被後見規定とは別にその保護的ないし制度的観点からの規定を置いています。なお、このような被後見人等の身分行為に関する訴訟での訴訟能力について、こちらもご覧下さい。



 成年被後者婚姻

    精神
738あっても小波973であって

      
(一時的にでも)意思持判断できるなら

   
後見人同意なく 婚姻することできる 

  
§973は成年被後見人の遺言に関する規定、仮に被後見人を、「被後者」と呼ぶ。



婚姻無効
 婚姻をするについて当事者間に
婚姻意思がなく、或いは、婚姻届けがない、若しくは人違いであった等の事由があれば、その婚姻は、裁判等を要することなく、当然に無効であり、当事者以外の者からもその無効を主張することが許されます。戦地にあって婚姻届けもしていない者の婚姻について、なされたその者の父親からの婚姻無効確認の訴えについて、これを認めた判例 (最判昭34・7・3) があります。この判決は、「当事者の意思に基く届出を欠いた婚姻が無効であることは、民法七四二条の明定するところであつて、当事者以外の第三者においてもその利益あるかぎり右無効の確認を求め得べく、その第三者が当該婚姻届出書類を偽造した本人であるからといつてこれを別異に解すべきではない。」と判示しています。無効な婚姻の当事者となってしまった場合、第三者から婚姻を前提とした主張がなされたときは、婚姻取消しの裁判等を要せず婚姻無効を以て対抗することができます。とは言え、戸籍に存在する婚姻の記載を訂正 ( 戸籍の記載が、不適法又は真実に反するとき、真正な身分関係に一致させるよう是正すること) しなければなりませんから、その戸籍訂正のためには、このような婚姻無効の裁判を経る必要があります(戸籍法116条)。そして、それには、調停前置主義という原則(家事事件手続法257条)があるので、まずは、家裁での調停に付されることとなりますが、調停で合意に達することができると合意に相当する審判がなされます(家事事件手続法277条)。調停が不成立で終わった場合はいよいよ同じ家裁での人事訴訟(人事訴訟法2条1号)婚姻無効の訴え」で争うことになります。


   ヤレ二
802


   婚礼’
なすも
人違意思ナシ届ナシ(のいずれか)ならば

            
婚姻無効夫婦ナシ
 742



   さくに
739証人二人届ける(ことの)不備
          
‘ナシ
742とされて受理 有効

§739Ⅱは婚姻の届出の方法に、§742は、婚姻の無効に、§802は縁組の無効に関する規定

離婚
 「終生、共白髪」と誓って結婚した筈の婚姻も、人生航路の荒波に揉まれ、必ずしも志し通りには航路を進めず、座礁して離婚のやむなきに至ることがあります。このとき、人生の再出航を期して立ち上がるためには、初めの航海の整理を遂げ、再出発の準備をしっかり整えなければなりません。そのためには、まず、この婚姻という航海の整理法を心得ておく必要があります。婚姻は、二人の「終生的結合意志の合致」によって成り立つと申しましたが、私は、そこに「融合創一」が起こると観念できると考えています。つまり、二人に子が生まれた場合を考えると、一番分かり易いのですが、二人の遺伝子の融合によって新たな一つの遺伝子が生まれることを念頭に置いた造語です。これは、人の結びつき、絆における無償の愛の源であり、夫婦・親子の絆だけでなく、家庭を築くことにも繋がり、ひいて、夫婦・子という社会の一単位が創出される意味にも繋がります。そして、夫婦間の融合創一があることによって、お互いに同居・協力・扶助の義務を引き受け、子が生まれれば、夫婦共同親権の下、二人してその監護・教育という重い責務にも取り組むことができます。また、「協力」義務は、結婚生活の様々な場面で日常的に課されますから、時に応じ臨機適切に対応しなければなりません。数々の苦労も二人して「終生的結合」、つまり「共白髪」を誓った上は頑張って乗り越えて行くことができるのです。しかし、人間、スーパーマンではありませんし、女神様のようにもなれません。結婚生活の過程では果たすべき義務を果たせない、或いは義務に背くことも起こり得ます。不幸にして、その結果、互いに終生的結合の意志を失い、離婚のやむなきに至る場合、その離婚の原因となった義務違反については、配偶者に対する不法行為として賠償責任を負うことになります。つまり、慰謝料です。そして、終生共白髪の誓いに拘わらず別れることになるについては、財産分与で応えなければなりません。婚姻中は、二人の財布は別々で、取り敢えず二人共有とした物だけが夫婦の財産と言える、「夫婦別産制」の下に暮らしました。しかし、婚姻という難事業を共にした配偶者との離婚の際には、この別産制は姿を消し、「融合創一」が別れに際して具現して、互いの固有財も含めた全財産を等分して財産分与とします。そして、子が生まれていれば、子に対する義務からは離れることができませんから、養育のための協力は、親権者を定め養育費の負担を約し、子が独立できるまで教育・監護は続いていくことになります。子には親と面会する権利がありますから、そこからも子自身がいずれ融合創一のための力を得られるよう、その実現にも協力しなければなりません。
 そういう訳で、これから上述の諸点について条句を交えながら、述べていくことになりますが、その前に、もし、今これを読まれている夫なり妻なりの方が、まだ離婚をされていないのであれば、私は、できることなら、ぜひ、お子さんのために離婚を思いとどまって下さい、とお願いをしたいのです。両親の対立・家族の分離は、子の社会に対する不安・恐れを根付かせ、人・社会との接触を恐れることに繋がると言われます。お子さんには両親が必要・不可欠です。温かい両親の愛情がお子さんの社会への信頼に繋がり、また、愛されていると信じられることがお子さんの自己肯定と人との温かい人間関係に繋がります。夫婦間の問題は夫婦だけで解決できないことも多いものです。ぜひ、県庁や市役所、或いは町村役場の福祉課や女性のための相談室とかその他公共の、或いは非営利団体等の相談窓口等に相談してみて下さい。相談・支援等についてこちらもご覧下さい。




離婚の手続き
 婚姻が破綻して離婚に至るには、大きく分けて二つの方法があります。協議離婚裁判離婚です。日本の離婚制度は、夫婦の合意に基づく協議離婚を原則とし、これについては特に離婚原因を法律で定めるようなことはせず、当事者の合意に委ねられていますから、「性格の不一致」でもよい訳です。離婚合意が調いさえすれば、成人二人の証人の協力を得て、夫婦二人で離婚届けに署名・押印して提出すれば、比較的容易に離婚ができるので、離婚の門はかなり広く開いていると言えます。後から、一時的な事情での方便離婚であったとして離婚の無効を主張しても、届けの時に「真に法律上の婚姻関係を解消する意思」があったのであれば、離婚は有効であると判断されるのが実際です。しかし、家庭が崩壊してしまう離婚の途は、そんな簡単に運ばれる筈もないので、合意が調わず、それでもどうしても離婚したい場合は、公開の訴訟手続きによる離婚裁判に訴えることになります。訴訟の結果としての離婚が裁判離婚です。そして、その場合は、法で定められた離婚原因にあたる事実が認定されないと、離婚請求は棄却されます(後記のとおり、離婚原因が認定されても棄却される場合があります)から、厳格な関所が待っていることになります。裁判で離婚を宣せられると、離婚に同意していなかった当事者もこれに従わねばならない強制力がありますから、強制離婚と言われる由縁がここにあります。この協議離婚と裁判離婚の間に、実は、任意と強制との中間的な性質の離婚があります。それが調停離婚審判離婚です。裁判所の関与しない当事者だけの話合いでは協議離婚ができないということで、「裁判にする」ことになったとしても、裁判所では、「調停前置主義」という原則により、まずは調停手続きを受けなければなりません。ここで離婚が成立すれば、それが「調停離婚」です。調停不成立となった後は、離婚訴訟の途が残されることになりますが、ときに、裁判所が、裁判所としての判断を示せば解決するのではないかとの考えから、調停打ち切りとはぜすに、審判を下すことがあります。この審判により離婚となる場合を「審判離婚」と言います。もう少し詳しくはこちらをご覧下さい。以上が離婚自体の手続きですが、離婚に伴う慰謝料財産分与、子の親権者指定・養育費・氏の変更等は、以下個別の記載をご覧頂きたいと思いますが、その内、子供の関係は「子供がいる夫婦の離婚」をご覧下さい。
 具体的な協議離婚の手続きとしては、民法764条が民法739条を準用していますので、同条2項が「届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。」と定め、さらに、戸籍法29条33条76条、戸籍法施行規則57条が届出書の記載事項を定めるところに従い、協議離婚届けをします。ですから、協議離婚届けは、提出前に予めしっかり確認し、記載漏れ、誤記等のないようにしなければなりません。子がいる夫婦の離婚の場合、子の親権者には夫婦のどちらがなるかについての記載が重要ですが、そのような記載事項等の詳細については、こちらをご覧下さい。こうして、協議離婚は、協議離婚届けにより、その日に成立します。離婚届けには、成人の証人二人(以上)署名押印が必要です。上記の条文にあるように、離婚届けは口頭でも可能ですが、その場合、当事者二人と証人二人の計4人が出頭しなければなりませんし、各人の本人確認をした上、口頭で必要事項を述べなければなりませんから。時間がかかります。書面による届出は、本人が窓口に提出する(一人での提出が可能です)ほかに、郵送でも可能ですし、本人の使者として他人が提出することもできます。誰が提出するかを問わず、他人が提出する場合も、提出者の身分証明により誰が提出したかを明らかにし、他人の提出にかかるものであると判明した届出については(郵送による届出は、他人か否かを問わずすべて)、役所戸籍係から本人に受理(した旨の)通知が行くことになっています(戸籍法27条の2)。もし、他人が虚偽の届出をした場合は、公正証書原本不実記載罪(刑法157条)により処罰されることになり、離婚は無効です(この離婚無効の手続きはなかなか大変です)。虚偽の届出がなされるおそれがあるときは、役所戸籍係に予め不受理(の)申出をしておくと受理されずに済みます(戸籍法27条の2)。郵送された届書は、本人が死亡した後でも受理しなければなりません(戸籍法47条)。なお、裁判離婚届けについてはここちらをご覧下さい。また、婚姻中に懐胎・妊娠し、離婚後に生まれた子の関係については、こちらをご覧下さい。


裁判離婚

 この裁判離婚での離婚原因として、民法770条は、下記の紺色の四つ、①不貞、②悪意の遺棄、③三年以上の生死不明、④回復の見込みのない強度の精神病と、緑色の⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由の、計五つの事由を規定します。前四者を具体的離婚原因、後者を抽象的離婚原因と言います。また、うち紺色四つの具体的事由については、それが証拠により認定できても、裁判所がやはり婚姻を継続した方が良いと判断した場合には、同条の2項によって離婚請求を棄却することができるとされています。裁量棄却と言います。ですので、上記①から④の事由のいずれかに該当する場合であっても、いまだ婚姻が破綻したとまでは認められない場合、或いは、破綻していてもなお当該の離婚請求を認容すべきない事情がある場合もあることになります。つまり、
○ 具体的離婚原因①から④の事由にまつわる離婚判断には、まず、
  (一).①から④までの具体的離婚原因事実の有無に関する判断
次いで、
  (二). 離婚原因事実有りとして、それが「破綻」をもたらしているか否かの判断
そして、
  (三). 破綻しているとして、それでもなお離婚請求を認容すべきではない事情があるか否かの判断
 の三段階の判断を要することになります。
この(三).の判断によって請求棄却となるのが上記民法770条2項による裁量棄却です。
 そして、また、
 抽象的離婚原因
(婚姻を継続し難い重大な事由)が認定できる場合でも (条文の文言上請求棄却はあり得ないことですが、下記判例が判示したように) 事情によっては、
    
離婚請求が「信義誠実原則」に反すると判断されて棄却されることがあるとされます。
  これは、したがって、民法1条2項による裁量棄却ということになります。
 そして、これら裁量棄却の判断の場面では、その婚姻の破綻状況をもたらしたことについて責任のある配偶者が自ら離婚を求めることはできるかという、いわゆる有責配偶者の問題が起こります。


 ここで、上記⑤の婚姻を継続し難い重大な事由については、上記①から④までの各具体的事由にはあたらないが、婚姻に回復できない程の
「破綻」をもたらす重大事由のことであると解されています。そして、その「破綻」については、判例(最判62・9・2)が、「婚姻の本質は、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として 真摯な意思をもつて共同生活を営むことにあるから、夫婦の一方又は双方が既に右の意思を確定的に喪失するとともに、夫婦としての共同生活の実体を欠くようにな り、その回復の見込みが全くない状態に至つた場合には、当該婚姻は、もはや社会生活上の実質的基礎を失つているものというべきであり、かかる状態においてなお 戸籍上だけの婚姻を存続させることは、かえつて不自然である」、と述べていますので、「婚姻の破綻」とは、夫婦が、永続的な精神的肉体的結合意思を失い ( 私なりに言うと「終生的結合とその意志を失い」 ) 共同生活実体を失って回復見込みが全くない状態である、と言うことになります。
 そして、 上記⑤の「婚姻を継続し難い事由」つまり「婚姻の破綻」をもたらし得る具体的な事情としては、判例や類書に現れたものを拾ってみると、別居、配偶者に対する暴力行為・侮辱的言動、子に対する虐待、勤労意欲の欠如、浪費、借財、賭け事、稽古事・宗教等への常軌を逸した没頭、親族間融和に関する努力放棄、性交不能・同拒否、不貞にあたらない異性交遊、性格不一致、価値観の相違等々と、実に多種多様で枚挙に暇がありません。これらを、私なりに「(婚姻)
破綻誘因事由」と仮称することとしますと、これら破綻誘因事由は、極端な場合は別として、それ一つだけでは通常そうではないけれども、いくつかが合わさると「婚姻を継続し難い重大な事由」にあたり得るということになります。そして、それにより⑤号事由が認定できた場合、そこでこの場合も上記(三).と同様の判断を受けて、このときは民法770条2項によるのでなく、民法1条2項の信義誠実原則という一般条項によって、離婚請求の認容か棄却かが決せられることになります。
 以上まとめると、離婚裁判においては、具体的離婚原因による場合であれ、抽象的離婚原因による場合であれ、その根拠法条は異なるものであっても、いずれも上記
(三).あるいはそれと同様の裁量判断を要することとなり、その判断結果で棄却される場合は、770条2項によるか1条2項によるかの違いはあれ、いずれも「裁量棄却」と言えると考えます。したがって、次に判例が⑤の事由に関する判断基準として判示するところは、裁量棄却の判断基準として全離婚原因について適用してよいものと考えます。
 これらの裁量棄却にあたって考慮されるのは (「離婚請求裁量棄却事由」と仮称します)、上記破綻誘因事由のように婚姻におけ終生的結合自体にマイナスに働く事由ではなく、当該婚姻を取り巻く諸状況ということになりますが、例えば、上記昭和62年の判例は「
離婚請求は、正義・公平の観念、社会的倫理観に反するものであつてはならないことは当然であつて、この意味で離婚請求は、身分法をも包含する民法全体の指導理念たる信義誠実の原則に照らしても容認されうるものであることを要するもの といわなければならない。 」 として一般条項に遡っての判断になることを説示し、⑤の事由による離婚請求が有責配偶者からされた場合は、「当該請求が 信義誠実の原則に照らして許されるものであるかどうかを判断するに当たつては、 有責配偶者の責任の態様・程度を考慮すべきであるが、」と従来の論旨を確認して、次に、考慮すべき当該婚姻を取り巻く諸状況につき、相手配偶者の意思や感情、離婚による受ける 精神的・社会的・経済的状態を挙げた後、夫婦間の子、殊に未成熟の子の監護・教育・福祉の状況、別居後に形成されたそれぞれの生活関係も斟酌さるべきとし、 更には、時の経過による事情の変容、社会的評価の変化等の影響も考慮すべしと判示します。そして、「有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦の別居が 両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的 に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできないものと解するのが相当である」 として、未成熟子の存在、或いは、相手配偶者が離婚により置かれる苛酷な状況等の特段の事情がある場合以外、有責者からのものであっても離婚請求が認容され得る旨判示し、その判断の際には「五号所定の事由に係る責任、相手方配偶者の離婚による精神的・社会的状態等は殊更に重視されるべきものでなく、 また、相手方配偶者が離婚により被る経済的不利益は、本来、離婚と同時又は離婚後において請求することが認められている財産分与又は慰藉料により解決されるべ きものである」と付言しています。 
 
以上によれば、上記昭和62年の判例は、離婚請求に裁量棄却事由が有りや無しやの判断は、当該婚姻を巡る諸状況における当事者の意思・感情、離婚により被る精神的・社会的・経済的影響、時間の経過による事情の変化等、広範かつ場合によっては長年月に亘る諸事情を踏まえて判断しなければならないが、離婚請求は、正義・公平の観念社会的倫理観に反するものであつてはならないので、当該離婚請求を認容することがそれらの諸事情の下で配偶者や未成熟の子に極めて苛酷な状態を招来することとなる等の特段の事情があって、著しく社会正義に反する結果となることはないか、或いは、離婚が有責配偶者からの請求にかかるものであれば、その責任の態様・程度が著しく重く、その者による離婚請求を認容することが著しく信義誠実原則に反する結果となることはないか、の判断にかかり、これらの点がない限り離婚請求は許されると要約することができ、また、合わせて、その判断に際しては、有責であること、相手配偶者の受ける不利益等は、離婚に伴う財産分与・慰謝料によって償われ得るから殊更重視すべきではないと説示しているものと言えます。
離婚原因私見
 なお、私はここで、離婚原因に一つを加えるべきことを提案します。「暴力」です。憲法24条1項は「婚姻は、・・夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならい。」とし、同条2項は、「・・財産権、相続・・離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」と定めます。民法770条は、憲法の立法府への委託に基づき、離婚について具体化した規定ですが、配偶者に対する「暴力」は、「夫婦が同等の権利を有」して、「相互に協力」することとは真逆の姿勢であるし、「個人の尊厳と両性の本質的平等」を蹂躙する暴挙です。何故これを第一の離婚原因に挙げず、「婚姻を継続し難い重大な事由」中に忍ばせるような迂遠なスタンスをとるのでしょうか。暴力の非を直接非難せず、家庭内における暴力を一定程度は許容するかのごとき曖昧な態度は、家庭内暴力を助長し、ひいて、社会における暴力沙汰の蔓延、個人の尊厳の軽視・虐待やハラスメントに繋がっていくように思えてなりません。私は、夫婦の実質的平等のため家庭経済上の提言もしていますが、離婚原因の点でも憲法が立法に委ねた婚姻制度の具体化が、未だその委託の趣旨を十分貫徹できていないと思います。むしろ、家庭経済上の改革よりも「配偶者から暴力を受けたとき」を独立の離婚原因として掲げることの方が重要だと考えますが、如何でしょうか。


 裁判離婚


  「な、なぜ
770 なして (婚姻生活が) ノー770か分からねぇ

  「不貞
(悪意の) 遺棄(三年以上の) 生死不明(回復見込みのない強度の) 精神病

  やっていけない
大事(おおごと)(婚姻を継続し難い重大事由)

           あれば、
()判所が認めてくれるのさ。


  離婚なし得てマル
770るも、大事(おおごと)以外の理由なら

          
(一切の事情を踏まえて) 請求棄却もあり得るよ裁量棄却


 
 
  民法(770)裁判離婚(については)

     不貞
、遺棄、 生死不明精神病あっても

    
(婚姻を継続させるべき)事情あるならば、離婚(判決)なせと770わぬ也。

              「して」、「し得て」は、伊語の「セテ」、西語の「シエテ」から。


ここで、離婚原因関係の判例をご紹介します。

1. 初めに、「
不貞」関係の判例です。
 まず、配偶者による婚外の性関係がその相手の自由な意思によるものでなくとも、民法770条1項1号の「不貞」にあたる場合であるとした判例
(最判昭48・11・15)です。この判決は、「民法七七〇条一項一号所定の「配偶者に不貞の行為があつたとき。」とは、配偶者ある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいうのであつて、この場合、相手方の自由な意思にもとづくものであるか否かは問わ ないものと解するのが相当である。」と判示しています。
 次に、配偶者の不貞相手に対する慰謝料請求に関する判例
(最判平8・3・26)で、配偶者との婚姻共同生活の平和を侵害した不貞相手に対しては、不法行為に基づく損害賠償として慰謝料の請求をすることができるが、不貞のあった当時、配偶者との婚姻関係が既に破綻していた場合には、特段の事情のない限り、その不貞相手は不法行為責任を負わないと判示しています。この判決は、その理由として、「けだし、丙が乙と肉体関係を持つことが甲に対する不法行為となるのは、それが甲の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為というこ とができるからであって、甲と乙との婚姻関係が既に破綻していた場合には、原則 として、甲にこのような権利又は法的保護に値する利益があるとはいえないからで ある。」と述べています。
③ 
また、最近、不貞の相手方に対しては、上記の「不貞慰謝料」と言うべき損害賠償の請求が認められるとしても、通常は、いわゆる「離婚慰謝料」の請求はできないとする新たな判例(最判平31・2・19)が出ました。その要旨は、「夫婦の一方は,他方と不貞行為に及んだ第三者に対し,当該第三者が,単に不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情がない限り,離婚に伴う慰謝料を請求することはできない。」というものです。
 この判決は、その理由として、「夫婦の一方は,他方に対し,その有責行為により離婚をやむなくされ精神的苦痛を被ったことを理由としてその損害の賠償を求めることができるところ,本件は,夫婦間ではなく,夫婦の一方が,他方と不貞関係にあった第三者に対して, 離婚に伴う慰謝料を請求するものである。 夫婦が離婚するに至るまでの経緯は当該夫婦の諸事情に応じて一様ではないが, 協議上の離婚と裁判上の離婚のいずれであっても,離婚による婚姻の解消は,本来,当該夫婦の間で決められるべき事柄である。 したがって,夫婦の一方と不貞行為に及んだ第三者は,これにより当該夫婦の婚姻関係が破綻して離婚するに至ったとしても,当該夫婦の他方に対し,不貞行為を理由とする不法行為責任を負うべき場合があることはともかくとして,直ちに,当該夫婦を離婚させたことを理由とする不法行為責任を負うことはないと解される。 第三者がそのことを理由とする不法行為責任を負うのは,当該第三者が,単に夫婦 の一方との間で不貞行為に及ぶにとどまらず,当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめたものと評価すべき特段の事情があるときに限られるというべきである。」と述べています。そうしますと、問題の不貞行為と離婚との間に時の経過がある場合、通常の不貞行為であれば、離婚時からは不法行為による損害賠償請求の時効3年
(民法724条)が経過していなくとも、不貞時からは既に時効が完成していて請求権が消滅している場合があり得ることになります。また、不貞時からの起算で時効が未了であっても、不貞の場合、不貞配偶者と不貞相手の共同不法行為であって、その賠償責任は両名の連帯債務(民法719条)とされますから、いずれか一方が弁済をすれば、他方は被害者に対し責任を免れる(支払った者からの求償は残りますが)関係となります。ですので、不貞配偶者が離婚慰謝料(或いは、その趣旨も含む財産分与)として弁済を終えていれば、その場合も被害配偶者から不貞相手に請求することはできないこととなります。

2. 「悪意の遺棄」関係の判例としては、
  
婚姻関係が破綻したについて主たる責任があり、自らが招いた原因で配偶者による扶助を受けられなくなった者は、配偶者から民法770条1項2号の「悪意の遺棄」を受けたとは言えないとした事例判例(最判昭39・9・17)があります。 この判例の事例は、「上告人は被上告人の意思に反して上告人の兄D らを同居させ、その同居後においてDと親密の度を加えて、夫たる被上告人をないがしろにし、かつ右Dなどのため、ひそかに被上告人の財産より多額の支出をしたため、これらが根本的原因となつて被上告人は終に上告人に対し同居を拒み、扶助義務をも履行せざるに至つたという」もので、この事実は証拠によつて認められるとした上、「所論は、およそ夫婦の一方が他方に対し同居を拒む正当の事由がある場合においてもこれによつて夫婦間に扶助の義務は消滅することなく、依然存続するものであ り、従つてこれを怠るときは悪意の遺棄にあたるとの見解に立つて、被上告人の行為は上告人を悪意にて遺棄したものであると主張するのである。しかしながら、前記認定の下においては、上告人が被上告人との婚姻関係の破綻について主たる責を 負うべきであり、被上告人よりの扶助を受けざるに至つたのも、上告人自らが招い たものと認むべき以上、上告人はもはや被上告人に対して扶助請求権を主張し得ざるに至つたものというべく、従つて、被上告人が上告人を扶助しないことは、悪意の遺棄に該当しないものと為すべきである。」と判示しました。

3. 
(回復の見込みのない強度の)精神病罹患を原因とする離婚の判例としては、
 
不治の精神病に罹患した場合であっても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意であると解すべきであると、民法770条2項が規定する裁量棄却の法意を判示した判例(最判昭33・7・25)※、と
 不治の精神病のケースであっても、妻の実家が夫の支出をあてにしなければ療養費に事欠くような資産状態ではなく、他方、夫は、妻のため十分な療養費を支出できる程に生活に余裕がないにもかかわらず、過去の療養費については、妻の後見人である父との間で分割支払の示談をしてこれに従つて全部支払を完了し、将来の療養費についても可能な範囲の支払をなす意思のあることを裁判所の試みた和解において表明し、夫婦間の子をその出生当時から引き続き養育している等判示事情の下では、民法770条2項によって離婚請求を棄却すべき場合には当たらないとして、上記裁量棄却の
法意の具体例を示した判例(最判昭45・11・24)があります。
なお、この判例は、心神喪失の常況にある旧法時の「禁治産者」、今の被後見人にあたる者を当事者とする離婚訴訟について、「
離婚のごとき本人の自由なる意思に基づくことを必須の要件とする一身に専属する身分行為は代理に親しまないものであつて、法定代理人によつて、離婚訴訟を遂行することは人事訴訟法の認めないところである。人事訴訟法第四条は、後見監督人または後見人が禁治産者の法定代理人としてその離婚訴訟を遂行することを認めたものではなく、その職務上の地位に基き禁治産者のため当事者として右訴訟を遂行しうることを認めた規定と解すべきである。」と判示しています。原審が、当該訴訟の裁判長において、その訴訟限りで代理権を有する民事訴訟法上の特別代理人(現行の民訴35条)の選任によった点を、不適切であったとする理由として、禁治産者(現在の被後見人)の離婚訴訟には代理は馴染まないことを述べたものですが、現行の人事訴訟法14条にも「人事に関する訴えの原告又は被告となるべき者が成年被後見人であるときはその成年後見人は、成年被後見人のために訴え、又は訴えられることができる。」とあり、判文の言うように、ここでの成年後見人は「法定代理するものではなく、職務上の地位に基づく当事者である」と理解すべきこととなります。婚姻、離婚、嫡出否認、認知、養子縁組、離縁等の人事事件を扱う人事訴訟では、財産行為に関する行為能力の制度は適用されず、意思能力があれば訴訟ができますから、成年被後見人も意思能力のある限り訴訟行為をすることが可能ですが、「事理を弁識する能力を欠く常況にある(民法7条)ことを踏まえ、上記のように成年後見人による訴訟遂行の途が設けられています(人事訴訟法14条)。他方、通常の民事訴訟では、法定代理は原則として民法の定めに従うとされている(民訴法28条)ので、後見人は、被後見人のために法定代理人として訴訟行為をすることができます。なお、未成年者の人事訴訟事件で親権者が訴訟行為にあたる場合については、判例が「法定代理」であるとしている点については、こちらをご覧下さい。

4. 民法770条1項5号の事例としては、夫の性交不能を以て「
婚姻を継続し難い重大な事由」ありと認めた最判昭37・2月6日があります。

5. 「婚姻を継続し難い重大な事由」による離婚請求が、いわゆる
有責配偶者からのものである場合についても、触れておかなければなりません。
 最高裁判所においては、昭和62年まで、婚姻が破綻するに至るについて、
離婚原因をもたらした責任の有る当事者からの相手配偶者に対する離婚請求は原則認められないとされていました。昭和27年のいわゆる「踏んだり蹴ったり判決(最判昭27・2・19)が有名です。判文中で、有責配偶者からの当該離婚請求について、「結局上告人が勝手に情婦を持ち、そのため最早被上告人とは同棲出来ないから、これを追い出すということに帰着するのであつて、もしかかる請求が是認されるならば、被上告人は全く俗にいう踏んだり蹴たりである。法はかくの如き不徳義勝手気儘を許すものではない。」と判示しています。
 そして、昭和38年には、婚姻関係の破綻について「専ら又は主として責任のある当事者からは離婚を請求することができない」とするのが相当であるところ、上告人には、妻に満足な生活費を渡さず、頻繁に外泊に及ぶ等婚姻維持のための努力をしたとは認められない事情があるとは言え、被上告人の不貞行為を認定しながら、上告人にはその不貞に至るについての大部分の責任があるとして、その離婚請求を棄却したのは審理不尽であるとして、原判決を破棄差戻した判例
(最判昭38・6・4)が出ました。つまり、この事案では、反対解釈をすれば、「専ら又は主として有責でなければ、有責者からの離婚請求も認められ得るということが示されたことになりますし、又、どちらが「専ら又は主として有責」なのかという判断場面の一例を示すこととなった訳です。このどちらが責任が重いのかの判断は、事案により微妙で難しい判断となりますが、この判例は、「妻の身分のある者が、收入をうるための手段として、夫の意思に反して他の異性と情交関係を持ち、あまつさえ父親不明の子を分娩するがごときことの許されないのはもちろん、被上告人と同様、子供を抱えて生活苦にあえいでいる世の多くの女性が、生活費をうるためにそれまでのことをすることが通常のことであり、またやむをえないことであるとは、とうてい考えられないのである。」として、控訴審が、妻が不貞に至るについて「大部分の責任」があるとした夫たる上告人には、貞操義務に違反した妻に比べ、「専ら」或いは「主として」の責任があるとまで言えるか否か、さらに審理を尽くすよう差し戻したことになります。
 昭和62年になると、民法770条1項5号所定の事由による離婚請求については、条文上は同条2項による裁量棄却の余地がないとはいえ、同事由につき
専ら責任のある有責配偶者から請求された場合は、当該請求が信義誠実の原則に照らして許されるものであるかどうかを判断するべきであり、判断するに当たつては、夫婦がその年齢及び同居期間と対比して相当の長期間別居し、その間に未成熟子がいない場合には、相手方配偶者が離婚によつて精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情のない限り、有責配偶者からの離婚請求を、その「一事をもって許されないとすることはできない」として、36年間別居していた夫婦の離婚を認めて、判例を変更する大法廷判決(最大判昭62・9・2)が出ました。そして、その後、この判例の趣旨を踏まえた判決(最判平16・11・18)も出され、当該事案について、「有責配偶者である夫からの離婚請求において,夫婦の別居期間が、事実審の口頭弁論終結時に至るまで約2年4か月であり、双方の年齢や約6年7か月という同居期間との対比において相当の長期間に及んでいるとはいえないこと、夫婦間には7歳の未成熟の子が存在すること、妻が、子宮内膜症にり患しているため就職して収入を得ることが困難であり、離婚により精神的・経済的に苛酷な状況に置かれることが想定されることなど判示の事情の下では、上記離婚請求は、信義誠実の原則に反するものといわざるを得ず、これを認容することができない。」と判示しています。

裁判離婚届
 判決で離婚が確定したときは、原告となった者は10日以内にその旨の離婚届けをしなければなりません。調停や審判等で離婚が成立したときも同様で、手続きを起こした者が成立した手続きを明示して届けます(戸籍法76条77条63条、戸籍法施行規則57条Ⅱ、家事審判手続法268条287条)。訴えや手続きを起こした者が定められた届出をしないときは、その相手方からも届出することができます(戸籍法77条63条Ⅱ)。前記10日の期限は、それを過ぎてしまったからといって届出ができなくなる訳ではありません。その日を過ぎると、相手方からも届出が可能となる基準日ということになります。


協議離婚

 
上記「離婚の手続き」で述べましたように、日本の離婚制度は、夫婦の合意に基づく協議離婚を原則とし、これについては特に離婚の理由・原因を定めることをせず、当事者の合意に委ねられていますから、「性格の不一致」でもよい訳です。離婚意思の合致による離婚合意が調いさえすれば、成人二人の証人の協力を得て、夫婦二人で離婚届けに署名・押印し提出することにより、離婚は有効に成立します(民法763条)。但し、結婚に婚姻の障碍事由があるように、離婚にもその件をクリアしないと離婚届けを受理して貰えない事由があります。子供がいる夫婦の離婚の場合の親権者の指定(§819Ⅰ、戸籍法76条)です。夫婦の話合いでどちらが子の親権者となるか決まらない場合は、家裁での親権者指定の調停又は審判(§819Ⅴ)で親権者を決めた上での離婚届けという運びとなります (→「子供が居る夫婦の離婚」) 。また、離婚届けが受理されたからと言って、「離婚の手続き」で触れました「真に法律上の婚姻関係を解消する意思」がなかった場合には、離婚は無効となります(§742§802からの類推解釈)。離婚無効について、こちらをご覧下さい。

離婚意思 また、下記の方便離婚に関する判例(最判昭38・11・28昭57・3・26)は、いずれも、離婚の届出が、戸主の地位を他方に与えるため、或いは、生活扶助を受けるための方便だったとしても、真に法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであるときは、協議離婚は無効とはいえない旨判示しています。判例(最判昭44・10・31)が、婚姻意思については、かなり実質的に、真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思が存在することが必要である旨判示しているのに対し、こちらの離婚意思では形式的に捉えていると指摘されてもいます。

離婚と時間的制約
 
親権者指定は、法によって離婚と合わせて決めねばならない、離婚届けの受理要件ですが、事実上同様に考えるべきものに財産分与が(§768)あります。もし、二人で築いた財産があるのなら、それを分けて貰うのが当然ですから、協議離婚・裁判離婚のどちらであっても離婚と同時に財産分与も合わせて解決しておくべきです。法の建前は、必ずしも同時でなくともよく、後から請求することもできるのですが、後からと思って後回しにしてしまうと、財産分与請求権は2年で消滅します(§768Ⅱ)から、気付いたら請求できない事態となることが多いのです(条句)。離婚に伴い、住まいはどうするのか、職場・通勤の変更とか、自分の戸籍はどうするか、「氏」は復氏か、婚氏続称か、年金分割はどうするのか、子供の幼稚園・学校はどうなるか、或いは、子の養育費・子との面会交流等も決めねばならない等と、数々のハードルが待ち構えます。2年という年月はその気ぜわしさの中であっという間に経過してしまうからです。子の養育費は、これも必ず合わせて請求しなくともよい建前ですし、これは、養育費が必要な事態があるときは、子が成人するまでは(場合によっては、大学を卒業するまで)請求できますが、離婚即必要であれば、財産分与と合わせて請求するべきです。「子供がいる夫婦の離婚」を合わせてご覧下さい。

  
  (夫婦) 破綻、 () 763なら協議によって

          
南無三(なむさん) 763離婚るか

  夫婦平等破綻瀬揉み763対等自由意思ぶつけ

           
離婚合意成立協議離婚ができる


   バイク819夢中息子には

         
協議離婚裁判離婚認知その他の場合によって

     
子供いるのに離婚なら)親権以降819どうする

         どちらが
つか、親権(真剣)俳句
819

             

    
協議離婚一環、親権()協議不調なら
                      
家裁調停いで審判




  方便離婚()法律上 () 婚姻関係 解消 意思合致 すれば

     
(離婚合意はありとされ) ()難も散763じて(離婚)有効となる



 ヤレ
802離婚するも(離婚) 合意 がなくば無効

         離婚ナシに742婚姻続

     
                 §742は婚姻の無効に、§802は縁組無効に関する規定

    がねば財産分与

     
離婚して二年なるや
768

      分
けてえぬ
 (請求権が消滅して行使できなくなる)


離婚能力
詐欺・強迫による離婚離婚の取消し
 
 離婚も、婚姻同様、人の身分行為ですから、財産行為に関する後見・保佐・補助等の、行為能力による制約を受けることがありません。したがって、離婚能力という点では、離婚時に本人に意思能力があり、離婚の意味内容や結果についての認識と理解さえあれば
(そもそも、婚姻能力があった末の、離婚問題ですから、能力面の精神状況に変化がなければ能力的問題はない筈です)、離婚は成立し得ます。ですから、たとえその人が後見人の後見を受ける被後見人であっても、離婚時に「真に法律上の婚姻関係を解消する」ことについての判断ができる意思能力があれば、後見人の同意を要せずに、離婚をすることができます(民法764条738条)。また、離婚が詐欺・強迫によるものであった場合は、詐欺・強迫による婚姻と同様に、詐欺が判り、強迫を免れた後3か月以内に請求すれば、離婚の取消しができます(764条747条)。但し、詐欺・強迫による離婚が取消請求により取り消されたときは、婚姻取消しの効果が遡及しないと定められている(民法748条)のとは対照的に、離婚は、(取消効が)遡って、なかったことになり、婚姻が続いていることになります。取消効を遡らせないと、婚姻のない空白期間ができて法律関係が処理不能になるので、解釈上当然とされています。なお、被後見人の身分行為に関する訴訟での訴訟能力について、こちらもご覧下さい。また、婚姻能力、詐欺・強迫による婚姻の取消しの項もご覧下さい。


     (成年) 被後見() (精神の)波は 738あっても 静まって

     
意思持ち協議ができるなら (後見人の同意不要)

       
難避く739 (証人二人)整えて花と散ろうよ764

      
離婚となるが

       
(離婚に)詐欺強迫があったなら三月(みつき)内に

           離婚はナシな
747取消請求できる也



 



 当事者間に離婚の合意がないまま協議離婚届けがされた離婚は、離婚無効確認の判決等を待つことなく、当然に無効である旨を判示した判例(最判昭53・3・9)があります。但し、この場合、第三者から離婚を前提とした主張をされたときは、取消しの裁判等を経ることなく離婚の無効を主張できますが、戸籍上の離婚の記載を訂正しなければなりませんから、その場合は離婚無効の手続きを執らなければなりません。こちらをご覧下さい。




協議離婚届
 
離婚届については、婚姻届の民法739条が準用される(764条)ので、婚姻時と同様に成人の証人二人の署名・押印が必要です。親権に服する子がいる場合、届書に、離婚後 夫婦のどちらが親権者になるかを記載しなければなりません(民法819条)。この親権者指定を欠く離婚届は受理されません(765条1項)が、それにも拘わらず受理されてしまったときは、そのために離婚の効力が妨げられることはありません(765条2項)婚姻は重要な各種の効力を伴うので、障碍事由の定めに反するに拘わらず受理されてしまった場合、婚姻取消しとなる訳ですが、離婚は、婚姻の解消が将来に向けて生じるだけなので、その身分行為の核心である離婚意思の合致を重んじて、離婚の効力は維持されます。離婚届けはされたが、当事者の一方にでもその意思がなかった場合は、離婚無効となります。また、離婚の効果として、結婚の際に氏を改めた方が「籍を抜いて」復氏するのが原則(民法767条1項)で、その場合通常「実家の籍」に戻ることになりますが、旧姓での「新しい戸籍」を作ることを希望する場合は、離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄に新しい本籍地を記入し、合わせて同欄の中の、「新しい戸籍を作る」にチェックを入れます。復氏をせず、婚氏続称をする場合は3か月以内に役所に届けることになります(婚氏続称届け)。子がいる夫婦の離婚の関係はこちらを、その内「子の氏の変更」の関係はこちらをご覧下さい。書式・内容が整っていれば、離婚する二人の内どちらからでも、協議離婚である旨を記載して、一人で届け出ることができます(戸籍法76条、戸籍法施行規則57条1項)。届書は、法務省のホームページ内でその書式・記載例がご覧頂けます。離婚の手続き全体についてはこちらをご覧下さい。
 離婚届けについては、届書作成当時は離婚の意思があったが、その後届出までの間に翻意した場合の離婚届けの効力如何という点に関する判例
(最判昭34・8・7)があります。「右飜意を市役所戸籍係員に表示しており、相手方によつて届出がなされた当時、離婚の意思を有しないことが明確であるときは、相手方に対する飜意の表示または届出委託の解除の事実がなくとも、協議離婚届出が無効でないとはいえない。」として、協議離婚は無効である旨判示しています。



   難作739協議ようやくえて、証人二人伴えば、

             
けができて、るよ764


(離婚届けの受理)

  戸籍係は、離婚さく739証人(二人、署名・口頭)

   チェック
きく()()765にならぬよう

  
親権以降819どちらか 確認し、その法令違反有無も、

      調
べなければ受理できぬ。調べ足りずに受理あれ

      
戸籍係の難務功765 離婚届けはなんと 有効

  
受理要件 反す届も受理あればことは容易さ813離縁 有効

§739は婚姻の届出に§819は離婚の際の親権者に、§813は離縁届けの受理に関する規定


 
     調りずに受理あれ

        
戸籍係
難務功
765 離婚届はなんと 有効

 
    調りずに受理あれば
       
         ことは
容易813離縁 有効



     ヤレ二
802人、離婚の届が存するも

       
意思ナシならば無効

            離婚はナシに
742婚姻続く(類推適用)


法テラス
 なお、離婚について夫婦間の話し合いがつかず、それでも離婚を希望する場合には、まず、家庭裁判所に、調停申立てをし、調停も、相手が応じてくれず、或いは、不成立となった場合は、同じく家庭裁判所での訴訟で裁判離婚を求めることになりますが、このような調停、裁判等の法律手続きや、その他法律問題を巡る情報等を身近にアドバイス、相談してくれる(国が設立した)法テラス(司法支援センター)の利用も検討してみて下さい。手続費用等の負担が経済的に困難な方には扶助の制度も用意されています。その他、支援相談等についてこちらもご覧下さい。
 家裁での調停
(裁判の前に必ず調停を経なければなりません)等手続きのあらましについては、こちら、調停申立ての書式や費用等に関しては、こちらをご覧下さい。
 手続きのどの段階でも、何事も主張を裏付ける
証拠が問われることになることをお忘れなく。また、家族生活のルールである家族法の基本原則(民法1条)やその解釈の基準である個人の尊厳と両性の本質的平等(2条)が、裁判はもとより、家族生活の全ての面での指針となることも忘れないで下さい。そして、夫婦間の問題については、本ホームページ冒頭の「同居・協力・扶助の義務」、また、子がいる夫婦の離婚の場合は、本ホームページの「子供がいる夫婦の離婚」をご覧頂きたいと思いますが、子供たちについては、「全て児童は、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。」(児童福祉法1条)と法に定められていることを銘記してください。


 
離婚の効果

 ここから、協議離婚の効果に関する民法766条から769条について、個々に見て行きますが、まとめて羅列してみると、子の養育費監護権者面会交流等の監護に関する事項
(民法766条)、離婚に伴う氏に関する事項(民法767条)財産分与(民法768条)祭祀承継(民法769条)となります。そのうち、離婚復氏の関係について、見てみますと、婚姻によって「夫婦同氏」 (民法750条) となって、戸籍も同じ ( 戸籍法6条) となった夫婦が、離婚する場合は、婚姻によって氏を改めた方が、婚姻前の氏、いわゆる旧姓に復し ( 民法767条1項) ( 「離婚復氏」と言います ) 、また、戸籍も、婚姻前の戸籍に戻ります (戸籍法§19Ⅰ本文) が、但し、その戸籍が既に除かれているとき、又はその者が新戸籍編製の申出をしたときは、新戸籍が編製 されます(戸籍法§19Ⅰ但書)。 いずれにしても、別氏・別戸籍となるのが原則ですが、離婚の日から3か月以内に市町村役場の戸籍係へ届け出ることによって、離婚の際に称していた氏(婚氏)を称することができます(民法767条2項、戸籍法§77の2)。これを「婚氏続称」と言います。しかし、これはあくまで呼称としての氏がその侭となると言うことであって、戸籍が婚姻時の戸籍の侭と言うことではありません。民法の氏に関するこれらの規定は裁判離婚にも準用されます(§771)。離婚に伴う「氏」の関係は、この後、「子供がいる夫婦の離婚」の中の「子の氏の変更」においても述べてみたいと思います。婚氏続称届けについてはこちらをご覧下さい。
 その他の効果については、各条句中にある下線の付いた言葉を、クリックしてご覧下さい。


   背
には
728縁切(姻族終了)

   名務(なむ))して767   (名について一仕事(造語)して、離婚に伴って復氏、希望により婚氏続称

   稚(ろう)766事項   (子の監護・面会交流・養育費

    親権
以降
819どちらか親権〔真剣〕俳句819  (親権者を定める)

     
離婚復氏 (子と異氏となって)くれ
790 子の氏 変更§791許可要

    (離婚する)せい婿むこ769(結婚して姓を変えた婿さん(造語)) 769難問768

                                 
祭祀承継財産分与


上記の内、離婚に伴う復氏(戸籍法§19Ⅰ)と(復氏せずに)婚氏続称(同法§77の2)に関する民法767条の条句です。


  離婚してもな767 Ⅰ

  氏 (かえ)るも、復氏をば、嫌う妻夫なら、

   名務
して767離婚後三月(みつき)

    届
()
でれば婚氏続称「して」は、7の西語「シエテ」、伊語「セッテ」から




離婚無効

協議離婚無効確認調停
 婚姻は、届け出ることによってその身分行為が完成して成立し、それに伴い重要な各種の効力が発生しますから、その受理には、障害事由の有無の審査が重要です。しかし、この身分関係を解消する離婚については、親権者の定め等の要件を具備し、離婚意思の合致があり、届出が受理されれば、離婚は有効に成立します。この効力は、婚姻の解消が将来に向けて生じるだけなので、詐欺・強迫による離婚は後から離婚取消しの裁判の余地が残りますが、そうでないものは、その身分行為の核心である離婚意思の合致を重んじて、その余の点に関する受理審査にミスがあっても、離婚の効力は妨げられません(765条2項813条2項)。但し、離婚意思の合致がなかった場合は、その離婚は当然に無効ですから、第三者から離婚を前提とした主張をされたときには、離婚取消し裁判を待つことなく、無効の主張で対抗できます。この点に関しては根拠法条がありませんが、婚姻無効に関する742条が類推適用されるとされ、これに沿う判例(最判昭53・3・9)もあります。判文では同条を挙げていませんが、参照条文として同条が記載されています。
 当然無効とは言え、戸籍に存在する離婚の記載を訂正
(戸籍の記載が、不適法又は真実に反するとき真正な身分関係に一致させるよう是正すること) しなければなりませんから、その戸籍訂正のためには、その離婚が意思の合致がない故に無効であると確認する裁判を経なければなりません(戸籍法116条)。しかし、裁判所では、調停前置主義という原則(家事事件手続法257条)があるので、まずは家裁で調停に付されることとなり、当事者間で合意に達すると合意に相当する審判がなされます(家事事件手続法277条)。調停が不成立で終わると、同じ家裁での人事訴訟離婚無効確認の訴え(人事訴訟法2条1号)で争うことになります。こちらもご覧下さい。
 離婚無効の効力としては、遡って離婚はなかったことになるので、婚姻は途切れることなく継続していたことになります。


    ヤレ二802人、離婚の届が存するも

       
意思ナシならば無効

            離婚はナシに
742婚姻続く(類推適用)


§802は、縁組無効に関する規定



姻族関係終了届
 
姻族関係は、結婚によって配偶者の親族との間に生じる親族関係です。ですので、その配偶者と離婚すると、それに伴って姻族関係も当然終了します(民法728条1項)
 配偶者と
死別した場合には、遺された配偶者と亡くなった方の親族との姻族関係はそのまま継続し、ですので、扶養義務の関係もそのまま続きます ( この場合の扶養義務は、いわゆる審判義務ですから、必ず義務を負うことになる訳ではなく、また、その義務の程度は、「生活扶助」で足りるとされています ) 。しかし、この姻族関係は、戸籍係に姻族関係終了の意思表示を届けることにより終了することができます(民法728条2項、戸籍法96条) し、それとは関係なく、旧姓に復する「復氏(民法751条、戸籍法95条)もすることができます。ですので、例えば、連合いの亡くなった後も、義父母の家業に貢献したり、その介護・看病等に尽くした長男の嫁が、義父母の死亡の際も、遺言によって報われるときは別として、相続上何も報われない結果となって気の毒であるとされ、世上、姻族関係終了を勧める傾きもありました。しかるところ、平成30年の相続法改正により、そのような場合を想定して、被相続人の生前に、無償で療養看護その他の労務を提供したことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした」親族に対し、その寄与に報いるべく、特別寄与料」の制度が設けられました。ですから、連合いの死後も、義父母との姻族関係を保つことの情の一助となる制度がやっと実現したと言えると思います。特別寄与料の関係は、こちらを、遺言の関係はこちらを、ご覧下さい。



   姻族関係 離婚によって終了するも

   
〔離婚せず配偶者と死別〕げて

    
(つま)(妻)亡き後もオヤ(義父母)を看る浪花728節派

   ‘
には
728縁切せこい
751

   
(姻族関係)
終了(の意思表示をするか、又は、(ふく)(うじ)、いずれも)

                      いずれも
意思次第



大昔の日本では、妻から(時には第三者からも)夫を「つま」と呼んだことがあるそうです。ちょっと
語法が違いますが、お許し下さい。〔〕内を読むときは、ここでは、韻の関係で「ふくうじ」と読みます。




     離婚
(によって)(族関係)()
あるや
728

      親
(なぞ)
735間柄 (ゆえ)

      離散後
735も直(系)(族)間は婚ならじ

          
「7」を形の類似から「り」と読む。




祭祀承継
 
仏壇・仏具等の祭祀財産は、相続対象となる一般の財産とは別扱いで、「祭祀主宰者」に引き継がれることになります。したがって、相続の場合は遺言等による祭祀主宰者の指定があればそれにより、そうでなければ慣習により、慣習が明らかでなければ裁判所が決めるとの定め(民法897条)がありますが、その他の離婚(769条)や離縁(817条)等のときも、その離れる人が祭祀主宰者であった場合、その地位をバトンタッチするための協議をして、誰が次の祭祀主宰者になるかを決めなければなりません。いずれの場合も、決められない場合は、家庭裁判所が審判で決めることになります。これら各所にひっそり?付随的に配された祭祀承継条項は、大戦後の「家」制度廃止のための民法改正の際、改革派・抵抗派のせめぎ合いの結果妥協の産物的に残された旧制度の残滓であると指摘されています。慣習による「祭祀主宰者」の存在や、「家」を継ぐための婚姻、縁組を前提として、これに国家が関与するかの制度自体も、今や時代に相応しくないものと化しているのではないでしょうか。祭祀財産の一般財産との別扱いは良いとしても、上記各機会に必ず決めねばならない理由も必要もないように思われ、祭祀主宰者に関する遺言や指定がない場合も、慣習を探ってそれによるなどというのは迂遠な感を免れません。相続と一体不可分の事柄として、祭祀財産の承継者を、(離婚・離縁に伴う復氏の際は無関係とし、相続のときだけ) 相続人間での協議に委ね、祭祀に伴う葬祭や法要等も、その負担分を相続財産から賄いつつ協議で定まる承継人が将来に亘って担うこととし、協議ができない場合は、家裁で相続と一体で決めることとしては、と思います。祭祀財産の中核である墓については、全て寺院等との墓地(或いは墓施設)使用契約等での契約条項によって、墓参、法要関係、納骨や合葬、永代供養への移行等々がなされていけば良いのではないでしょうか。要は、人の宗教心ないし信仰にかかわる事柄には、法や国家は関わるべきではなく、法が立ち入る場面を限る意味で、離婚・離縁の際は関知せず、相続の際だけ、祭祀財産について、相続に付随するが、それとは別に、必ずしも相続ルールに縛られることなく別のルールで、承継をサポートするというコンセプトで如何でしょうか。
 また、今は、死後の墓参り等に子孫を煩わしたくない、或いは夫やその親たちと同じ墓には入りたくないとして、墓を望まない人が増えているとも言われます。他方、樹木葬、散骨、さらにはIT化したロッカー式のもの、はた又、宇宙葬まで登場するようで、故人の送り方や自身の逝き方を求め、或いは、故人を偲ぶ拠り所を求める願いに応えるべく種々宣伝されたりしています。地域の紐帯や絆が崩壊しつつあって、危機に晒されていると言われる伝統的な寺院等の側でも、古来の「家」制度を前提とするような承継原則を軟化させつつあるようですから、祭祀承継は、今混沌とした過渡期・流動期にあると思います。いずれにしても、墓は、人の終末をきちんと納める大事な場所ですし、故人を偲ぶよすがを欲する人には欠かせないものとして、世界共通の、伝統的な民俗ですから、やがては、IT化した時代にも適応し、人の自然の感情にも即したものに収斂して、それが人々に普及、定着していくのではないでしょうか。それにしても、普通に両親の元で育ち、両親を看取り見送った子供たちは、両親を両親として一緒に偲びたいというのが通常の感情でしょうし、婚姻生活を遂げた夫婦は共白髪を越えた
永久(とわ)の眠りの場所も共にしたいでしょうから、代々連綿と続く「家」のための墓は不自然かつ束縛感が伴うので採り得ないとしても、一つの終生的貞操結合の存在の証として、一つの墓で両親を偲ぶことができる「夫婦(めおと)(はか)」は残されて良いのでは、と思います。これによって融合創一で始まる夫婦の長い道のりが「融合葬一」で完結すると思いますが、如何でしょうか。


  
婿
りで姓改めた(せい)婿(むこ)
769

       
離婚()()
769南無(なむ)() 769あり

     
祭祀財産
(仏壇仏具) 協議によってめねばない

             協議
できねば家裁が決める




   改姓養子
祭祀

     
いでいた場合な
817

    
 離縁
(離婚)南無矩
769準用

     協議
祭祀者廃置
817する

         協議不調
家裁




   続人勝手くな897 仏壇仏具祭祀財産

      
遺言 には慣習祭祀主宰者
(に指定された者が)それを



     
()なく慣習不明弱音くな897
  
(遺言なくとも黙示でも口頭だけでも書面でも)なんらかの指定があれば、
       それに
り、だめなら家裁
(主宰者を)める




     
仏壇仏具()
祭祀()
         
(
祭祀)主宰者要る故その承継

           
離婚時769離縁時廃置
817ってもくな897

             
(主宰者を)めねばない

    
§817は離縁による復氏の際の祭祀承継に、§897は相続に伴う祭祀承継に関する規定





財産分与 民法は768条1項に、「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。」との規定を置き、同条の2項に「前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、協議のときから二年を経過したときは、この限りでない。」としていますが、財産分与が如何なる性質のものなのか、どう分けたら良いのかという点を明示していません。同条の3項を見ても、「前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。」とあるだけで、分与の指針や基準となるものを示してくれていません。 それで、結局、判例でその辺りを探ることになります。 ( 裁判所での手続きについてこちらをご覧下さい。)
 
判例(最判昭46・7・23)は、要約すると下記①~④のように述べ、

 財産分与と離婚慰謝料とは性質が違うものの、財産分与には慰謝料請求を含めることもできること慰謝料を含めた財産分与があって、さらに離婚慰謝料の請求があった場合、財産分与中での慰謝料の額及び方法が離婚による精神的苦痛を慰謝するに足りないと認められるときは、財産分与があったことの一事を以て慰謝料請求権が消滅するものではなく、別個に慰謝料請求をすることができる旨を判示しました。
 ① 離婚慰謝料は、相手方の行為により離婚をやむなくされた精神的苦痛を理由としてその損害賠償を求めるものなので、そのような損害は、離婚の成否がいまだ確定しない間は知り得ないものであり、相手方が有責と判断されて離婚を命ずる判決が確定するなどしたときにはじめて、離婚に至らしめた相手方の行為が不法行為であることを知り、かつ、損害の発生を確実に知つたこととなるのだから、その時効も、不法行為と同じく、離婚が確定した後三年(§724)となる。
 ② 他方、
財産分与は、夫婦が婚姻中に有していた実質上共同の財産を清算分配し、かつ、離婚後における一方の当事者の生計の維持をはかることを目的とするものであつて、分与を請求するにあたりその相手方たる当事者が離婚につき有責の者であることを必要とはしないし、その時効は、離婚後二年と定められている(§768Ⅱ但書)。
 ③ このように、財産分与の請求権は、離婚をやむなくされ精神的苦痛を被つたことに対する慰藉料の請求権とは、その性質が異なるけれども、財産分与については、当事者双方における一切の事情(§768Ⅲ)を考慮すべきものであるから、分与の請求の相手方が離婚について有責であつて、精神的損害を賠償すべき義務を負うときには、右損害賠償をも含めて財産分与の額および方法を定めることもできる。
 ④ 財産分与として、上記のように損害賠償の要素をも含めて給付がなされた場合には、さらに請求者が相手方の不法行為を理由に離婚そのものによる慰謝料の支払を請求したときに、その額を定めるにあたつては、右の趣旨において財産分与がなされている事情をも斟酌しなければならない。しかし、財産分与が損害賠償の要素を含めた趣旨とは解せられないか、そうでないとしても、その額および方法において、請求者の精神的苦痛を慰藉するには足りないと認められるものであるときには、すでに財産分与を得たという一事によつて慰藉料請求権がすべて消滅するものではなく、別個に不法行為を理由として離婚による慰藷料を請求することを妨げられない
 慰謝料請求が、財産分与とは別に請求される場合は、財産分与の方で慰謝料請求の理由となる事情がどの位考慮されているかによって、慰謝料の額の多い少ないが決まることになります(上記判例)。また、財産分与と慰謝料請求を二本立てで同時に請求する場合には、財産分与の方では損害賠償面を考慮するべきではないとする判例(最判昭53・2・21)もあります。

財産分与の基準
 
 上記のような判例を踏まえ、一般に、財産分与には、名義が夫婦何れにあるとしても、実質は夫婦共同の財産であるものを清算して分与するという
清算的側面と、婚姻中の役割分担による生活力の低下を補って、離婚後独力で生活を立て直すために分与する扶養的側面(民法752条、夫婦間の扶養義務)、離婚に至らせた責任のある配偶者に離婚による精神的苦痛を賠償請求(民法709条)するための慰謝料請求的側面、という三つの側面があり、それらを根拠付ける一切の事情を踏まえて(上記判例)、分与する額や方法が決められる、とされています。
 しかし、
慰謝料は、本来、終生的結合である筈の婚姻を不法に破綻させ、伴侶を悲しませた者としての、伴侶の精神的苦痛に対する損害賠償責任ですから、それは財産分与とは別の事柄です。別の事柄である財産分与と慰謝料が一緒くたになったときの対処法は心得て置かねばなりませんが、財産分与本来のあり方は、「婚姻」のところでも述べました様に、終生の伴侶であることを約したことに伴う責任として、生涯の生活に資するべくその時点での財産の半分を分与するということです。これは、配偶者に対する法定相続分が半分 ( 子供がいる場合半分ですが、配偶者以外相続人がいない場合は、配偶者が全財産を相続します ) であり、会社員・公務員の専業主婦に対する年金分割が半分である(下記ホームページ①)ことによっても裏付けられています。ですから、夫婦別産制の下、それぞれに固有財産があるとしても、離婚時点での夫婦の共有財産はもちろん固有財産をも含めた全財産の半分を分与するのが離婚に際しての財産分与であるとするのが、婚姻の余後効たる財産分与の本質から来る分与基準であると言えます (私見)。添い遂げて、配偶者が亡くなって(子と共に)相続するに際しての法定相続分は、正に固有財産の半分を承継取得することになるのですから 。
 この財産分与には、ですから婚姻を破綻させた責任の要素は何ら含まれていません。離婚時点での全財産を端的に半分ずつ分けるだけですから、離婚時に算定できるものですし、これに判例の言う清算的要素と扶養的要素も既に含まれています。そして、慰謝料的部分は、破綻責任のある相手方が、この分与を終えた手許の現有財産の中から、その責任に応じて支払うべきもので、現有財産がそれに足りなければ将来の収入から分割によってでも支払わねばならないこととなります(もし、自分が婚姻を破綻させた責任を負うべき立場でもあるときは、半分の離婚分与を受けた上で、その中から責任に応じる慰謝料を払わねばなりませんから、結果として受ける割合は半分より少なくなることはやむを得ないことになりますし、慰謝料が払いきれなければその支払債務を将来に亘って返済しなければなりません)。子供がある場合、相手方は、それに加えて養育費の定期金債務をも負うこととなります。財産分与は、元配偶者が自身の権利として請求するものですから、その者の処分自由で、相手に対し放棄や減免をすることがあり得ます。慰謝料も宥恕によって減免が可能です。しかし、養育費は、子の扶養請求権を親権者法定代理人として代わりに請求する立場ですから、子に代わって子の権利を放棄することはできませんし、本来、扶養請求権ですから、民法881条によって放棄つまり処分することが禁止されている権利でもあります。なお、上記「全財産の半分」に関連して、こちらもご覧下さい。


離婚慰謝料 は、上記のとおり婚姻を不法に破綻させ、伴侶を悲しませた者としての、伴侶の精神的苦痛に対する損害賠償責任(民法709条)です。具体的離婚原因の内、不貞は配偶者に対する不法行為であり、私流に言えば、婚姻の本質である終生的貞操結合を侵した以上、十分に賠償されなければならない事由です。悪意の遺棄も同じ意味で婚姻の本質に反した行状で十分に不法行為たり得るものですから、不貞行為同様に償って貰わねばなりませんが、生死不明や精神病は、それ自体では不法行為ではないので、例えば、生死不明が悪意の遺棄同様或いはそれに準ずるような原因に基づく場合以外は、慰謝料の対象とはならないと思います。抽象的離婚原因についても、暴力や虐待はそれ自体で不法行為ですから、賠償すべきは当然ですが、その他のものについても、終生的貞操結合の趣旨に反する程度に応じて慰謝料の対象となると言えます。但し、故意過失によらないものは不法行為たり得ないので除かれなければなりません。離婚慰謝料は、財産分与の一部として分与と合わせて、一本で請求することもでき、又、財産分与とは別立てで請求することもできることは、上記判例が述べているとおりですが、慰謝料の性質は、精神的苦痛を慰謝するものですから、財産分与が、本来、離婚時点における夫婦二人の固有財産も含めた全財産の半分を分ける(私見)ものであるのとは違い、苦痛の大きさに応じて額が決められる筋合いですから、まずは、その時点の全財産の半分を財産分与として渡した後の残りの内から、その苦痛に応じ慰謝料を支払うべきであり、分与の残余がこれに足りなければ、支払義務者のその後の収入からでも支払わねばならないこととなります。

 なお、離婚によって夫婦がそれぞれ加入している年金の受給額に偏りが出る場合等には、離婚に伴ってこれを公平に分割するため、前述の「年金分割」制度があります。その請求には、合意書の提出とか、或いは、財産分与同様、2年という時間的制約もある等、クリアすべき条件等があるので、日本年金機構のホームページ①等を調べて臨んで下さい。日本公証人連合会のホームページ②もご参照下さい。


    離婚する二人見舞難問768財産分与協議

     攻む夫
768ぎをめた いだ取得なる768

     守る
家事育児家計切盛り専門は768縁の下功・内助の功

       世論は
768味方半分当然私れる

           「夫」は、伊語の8「オット」から

  夫婦間
協議分与められぬ
      ならば
離婚後二年家裁請求調停審判。


   急がねば
財産分与離婚して二年なるや768
           分けて貰えぬ
(請求権行使ができなくなる)


   醜くも
(財産)分与で競るは768めなはれ
    
(双方の)各貢献収入年齢 性格健康等
   子
有無生活一切考慮分与する方法めるべし
 


 なお、家庭裁判所での離婚の訴えに伴い財産分与を申し立てる際には、具体的な金額や分与の方法を特定する必要はない旨の判例(最判昭47・7・15)があります。

財産分与と税金
 離婚に伴って財産分与を受けた場合、それが前記の清算的な分与や扶養的な分与等として通常の範囲内のものであれば、贈与とはみなされず、したがって、贈与税がかかることはありません。但し、この範囲を超えて明らかに過多であると判断されたときは、その過多な部分について贈与を受けた人に贈与税がかかり、また、脱税を図った分与だと判断されると、その分与全てについて贈与税がかかります。そして、注意を要するのは、分与をした方の離婚当事者には、分与財産が土地や建物の不動産である場合、分与によりその時点でのその不動産価額相当額の金銭支払義務を免れるという利益があったとみなされて、譲渡所得税を課せられます。この点については、少し解せない感が伴いますが、課税対象となることを認めた下記判例があります。そして、その不動産を財産分与として受けた方も、これをその後に売却したときに、売却価額が取得価額と仲介手数料等の譲渡費用、それに控除額
(居住用の場合は3000万円)を加えた額を超える分について、譲渡時点までの期間により、長期譲渡・短期譲渡の別による税率で、譲渡所得税を課せられます。このときの取得価額も財産分与時点での時価となりますので、分与を受けたときの評価額を証拠として残しておかないと、不利な算定となってしまうことがあります。ご注意下さい。詳しくは、こちらをご覧下さい。
財産分与としてされた不動産の譲渡は、譲渡所得課税の対象となる旨判示した判例(最判昭50・5・27)
 この判決は、その理由として、「所得税法三三条一項にいう「資産の譲渡」とは、有償無償を問 わず資産を移転させるいつさいの行為をいうものと解すべきである。そして、同法五九条一項(昭和四八年法律第八号による改正前のもの)が譲渡所得の総収入金額の計算に関する特例規定であつて、所得のないところに課税譲渡所得の存在を擬制したものでないことは、その規定の位置及び文言に照らし、明らかである。 ところで、夫婦が離婚したときは、その一方は、他方に対し、財産分与を請求することができる(民法七六八条七七一条)。この財産分与の権利義務の内容は、 当事者の協議、家庭裁判所の調停若しくは審判又は地方裁判所の判決をまつて具体的に確定されるが、右権利義務そのものは、離婚の成立によつて発生し、実体的権利義務として存在するに至り、右当事者の協議等は、単にその内容を具体的に確定するものであるにすぎない。そして、財産分与に関し右当事者の協議等が行われて その内容が具体的に確定され、これに従い金銭の支払い、不動産の譲渡等の分与が完了すれば、右財産分与の義務は消滅するが、この分与義務の消滅は、それ自体一つの経済的利益ということができる。したがつて、財産分与として不動産等の資産を譲渡した場合、分与者は、これによつて、分与義務の消滅という経済的利益を享受したものというべきである。 してみると、本件不動産の譲渡のうち財産分与に係るものが上告人に譲渡所得を生ずるものとして課税の対象となるとした原審の判断は、その結論において正当として是認することができる。」と述べています。
 
判例を読んでも、理屈はそうなのでしょうが、納得が行かぬ、という気がします。私の婚姻観からすれば、財産分与の趣旨は、終生的貞操結合によって同種・同量・同等融合創一を旨に、しかし、対世間的には、法定の夫婦別産制の下に経過した夫婦が、離婚に至った際には、それまで潜在していた平等の権利を顕在化させて平等に分与しましょう、ということですから、ここでは単に権利を顕在化させただけで、課税されるべき新たな利得はないと言うべきであるのに、それに課税するというのは理不尽ではないか、という思いを押さえがたいところですが、如何でしょうか。夫婦別産制が違憲であるとの主張に対し、「夫婦は一心同体であり一の協力体であつて、配偶者の一方の財産取得に対しては他方が常に協力寄与するものであるとしても、民法には、別に財産分与請求権、相続権ないし扶養請求権等の権利が規定されており、右夫婦相互の協力、寄与に対しては、これらの権利を行使することにより、結局において夫婦間に実質上の不平等が生じないよう立法上の配慮がなされているから、民法七六二条一項の規定は、前記のような憲法二四条の法意に照らし、憲法の右条項に違反するものということができない。」と判例(最判昭36・9・6)自身が述べているのですから。なお、夫婦の実質的平等について、こちらもご覧下さい。


法定財産制. or 夫婦財産契約
 
上記財産分与での清算の対象は、夫婦の協力で得られた「夫婦共同の財産」ですが、その清算の前提としては、「夫婦別産制」という夫婦間の財産関係に関する枠組みルールがあり、これは、婚姻前に夫婦で決めた夫婦財産契約を登記した場合(民法755条、756条)を除き、夫婦の財産は、各人の特有財産と共有財産とから成るとすることを枠組みとしています(民法762条)。夫婦財産契約は、婚姻届を出した後は変更することができず、夫婦一方の財産を他方が管理する旨定めた場合に、その管理が失当で財産を危うくしたときは、管理を他方に移すことを、或いは共有財産を分割することを、裁判所に請求することができます(民法758条)。この管理者の変更と共有財産の分割は、登記をしないと第三者には対抗できません(民法759条)。夫婦財産契約の内容は特に規定されておらず、「夫婦財産契約の自由」が保障されるものの、その内容項目や類型等も示されていませんし、殊に婚姻前に締結しなければならないという制約も障害となって、この契約を結んでいる夫婦は極めて少ないのが現状です。そして、夫婦財産契約を締結していない場合は、上記の別産制を内容とする法定財産制によることになりますから、通常の夫婦は、夫と妻がそれぞれ自分固有の財産を持ち、自分で管理をするけれども、夫婦が離婚に至ったときは、その固有のものも含めた夫婦の財産を清算し、また、相手の将来の扶養のためにも備えてやれというのが財産分与です。
 ところで、私は、夫婦の実質的平等を考えたとき、従来、夫が稼ぎ、妻が家計を切り盛りする、という家庭生活の成り立ちの中で、家事育児の比重を軽視した稼ぎ手の支配が、世の家庭に根を張ってしまい、それがDVや虐待に、さらには、強者支配を当然視した、社会での女性差別や、ひいて、いじめ、パワハラ等の弱者被害にも繋がっているような気がしています。今は、夫婦共稼ぎの世帯が殆どの世となりましたが、それでも、妻の稼ぎは僅かで、妻が家庭生活のしわ寄せを受け、苦心惨憺している例が多いような気がします。稼ぎ手の稼ぎは、家族と家庭があってのもので、本来家計に回るべきものという根本を、例えば、夫婦財産契約で、「稼ぎ手は、その稼ぎの八割を、感謝と共に家計に納めなければならない」と定めて、これを当然の理として確立し、まずは家庭における支配を崩壊させることが急務なのでは、と思いますが、如何でしょうか。夫婦で契約書を交わし、それを登記する、というのは一般の人には大変なことだと思いますが、そこから新たな家庭生活の地平が開けてくるかも知れません。夫婦の平等についてこちらもご覧下さい。




  二人して締結をした(夫婦財産)

  財産制
登記してごっこ
755でやってみるもいかも


  但し、
夫婦財産契約は、一度(ひとたび)婚姻 届けたら、

   終り
(尾張)名古屋758だ、変更できぬ



   夫婦財産契約婚姻届する

           登記をすれば(社会的)められず、

                   セコム? 756ができる、(夫婦が) 和む756(もと)


    

   夫婦二人財産制婚姻届その

     財産契約をばび その 登記 難行 755

         別産()とらず 全稼 家計せば るかも




  夫婦
財産一方他方管理して

     
名古屋
758(ざい)危殆(きたい)家裁頼れ

     
管理替 危殆、(夫婦)共有財なら管理替

    
以外(共有物)分割 §256(も)請求できる


      
但し、登記をせねば
(第三者には)対抗できぬ759


   共有()256いつでも可。

     分割
(共有の)双子(のように必ず伴うもの)257れども(境)界標分割できず

     
(また、)約定双子256マックス五年間禁ずることができる也。

夫婦別産制 
 民法762条1項は、「
夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産 ( 夫婦の一方が単独で有する財産をいう。 ) とする。」と定め、夫婦の各人が結婚前から持っていた財産は、結婚後もそれぞれの固有財産であり、また、結婚後に各自が自分の名義で稼いだり、取得した財産は、その者の財産であるとします。そして、同条2項は、「夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。」として、どちらの財産か不明の場合は共有とするが、推定であるので、自分の所有であると言いたい場合は、証拠によって所有権が自分にあることを立証しなければならない旨を定めています。このように、夫婦の財産は、各人の特有財産と共有財産とから成るとする定めを夫婦別産制と言います。この「別産」は、考えてみれば、民法が私有財産制の下に個人の財産権と財産処分の自由を認める枠組みそのものではないでしょうか。民法は、たとえその個人が婚姻した場合にあっても、夫婦財産契約により別異の定めを置かない以上は、通常通り個人財産制を基本とし、夫婦の共有財産も増えていくだろうが、それも必要があれば婚姻中は共有物分割等で対処せよとの旨を規定したと言えます。したがって、これにより、夫婦はその婚姻中保有する財産が夫婦間で必ずしも等しくはなく、場合によっては一方に偏って、他方は無資産ということもあり得ることになりますが、このような夫婦別産制は、夫婦が平等の権利を有することを定める憲法24条に違反するのではないかとする訴訟があり、後述の最高裁の判決(最判昭36・9・6)が出ています。その判決には、実質的に平等とするために与えられているとして相続権が挙げられており、それには、通常二分の一である配偶者相続分が想定されていると思われます。そして、平成30年の相続法の改正により、夫婦で長年住まった住居がある場合、原則的にいわゆる「相続分」とは別枠の「遺贈」として、終身・無償の配偶者居住権の制度が設けられました。これも、婚姻の余後効と説明されていますから、別産制における実質的な平等を担保する制度の一環となると言えます(有難いことではあっても、配偶者の死後に「平等の余韻」のお陰を被っても、「婚姻中の実質的平等」に資するとは言い難い様に思います)

夫婦の実質的平等について(私見)
 
私は、「婚姻」には「融合創一」における同種・同量・同等の関係が必然であって、夫婦はその実際生活においても実質的平等が図られなければならないと考えます。ですので、後記昭和36年の判例が、婚姻の節目である離婚や相続、或いは別居等に際し実質的平等を図るため、財産分与、相続権、扶養請求権等が与えられていると判示している点も、その限りで同意できますが、但し、果たして、その程度で良いのだろうかとの疑念があります。夫婦であっても、家事・育児の分担者として家庭にあり、収入に直結していない者の置かれる立場は弱く、そこに憲法の掲げる夫婦平等を大いに損なっている根源があるのではないでしょうか。婚姻の終了時や特異時のみに手立てを施しても、婚姻継続に並行しての実質の平等に欠けていては、それで全体的観察における平等があると言えるでしょうか。配偶者・子に対するDVが横行し、果ては、痛ましい児童虐待死が頻発するに至っては、問題の核であると思われる稼ぎ手の支配を、法を以て否定し、婚姻者の収入はすべからく、融合創一の家庭有っての収入なのであり、収入は家計に入れて当然であることを国・国民の国是・通念として遍く深く知らしめなければなりません。夫婦別産制の下、人生90年にもなろうとする現今、婚姻生活何十年もの間このまま実質的不平等が続くということであってはならないと思います。憲法24条2項は、「・・財産権、相続・・離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」として、同条1項が「夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならい。」とする婚姻制度を、立法により具体化するについて、その指針を示すだけですが、昭和36年の上記判例以降半世紀以上を経過しているのに、制度として具体化されたのは、昭和56年配偶者相続分の改正、平成20年発足の離婚に際しての年金分割と、そしてこの度(平成30年)配偶者居住権等だけです。果たして、これで実質の平等を実現するための立法努力が払われていると言えるでしょうか?私は、これまでの具体的な立法が、それ自体で違憲だとは思いませんが、このまま実質的不平等が放置されたならば、それは立法府の不作為による違憲状態だと言えると思います。やはり、婚姻年月の長短に関わらず、婚姻期間中における実質的平等を具体化するため、同種・同量・同等を指針として、何らかの手立てによって真の融合創一の実現が達成されなければなりません。具体化の方策は、賢明な立法府に期待するところですが、例えば、夫婦の内、家庭の外で収入を得る者のその稼ぎを家事・育児担当者に一定割合で供出すべし、とするルールが不可欠のように思います。理想としては、7割ないし8割をそうすべし、と定め、これに違反した場合の罰則も設けて、権力が介入してでも実質的平等を是非実現しなければならないと愚考しますが如何でしょうか。同じ夫婦平等の観点から、夫婦財産契約離婚原因についての愚見もご覧下さい。なお、配偶者暴力についてはこちらを、児童虐待についてはこちらをご覧下さい。


 夫婦平等
その()各分離して別産制

  各人婚前由来
婚中自名義取得

        (何れも)特有財帰属(めい)さにあらぬ

  
帰属不明(の他の物) ()(義)二人762共有すると推定


  
二人共働 取得して 単独名義にせし財は

       
()()も二人762共有すると判ずべし




法定財産制
 前記の通りの別産制
(民法762条)を踏まえて生活をする夫婦ですが、世間に対しては、夫婦の一方が日常生活に関連してた負った債務(日常家事債務)は、他方も連帯してこれを負わねばならず(民法761条)、婚姻生活に要する費用(婚姻費用)は互いの資力能力に応じて分担しなければなりません(民法760条)。これら夫婦の別産・連帯・分担を合わせて、夫婦の法定財産制と言います。登記を経た前記の夫婦財産契約がない状態で結婚した通常の夫婦については、この法定財産制が適用されることになります(民法755条)
 婚姻中であるけれども、事情により別居する状況となり、資力のある配偶者からの生活費の送金がない場合は、婚姻費用の分担請求によりその支払いを求めることになりますから、家裁での事件の扱いに従って手続きが進むことになります。結着が付いて調停調書等のいわゆる債務名義が得られると、不履行があった場合でも強制執行が可能となる訳ですが、このような切実な生活費等については、執行段階でも特例扱いを受けることができます。こちらをご覧下さい。


  
夫婦 門出 財産制

       契約登記ないとこ()755 (法定の)

                     
夫婦別産 はあるかも

「            「ないとこ」は、755を「七、五十五」と分けて、読む



  夫婦一方家庭日常家事 (務の)取引なせば

     
( 世間他方施無畏(せむい) 761 連帯責任


        但し
() わぬ() 予告があれば此限(こぎり)でない

      「日常
家事」うならば
未成熟子めたる

           
夫婦共同生活
必要となる一切()


判例(最判昭36・9・6)は、夫婦別産制をとる民法七六二条一項は憲法二四条に違反し、又、夫の税法上の給与所得等は、内助の功ある妻にその二分の一が帰属する筈のものであるのに、これを無視して夫の特有財産と捉え、これに課税する方式を採る所得税法は憲法二四条に違反するとの主張に対して、おおよそ次のように判示しました。

 「憲法二四条は、個人の尊厳と両性の本質的平等の原則を婚姻および家族の関係に及ぼし、継続的な夫婦関係を全体として観察して、夫と妻とが実質上同等の権利を享有すべきことを定めたものであり、個々具体的法律関係において、常に必らず同一の権利を有すべきとしているものではない。他方、夫婦の一方が婚姻中に自己の名で得た財産はその特有財産とすると定める民法七六二条一項は、夫と妻の双方に平等に適用されるものであるばかりでなく、所論のいうように夫婦は一心同体であり一の協力体であつて配偶者の一方の財産取得に対しては他方が常に協力寄与するものであるとしても、民法には、別に財産分与請求権、相続権ないし扶養請求権等の権利が規定されており、右夫婦相互の協力、寄与に対しては、これらの権利を行使することにより、結局において夫婦間に実質上の不平等が生じないよう立法上の配慮がなされているから、民法七六二条一項の規定は、前記のような憲法二四条の法意に照らし、憲法の右条項に違反するものということができない。それ故、本件に適用された所得税法が、生計を一にする夫婦の所得の計算について、民法七六二条一項によるいわゆる別産主義に依拠しているものであるとしても、同条項が憲法二四条に違反するものといえないことは、前記のとおりであるから、所得税法もまた違憲ということはできない。」

判例(最判昭44・12・18)は、民法761条による日常家事債務に関する連帯責任について、連帯の前提には、同条により、夫と妻の相互間に、日常の家事に関する法律行為につき他方を代理する権限がある旨も規定されているとし、また、妻所有の不動産を他に売却したという当該事案での夫の行為が、日常家事債務の範囲を超えているか否かという点につき、夫婦の一方が民法七六一条所定の日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権を基礎として一般的に同法一一〇条所定の表見代理の成立を肯定すべきではなく、その越権行為の相手方である第三者においてその行為がその夫婦の日常の家事に関する法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、同条の趣旨を類推して第三者の保護をはかるべきであるとして、本件売買契約は当時夫婦であつた二人の日常の家事に関する法律行為であつたといえないことはもちろん、その契約の相手方においてもその契約がこの夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由があつたといえないとして、当該不動産の売却行為を無効としました。
 
この判決は、日常の家事に関する法律行為であるか否かの判断について、「民法七六一条にいう日常の家事に関する法律行為とは、個々の夫婦がそ れぞれの共同生活を営むうえにおいて通常必要な法律行為を指すものであるから、その具体的な範囲は、個々の夫婦の社会的地位、職業、資産、収入等によつて異な り、また、その夫婦の共同生活の存する地域社会の慣習によつても異なるというべ きであるが、他方、問題になる具体的な法律行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属するか否かを決するにあたつては、同条が夫婦の一方と取引関係に立つ第三者の保護を目的とする規定であることに鑑み、単にその法律行為をした夫婦の共同生活の内部的な事情やその行為の個別的な目的のみを重視して判断すべきではなく、さらに客観的に、その法律行為の種類、性質等をも充分に考慮して判断すべきである。」と述べ、その上で、上記判旨について、「しかしながら、その反面、夫婦の一方が右のような日常の家事に関する代理権の範囲を越えて第三者と法律行為をした場合においては、その代理権の存在を基礎として広く一般的に民法一一〇条所定の表見代理の成立を肯定することは、夫婦の財産的独立をそこなうおそれがあつて、相当でないから、夫婦の一方が他の一方に対しその他の何らかの代理権を授与していない以上、当該越権行為の相手方である第三者においてその行為が当該夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずるにつき正当の理由のあるときにかぎり、民法一一〇条の趣旨を類推適用して、その第三者の保護をはかれば足りるものと解するのが相当である。」とその理由を述べています。

 
   結婚 万事南無760

    かかる
費用双方資産収入

     
(その他)一切情考慮分担すべし


   
分担程度
未熟なる夫婦なら

    万難苦
879あっても生活保持をする義務免れず

     破綻
への
()あるは、最低生活程度

     
 (生活)扶助程度(なん)もなし
760かも

         有責
程度
(る分)ぜらる


内縁 関係であっても民法760が準用され、婚姻費用を請求できるとする判例(最判昭33・4・11)があります。
 この判決は、おおよそ次のように判示しました。「内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げないから、そうである以上、民法七六〇条の規定は、内縁に準用されるものと解すべきであり、従って、前記被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生ずる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない。そこで、内縁が正当な理由なく破棄された事案である本件当事者間における一切の事情を考慮し、本件内縁関係が破棄せられるまでの別居の間に、被上告人が支出した医療費のうち金二〇〇、〇〇〇円を上告人において分担すべきものである」。また、内縁で死別という場合の問題についてはこちらもご覧下さい。

 なお、裁判所等から出ている下記の婚姻(養育)費用算定表がありますので、参考にして下さい。また、最近、弁護士会からこの算定表を修正した新算定表が発表されました。
 上記判例の場合のように事情によって夫婦が別居する場合の生活費・養育費等の支給も婚姻費用分担の問題となります。

契約取消権 夫婦間で夫婦財産契約(民法756)を交わしたときは、登記によって対外的に夫婦間のその契約を主張していくことができますが、この方式を採らない通常の場合
(「法定財産制」を採ったことになります)は、夫婦間の契約は取り消すことができることになっています。夫婦間の契約取消権(民法754条)と言います。この規定の法意については、夫婦間で契約をするとしても、愛情に溺れての結果であったり、相手に対する威圧によったものであったりすることが多いから、その履行に法が手を貸すことを避け、むしろ、夫婦間の事は法律問題とせず、愛情と倫理に任せるのが良い、という考えからであると言われています。しかし、考えてみると、愛に溺れると言っても、行為能力のある者が契約時に本気で意思表示したのであれば、履行すべきが当然と思われ、後は、意思能力とか心裡留保とかの一般論で扱えば良いとも思われます。契約が威圧によるものであれば、実際に取消権を行使するのは威圧した当事者だけになりかねません。こちらも一般論で、強迫を理由に取り消すことができる契約と見ればよいだけの話だと思います。外国でも廃止されたり、契約の範囲を限定するなどの流れにある誠に評判の悪い制度なのですが、但し、判例(最判昭42・2・2)は、夫婦間でなされた贈与契約について、同754条により贈与を取り消す旨主張のあった事案につき、「民法七五四条にいう「婚姻中」とは、単に形式的に婚姻が継続していることではなく、形式的にも、実質的にもそれが継続していることをいうものと解すべきであるから、婚姻が実質的に破綻している場合にはそれが形式的に継続しているとしても、同条の規定により、夫婦間の契約を取り消すことは許されないものと解す」べきであるとして、夫婦関係が破綻した状況下で交わされた夫婦間の契約は取り消すことができないとし、当該取消しを無効と判示しています。ですから、この理を進めて、夫婦関係が破綻に瀕したり、破綻しかねない状況になった瀬戸際での契約で、破綻させないためにしたものであれば、その契約も取り消せない、という様に、この判例の応用範囲を拡張し、この規定の適用範囲を縮小させる方向で検討されるべきだと思われます。



    くさい(夫婦)財産契約 (§756) をばらず

 夫婦(めおと)難航754たときも(契約でなく)難越754二人なら

   
()約は他人(ひと)さぬで行こうぞ


  夫婦二人
(ちぎ)った

     
(威圧 溺愛等)ボタン

   
(情誼によるべき)裁判沙汰にはできぬが世故(せこ)754

         
取消できる他人(ひと)せぬ 


   
夫婦関係難行(なんこう)754

      
破綻しそうでしたならばその契約せぬ


子供がいる夫婦の離婚の場合、子の親権者指定に関する民法819条と子の監護者面会交流養育費その他監護に必要な事項について定めるべしとする766条が重要です。婚姻が破綻した結果の離婚に際しては、これらの規定に従い、夫婦の間でこれらの事柄を決めた上で離婚に臨むことになりますし、特に親権者の指定は、765条によって離婚届けの受理要件とされていますので、指定がないと離婚届けを受理して貰えません。親権者をどちらとするかについては、夫婦間では決められず裁判所での手続き(民法819条5項(離婚裁判では裁判所が判決で親権者の指定をします(§819Ⅱ))となった場合でも、子が15歳以上であれば必ず子の意見も聴かなければならない(家事事件手続法169条2項)とされていますから、裁判所を介さない協議離婚の場合、小中学生でも自我の芽生える段階に達した子については必ずその意見を聞いてあげて、子の立場を尊重しなければなりません(児童福祉法2条)
 なお、婚姻中に懐胎・妊娠し、
離婚後に生まれた子の親権者等の関係については、こちらをご覧下さい。

(家事事件手続法65条には「家庭裁判所は、親子、親権又は未成年後見に関する家事審判その他未成年者である子(未成年被後見人を含む。以下この条において同じ。)がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない。」とあります。)

 もし、戸籍係のミスで離婚届に親権者についての記載がないのに、或いは、決まっていないのに決まったかのように記載してあったために、受理されてしまうと、法の定めで
離婚は、そのために効力を妨げられない。(§765)とされています(条句)ので、離婚は有効に成立したことになります。離婚に際してはメインの離婚意思の合致をこそ尊重すべき、との考えなのでしょうが、子のためにはそれで良いのか、とも思います。でも、受理により一旦離婚が有効とされたからには、指定のない侭の協議離婚となっていた場合は親権者指定の、届出された親権者を正さねばならないのであれば、親権者変更の調停申立てをすることになります。裁判離婚では、判決の主文で離婚する旨と合わせて親権者はどちらとするかの指定がされます(§819Ⅱ)

 ちなみに、離婚の時に
親権者となった親がその後亡くなった場合は、その親が生前に遺言で後見人の指定(民法839条1項)をしていたときは、それにより、遺言による指定がなかったときは、請求により裁判所が後見人を選任します(民法840条1項)。少し解せない感がありますが、離婚した生存親が当然に親権者となる訳ではないのです。やはり、離婚の「離」の字の重みということでしょうか。親権者(本来の共同親権が行われなくなってからの親権者を「最後の親権行使者」と言います)が亡くなるまで身近で面倒を見ていた祖父母が後見人となる例が多いようです。それでも、親権者間の親権の交替については「親権者の変更(民法819条6項)手続きがありますから、勿論、生存親もこの変更申請によって(最後の親権行使者が生存するときも)自らが親権を持つことを申立てできますが、例えば、生存親と祖父(又は、祖母)の双方からこれらの請求と申立てが出たときは、家裁が一切の事情を考慮して判断することになります。また、最後の親権行使者が遺言で指定した未成年後見人がいる場合も、その後見人は、亡くなった親権者の意向に依拠している訳ですから、最後の親権行使者と生存親との共存と同様の状況なので、同じく親権者変更手続きによって生存親が親権者となることがあり得ます。親権や後見による子供の保護関係については、こちらもご覧下さい。

 ここで、「子がいる夫婦の・・」ということなので、
子の視点からも触れさせて頂きたいと思います。子にとっては、両親の葛藤・対立は、社会の縮図として写り、社会への不安や恐れを根付かせてしまうと言われます。子が親に対して抱く信頼とそれによる安心こそが、社会に対する信頼と子自身の自己肯定に繋がるとも言われることを親御さんには理解して頂きたいと思います。離婚という結論を出す前に、夫婦間の対立は、子のために、穏やかな話し合いの中で、乗り越えて行く努力をもう一度して頂きたいのです。また、子が両親の対立に悩み、葛藤を抱えて問題行動等を発現する状況となったり、家計が苦しく子との生活にも窮する状況等のときも、合わせて、とにかく迷わず周囲に、例えば各自治体の福祉課や女性のための相談室等、児童相談所や地域の民生委員、或いは、児童福祉のための各種非営利団体、家庭裁判所調査官OBの組織「公益社団法人家庭問題情報センター」等に遠慮なく相談してみて下さい。育児や子の養育等にまつわる悩みは、離婚に関係がなくとも、子が愛され健やかに育つことは、自治体や国の責任(児童福祉法2条3項)とされているところですから、経済的支援(埼玉県の例)や里親による社会的養護等の形での支援等、なんらかのアドバイスや支援を受けられると思いますので、心を閉ざすことなく気軽に堂々と足を運んでみて下さい。瀬戸内寂聴さんと村木厚子さんの協力で立ち上がった「若草プロジェクト」も、若い女性からの相談を受け付けています。DV相談は、各都府県等にも相談窓口がありますから、そちらに電話等をしてみて下さい(例:東京神奈川県埼玉県千葉県)。なお、配偶者からの暴力に悩んでいることを、どこに相談すればよいかわからないという方のために、全国共通の電話番号(0570-0-55210)から相談機関を案内するDV相談ナビサービスが実施されています。

 ちなみに、ここで上記のことの前提となる児童の権利について見ておかなければならないと思います。児童福祉法の冒頭に「総則」として、児童福祉の理念が掲げられていますので、引用をお許し下さい。「第一条 全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。第二条 全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない。2 児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を負う。3 国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。 第三条 前二条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は、すべて児童に関する法令の施行にあたつて、常に尊重されなければならない。」


監護権者
 
なお、子を手元に置いて監護する親を監護者と言いますが、時として親権者と監護者が子の父親と母親とに分離する場合もあり得ます。例えば、転勤等で夫婦が別居のやむなきに至った場合は、その間の監護権は事実上一方が握ることになります。終生的貞操結合の意志と実質が維持されていれば、ある程度の変異形はやむを得ないでしょうから、本来親権を共同行使すべきところを、事実上親権者と監護権者とに分属(或いは、監護は専ら夫婦の一方が分担する)ということも起こり得る訳です。親権者の権限は、大きく分けて、(財産の)管理・(法律行為の)代理(民法824条)身上監護(民法820条~823条)ですが、このような変異形では、身上監護についての権限が夫婦の一方に事実上分属することになります。しかし、維持されるべき前提が失われた離婚の場面で、それに伴い親権者の指定があれば、通常その指定された親が親権の行使として監護も行いますが、ときに、当該夫婦の具体的事情に合わせて親権者を決める中で、監護に相応しい方はどちらか、ということから監護権の分属が起こり得る訳です。その場合の監護権者の指定に際しても、子が15際以上であれば、必ず子の陳述を聴かなければならないとされています(人事訴訟法32条4項)


養育費
 養育費は、
子の親に対する扶養請求権を、離婚後に子を監護することとなる親が、親権者法定代理人として子に代わって請求する扶養料で、実質はその親の、子のための監護費用(民法766条1項)です。ですが、婚姻中であれば、これは婚姻費用となりますが、監護する親自身が、既に離婚している身であれば、婚姻費用を請求できる立場にはありません。ですから、親が自身の権利を行使するものではありません。子からする扶養請求で、子の立場からすれば、親である夫婦の離婚とは関わりのないもので、したがって、子に対する親の生活保持義務を念頭に算定されることになります。これを、親の離婚後、子が独立して生計を営むことができる迄、将来に向かって、時の経過と共に発生する都度、監護親として代理請求します。これは、従って、離婚時点に存する夫婦の全財産を対象として分与する財産分与と異なり、離婚分与後に相手方の手許に残る財産及び相手方が離婚後に得る収入の内から支払われる、将来時点の財産からの支払いが本来となります。しかし、離婚時点ではやむを得ませんから将来を予想して、予め ( 例えば、子が「満二十歳に達する○年○月まで毎月、月額○万○千円也を次の銀行口座に振込んで支払う」というように ) 定期金債権として養育費支払約定を交わすこととなります。従って、離婚当事者双方の将来の収入や資産状況が変わり、それに連れて扶養料の負担能力が変われば、場合により負担者や負担割合が変わることもあり得ます。しかし、親自身の請求権ではないので、これを子に代わって予め離婚時点で、或いは、その後においても、放棄することは許されず、財産分与が自身の請求権であるが故に放棄や減免が可能であるのとは異なることは銘記されなければなりません。養育費の額の算定については、裁判所から2003年に、親の収入 ( 給与所得者と自営業者に分け、前者は源泉徴収票の「支払金額」(×0.34~0.42)を、後者は「課税される所得金額」(×0.47~0.52)を基本的な算定基礎とします )、子の生活費指数 (親を100とし、 14歳までを55、15~19歳を90とします) 等から負担額を ( 夫婦の収入割合で按分します) 推定するこちら養育費算定表が出ていますが、2016年に、これを、より実際に適応したものに、という趣旨から、日本弁護士連合会が改訂の提言をしました。こちらで、その提言された新算定表とその補足説明資料をご覧下さい。なお、上記カッコ内の支払約定例は、「二十歳」となっていますが、必ずしも成人までということではなく、独立して生計を立てられる年齢までということですから、最近では大学を卒業する二十二歳までとする例も多くありますし、「成人まで」とすると、法改正で成人年齢が令和4年(2022年)4月から18歳になりますから、思わぬ不利益・難儀を被りかねないので、「成人する月まで(或いは、「成年に達する日の属する月まで」)」としないよう、望む年齢を明記して「20歳 (或いは、「22歳」)になる日の属する月まで」とするよう注意しましょう。

 なお、
夫婦が別居する間子の監護に当たった当事者は、その後離婚の訴えに至った際には、その訴えに併せ、別居中の監護費用の支払を請求することができるとする判例(最判平9・4・10)があります。
 この判決は、「(原審は、別居)から離婚の効力が生ずるまでの間における長男の監護費用分担の申立て(以下「本件申立て」という。)については,離婚の訴えに附帯してそのような申立てをすることができないから不適法であるとし,第1審判決を変更して本件申立てを却下した。しかしながら,本件申立てに係る原審の上記判断は是認することができな い。その理由は,次のとおりである。 離婚の訴えにおいて,別居後単独で子の監護に当たっている当事者から他方の当事者に対し,別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合には,民法771条766条1項が類推適用されるものと解するのが相当である。そうすると,当該申立ては,人事訴訟法32条1項所定の子の監護に関する処分を求める申立てとして適法なものであるということができるから,裁判所は,離婚請求を認容する際には,当該申立ての当否について審理判断しなければならないものというべきである。」と述べています。

 
強制執行における養育費・婚姻費用・扶養料等の特別な扱い
 養育費を含む下記四種の定期金債権の一部が不履行となった場合には、①期限が到来していない債権についても強制執行できます
(民事執行法151条の2)し、また、②通常の金銭債権ですと給料の3/4までが差押禁止とされ、差押えできるのは1/4だけですが、これら四種の定期金債権なら2分の1まで差押えができます(民事執行法152条3項。ただ、①により一度執行開始の手続きをとれば、その後の給料も差押えできると言っても、民執151条の2第2項が「前項の規定により開始する債権執行においては、各定期金債権について、その確定期限の到来後に弁済期が到来する給料その他継続的給付に係る債権のみを差し押さえることができる。」としていますので、養育費を毎月定まった日に支払って貰う約束であっても、その支払日が給料日の後であると、その月にはその月分の養育費を払って貰えなくなりますから、要注意です。翌月には支払われるとしても、やはりその月の内に手にしないと困るでしょうから、養育費支払日は、給料日より前にしておくことが重要です。ただ、一つ注意すべきは上記四種の定期金債権には離婚慰謝料は含まれていません。慰謝料は、債務者が支払可能なように分割払いとしたり、その金額を配慮したとしても、強制執行ということとなった場合には、上記の有利な扱いを受けることができず、他の債権者と同じ立場に置かれることを覚悟しなければなりません。

 期限未到来でも強制執行開始が可能な定期金債権
 ① 民法752条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
 ② 民法760条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
 ③ 民法766条同法749条、771条及び第788条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
(養育費)
 ④ 民法877条から880条までの規定による扶養の義務


 法務省民事局参事官室作成の「子どもの養育に関する合意書作成の手引きと」はとても良い資料だと思います。是非参考にして下さい。その中にも記載がありますが、養育費の合意は、裁判所で調停が成立した際に作成される調停調書 (或いは、調停不成立で審判に移行した後に裁判官が下した審判の審判書) という書類になれば、それに基づいて強制執行に進むことができます。そのような効力を有する書面を「債務名義」といいますが、そのように裁判所を介さない合意の場合は、公証役場で作られる公正証書だけが債務名義になり得ます。夫婦が離婚合意を書面にしただけのいわゆる私製証書にはそのような効力は認められません。ですので、夫婦の間に、裁判所を介さずに、養育費を含む離婚の合意ができたら、二人で公証役場に赴いてその合意を公正証書にして貰うと、それが強制執行も可能な債務名義となって安心です(本文中に、支払義務を負う者が「債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する旨を述べた」という強制執行認諾約款を記載して貰うことが必要です。詳しくは、日本公証人連合会のホームページでご覧下さい。)。元公証人の私としては、経験上、夫婦間の話合いの中で「養育費等の約束を公正証書にしてくれなければ、離婚できない」と、公正証書の作成を合意の条件とされると良いと思います。債務名義となることが最大のメリットですが、公正証書の作成過程で、前にも述べ、次にも述べる「将来の養育費を放棄する」という様な許されない約束も、指摘して貰え、正しい内容のものとなることが期待できますから。
 なお、扶養請求権は民法881条で処分することが禁じられています。したがって、離婚の際の協議において、子の扶養請求権を将来に向かって放棄することも許されません。扶養請求権は、本来、扶養を必要とする状態が発生したときにその都度権利として生じるものですが、離婚に際して子供が成人に達するまで定期的に一定額の養育費を支払う旨合意することは、要扶養状態が独立して生計を立てることができるまで継続する子供については、予めの合意は当然必要ですし、766条も認める権利事項ですから、問題ありません。また、これを一括して一時金で支払うことも、まれとはいえ実務上事例があります
( 財産分与後に相手方配偶者の手許に残ったその現有財産から支払われることになります ) が、合わせて、将来にわたって扶養請求権を放棄する旨合意することは、扶養請求権の処分禁止に触れることとなりますし、実際にその後養育費が必要となった場合は、事情の変更によって追加の支払いを求めることが許されます(民法880条)。どのような形であれ、離婚目的を達したいばかりに、養育費を放棄する、させられるということはあってはならないので、そのようなことは禁止されているということを銘記すべきと思います。ことに、扶養請求権の中でも、子の養育費は、本来子自身の持つ一身専属の権利であって、親はその法定代理人として代わりに請求している立場ですので、親がこれを勝手に放棄することはできず、この意味からも親の処分の及ばないものであることを銘記しなければなりません。



  子供いるのに離婚なら


  ①
親権以降819どうする、 どちらがつか、親権(真剣)俳句819


  ② 監護面会養育費()(ろう) (揺り籠の意(造語))()
766事項を、

          子
利益最優先
めるべし。


      二人協議められぬならば家裁調停審判





     戸籍は、離婚


    小
さく
739証人(二人、4名の署名捺印・書面、口頭) チェック後

       大
きく
()()765ならぬよう

         親権
以降819どちらか 確認し

           その
法令違反有無も、調べなければ受理できぬ。


    
調りずに受理あれ戸籍係難務功765 離婚届けはなんと 有効!


面会交流
 監護権(民法820条)を有しない親の子との面会交流(以前は、面接交渉と言われていました)については、平成12年に、「婚姻関係が破綻して父母が別居状態にある場合に、子と同居していない親と子の面接交渉につき父母の間で協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、民法七六六条を類推適用し、家事審判法九条一項乙類四号により、右面接交渉について相当な処分を命ずることができる」とする 判例(最判平12・5・1)が出て、父母間での協議ができないときは、判例による法解釈によって、家裁が相当な処分を命じることができることとなりました。また、それより前の平成元年(1989年)に国連で採択され、平成6年に我が国においても発効した児童の権利に関する条約9条3項でも、親から分離されている児童には、原則として、親と定期的に「人的関係及び直接的接触を維持する」ことが権利として認められるべき旨定められている関係もあって、その後、平成23年に、協議離婚の際には、監護権者、養育費についての他、親子の面会交流についても協議で定めるべき旨、この場合には、子の利益を最も優先して考慮しなければならない旨、766条(平成23年)法改正が行われました。これにより、離婚後の、監護権を有しない親の子との面会交流が実定法上も認められたことになります。もちろん、判例の事案のように、離婚には至っていないが別居中である夫婦の間での、子との面会交流についても、家裁への面会交流調停の申立てにより子の監護(民法820条)に関する事件(家事事件手続法別表第二の三)として調停(同法244条)を受けることができます。調停が不成立で終わったときは、そのまま審判官の審判に移行します(家事事件手続法272条4項)。家裁での手続きについてはこちらをご覧下さい。
 面会交流の実際については、父母が激しく対立して、双方が疑心暗鬼となり泥沼化する事例を散見しますが、家庭内暴力等、子の心身に加害、悪影響を及ぼすおそれを伴う場合は、前提を欠くものとして否定されるべきとしても、上記の実定法化への経過に照らし、面会交流は子の権利として守られなければなりません。そして、その実施にあたっては、条文の文言上からも、「
子の利益を最も優先して考慮しなければならない」点が再確認されるべきです。子を中心に考え、発達段階にある子の心理状況を踏まえて、親としての態度を持し温かい雰囲気の中で面会できることが大切です。両親の葛藤・対立が社会の縮図として写り、社会への不安や恐れを根付かせてしまうこと、子が親に対して抱く信頼こそが社会に対する信頼と自己肯定に繋がることを理解して、子の当然の権利である親との交流場面では対立を見せずに穏やかに交流できるよう、子のために努めて頂きたいと思います。なお、家裁は、親権者の指定(家事事件手続法169条2項)、監護権者の指定(人事訴訟法32条4項)に際して、子が15際以上であれば、必ず子の陳述を聴かなければならないとされおり、また、未成年者である子がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取、家庭裁判所調査官による調査その他の適切な方法により、子の意思を把握するように努め、審判をするに当たり、子の年齢及び発達の程度に応じて、その意思を考慮しなければならない(家事事件手続法65条)ともされていますが、面会交流についても、15歳以上の子と親との面会交流は、上記児童の権利条約9条に照らして子の自由とされるべきですし、児童の権利条約児童福祉法の理念に照らせば、15歳未満の子についても、子の意見は尊重されなければなりません。こちらもご覧下さい。





   
  扶養権利ったり担保れたり

         手離
処分ヤバイ881ことです禁止です
 


    
父母の間
 
      
養育費将来って請求せぬ

      
881取決扶養料放棄 とはならぬ
  
     扶養請求、子自身
生存維持()ため 故

          
一身専属、親 放棄不可
     
(養育費を巡る事情の変更で改めて請求できる場合がある)




子の氏の変更
 
 「氏」は本来単なる人の呼称ですが、国民一人一人の登録簿である戸籍は、基本的に、夫婦と、その間の「氏」を同じくする子で編製されますから、「氏」には、家族の呼称という意義もあり、また、家族は基本的に戸籍を同じくする、とも言えます。ですから、「夫婦・親子(は)同氏の原則(民法750条790条)が採られている日本の「氏」制度の下では、例えば離婚した場合などはどうなるのか、となると多少複雑なルールが設けられることになります。
 離婚による法的な効果として、婚姻前の氏に
復氏(767条1項)することになると、たとえ親権者の指定を受け得て子と同居することとなっても、子供とは氏が異なる事態が生じ、子供の幼心に複雑な葛藤を背負わせることになりかねません。そこで、子を引き取り、呼称としての氏も婚姻中のままとしたい場合は、離婚後3か月の内にその旨届け出れば、婚氏続称と言って子と同姓となることが可能です(767条2項)。しかし、それでも、離婚した(婚姻中戸籍の筆頭者でなかった)親は、離婚に伴ってその親だけ別の戸籍となる訳ですから、子供とは戸籍が別の状態になってしまいます。子供と同戸籍でないと、育児や学校等での各種手続関係が何かと不便なので、やはり子も元配偶者の戸籍から抜いて自分の戸籍に入れたいというときは、家裁に「子の氏の変更」許可(民法791条1項)申し立て、その許可を得た上で、市役所に入籍届け(戸籍法98条1項)をすることになります。婚氏続称で氏は子と同じなのに、ちょっとおかしい、と思われるでしょうが、子の戸籍を変更するので、このような手続名となります(「氏」が家族単位の呼称だと考えれば、家族登録簿の「戸籍」が変わる=「氏」が変わる、という繋がりで、「氏の変更」を納得して頂けるのではないでしょうか)。もちろん、子の学校も変わって、子も氏が変わることについて抵抗がないから原則どおり離婚復氏をしたい、という場合でも、親は婚姻中の戸籍とは別戸籍(婚姻前のいわゆる旧籍か、新たな戸籍)となっているのですから、子と同戸籍とするためには同じ「子の氏の変更」許可手続きが必要となります。したがって、復氏しても、婚氏続称しても、離婚するまで同籍であった子とまた同籍となるための手続きと思って、上記の家裁での氏変更の許可を受けて下さい。通常、家裁でのこの手続きには左程時間がかかまりせん。そして、その許可の審判書謄本を持って市役所・町村役場の戸籍係で「入籍届」をすることになります。
 また、婚姻外で生まれた嫡出でない子の出生届けは、母が行い(戸籍法52条2項)、子は母の氏を称し(民法790条2項)、母の戸籍に入りますが、その出生届け、戸籍には、父親の名は記載できません。父親の名を記載するためには認知の手続きが必要となります。
 離婚の際に妊娠していて、
離婚後に生まれた子に関する出生届けは、母がこれを行います(戸籍法52条1項)。そして、子は、母の親権に復し(民法819条3項)、氏は離婚の際における父母の氏を称します(民法790条1項)。つまり、母が、婚姻に際して氏を変更していた場合、離婚復氏(或いは婚氏続称)して父と別戸籍になると、子の親権者は母ですが、子は父の戸籍に記載されることになります。ですから、子を親権者である母の戸籍に移すためには、やはり、上に述べた「子の氏の変更」手続きが必要となります ( このように子の親権者と戸籍が乖離するのは制度設計上問題であると指摘されています )
 離婚後百日間は、再婚禁止期間
(民法733条)ですが、この禁止期間違反の再婚
(禁期婚)で子が生まれた場合父性の推定が前後両夫に及ぶことになるときは、出生届けに父親の氏名を記載することができません。禁期婚で産まれた子でも、後婚の成立後200日以内に産まれた場合は、後婚による推定はかからないので、推定の重複がなく、前婚の夫が父と推定されることになります。また、離婚後300日以内に生まれた子でも、「母とその夫とが、離婚の届出に先だち約二年半以前から事実上の離婚をして別居し、まつたく交渉を絶つて、夫婦の実態が失われていた場合には、民法七七二条による嫡出の推定を受けないものと解すべきである。」とした判例(最判昭44・5・29)があります。この判例のような場合は、後婚での嫡出子としての出生届ができます。推定が重複する場合、どちらが父親か確定するためには裁判が必要となります。これが民法773条父を定める訴え(人事訴訟法43条、〔§2、§4〕)です。
 但し、平成19年の法務省通達により医師の証明書によって
離婚後に懐胎したことが認められれば、後婚子としての出生届けができる☆こととなりました。なお、禁期婚のため父を定める訴えが必要となる子の出生届けは、母が行うことになりますが、その場合は届書に、父が未定である事由を記載しなければなりません(戸籍法54条)
 ☆ 厳密には、「懐胎時期に関する証明書」によって、推定される懐胎の時期の最も早い日が婚姻の解消又は取消しの日より後の日である場合に限り,婚姻の解消又は取消し後に懐胎したと認められ,民法第772条の推定が及ばないものとして,母の嫡出でない子又は後婚の夫を父とする嫡出子出生届出が可能です。」とあります。
 
禁止期間違反の婚姻 (禁期婚) は婚姻取消しの対象となり得ますが、妊娠・出産との関係で、取消しができないことになる定め (民法746条) について、こちらもご覧下さい。



 なお、「子の氏の変更」の手続きでは、子が15歳以上であれば、申立人・届出人は子自身であり、子が15歳未満であれば、親が法定代理人として手続きすることになります(民法791条3項)。栗東市のホームページに入籍届の記載例も見られますから、参考にして下さい。

 
また、離婚復氏により旧戸籍に入った後、上記子供の入籍届となる場合、戸籍記載は親と子二代の範囲までという限りがあるため、当然新戸籍の編製をすることになります。したがって、離婚の際、子の入籍を予定しているのであれば、旧籍に戻らず新戸籍を作っておいて、それに子の籍を入れる方が手間が省けることになります。詳しくはこちらをご覧下さい。

夫婦親子同氏の原則

 
夫婦同氏の原則を定めた民法750条を憲法に違反しないとした判例(最判平27・12・16)があります。
この判決は、
 
夫婦同氏の原則を定める民法750条が、個人の尊厳と幸福追求権を定めた憲法13条に違反するとの主張に対し「民法の氏に関する諸規定は,氏の性質に関し,氏に,名と同様に個人の呼称としての意義があるものの,名とは切り離された存在として,夫婦及びその間の未婚の子や養親子が同一の氏を称するとすることにより,社会の構成要素である家族の呼称としての意義があるとの理解を示しているものといえる。そして,家族は社会の自然かつ基礎的な集団単位であるから,このように個人の呼称の一部である氏をその個人の属する集団を想起させるものとして一つに定めることにも合理性があるといえる。 本件で問題となっているのは,婚姻という身分関係の変動を自らの意思で 選択することに伴って夫婦の一方が氏を改めるという場面であって,自らの意思に関わりなく氏を改めることが強制されるというものではない。 氏は,個人の呼称としての意義があり,名とあいまって社会的に個人を他人から識別し特定する機能を有するものであることからすれば,自らの意思のみによって自由に定めたり,又は改めたりすることを認めることは本来の性質に沿わないものであり,一定の統一された基準に従って定められ,又は改められるとすることが不自然な取扱いとはいえないところ,上記のように,氏に,名とは切り離された存在として社会の構成要素である家族の呼称としての意義があることからすれば,氏が,親子関係など一定の身分関係を反映し,婚姻を含めた身分関係の変動に伴って改められることがあり得ることは,その性質上予定されているといえる。 以上のような現行の法制度の下における氏の性質等に鑑みると,婚姻の際に「氏の変更を強制されない自由」が憲法上の権利として保障される人格権の一内容であるとはいえない。本件規定は,憲法13条に違反するものではない。」と判示しました。
 
民法750条が、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するとの主張に対し、「民法750条の規定は,夫婦が夫又は妻の氏を称するものとしており, 夫婦がいずれの氏を称するかを夫婦となろうとする者の間の協議に委ねているので あって,その文言上性別に基づく法的な差別的取扱いを定めているわけではなく, 本件規定の定める夫婦同氏制それ自体に男女間の形式的な不平等が存在するわけではない。我が国において,夫婦となろうとする者の間の個々の協議の結果として夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占めることが認められるとしても,それが,本件規定の在り方自体から生じた結果であるということはできない。 したがって,本件規定は,憲法14条1項に違反するものではない。」と判示しました。
 
民法750条が、家族生活における個人の尊厳と両性の平等を定めた憲法24条に違反するとの主張に対し「婚姻に伴い夫婦が同一の氏を称する夫婦同氏制は,旧民法(昭和22年 法律第222号による改正前の明治31年法律第9号)の施行された明治31年に我が国の法制度として採用され,我が国の社会に定着してきたものである。前記のとおり,氏は,家族の呼称としての意義があるところ,現行の民法の下においても,家族は社会の自然かつ基礎的な集団単位と捉えられ,その呼称を一つに定めることには合理性が認められる。 そして,夫婦が同一の氏を称することは,上記の家族という一つの集団を構成する一員であることを,対外的に公示し,識別する機能を有している。特に,婚姻の重要な効果として夫婦間の子が夫婦の共同親権に服する嫡出子となるということがあるところ,嫡出子であることを示すために子が両親双方と同氏である仕組みを確保することにも一定の意義があると考えられる。また,家族を構成する個人が,同一の氏を称することにより家族という一つの集団を構成する一員であることを実感することに意義を見いだす考え方も理解できるところである。さらに,夫婦同氏制の下においては,子の立場として,いずれの親とも等しく氏を同じくすることによる利益を享受しやすいといえる。 加えて,前記のとおり,本件規定の定める夫婦同氏制それ自体に男女間の形式的な不平等が存在するわけではなく,夫婦がいずれの氏を称するかは,夫婦となろうとする者の間の協議による自由な選択に委ねられている。 これに対して,夫婦同氏制の下においては,婚姻に伴い,夫婦となろうとする者の一方は必ず氏を改めることになるところ,婚姻によって氏を改める者にとって,そのことによりいわゆるアイデンティティの喪失感を抱いたり,婚姻前の氏を使用する中で形成してきた個人の社会的な信用,評価,名誉感情等を維持すること が困難になったりするなどの不利益を受ける場合があることは否定できない。そして,氏の選択に関し,夫の氏を選択する夫婦が圧倒的多数を占めている現状からすれば,妻となる女性が上記の不利益を受ける場合が多い状況が生じているものと推認できる。さらには,夫婦となろうとする者のいずれかがこれらの不利益を受けることを避けるために,あえて婚姻をしないという選択をする者が存在することもうかがわれる。 しかし,夫婦同氏制は,婚姻前の氏を通称として使用することまで許さないというものではなく,近時,婚姻前の氏を通称として使用することが社会的に広まっているところ,上記の不利益は,このような氏の通称使用が広まることにより一定程度は緩和され得るものである。 以上の点を総合的に考慮すると,本件規定の採用した夫婦同氏制が,夫婦が別の氏を称することを認めないものであるとしても,上記のような状況の下で直ち に個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らして合理性を欠く制度であるとは認めることはできない。したがって,本件規定は,憲法24条に違反するものではな い。 」と判示しました。

夫婦親子同氏の原則と嫡出推定
 私は、夫婦同氏の原則
(民法750条)は、「終生的貞操結合」という婚姻の本質から来る原則であり、子のための安心・安定な呼称環境の確保こそその現実的な眼目であると考えます。子は、両親によって愛され保護されて、心身共に健やかに育てられなければならない(児童福祉法1条、2条)存在ですから、夫婦は子の最善の利益のために無償の愛をもって対処すべきが当然の結合なのです。よって、夫婦・親子間の同氏(民法750条790条)は、夫婦間においては融合一であり 、且つ同 創一の、親子間では融合創一のそれぞれ具現化なのであり、子は夫婦の終生的貞操結合によって、その結合の影導力(ようどうりょく)である融合創一の意志の下に生まれ、それ故に夫婦と子の三者の間には、他の結合を排除して融合装一」の嫡出推定(民法772条)が働くのです。これらは、「氏」を介して戸籍によって一つとなっています(戸籍法6条)から、その「装」が即ち「氏」であると言えます。
 ここでは、氏は、終生的貞操結合の証
なのです。この結合の融合創一によって、三角の上の二つの頂点である父母が、下の一点、同一の子を互いに同定し愛着へと繋ぐ嫡出推定が成り立ち、これによって、同じ一人の子に対して無償の愛を注ぐべく、親子一体としての絆を結ぶことになります。その結果として、夫婦同子の三角が成立し、夫婦親子同氏となるのです。このように見てきて分かるのは、夫婦親子の三角▽の要は、下の一点である子であり、夫婦同氏原則も、夫婦間の思いに拠るというよりも、融合創一の出発点からして、互いの子に注ぐ思いの一点に発しており、視点を変えれば、下から上へ子から発しているということです。夫婦別姓とすべきか否か、議論は尽きないようですが、こうして考えてみると、やはり、個別夫として、或いは、個別妻としてのそれぞれの立場からではなく、婚姻の本質と子の幼心にとって安定した安心できる呼称環境はどうあるべきかという二点から検討されるべきではないでしょうか。

同性婚の氏(立法論私見)
 私は、同性婚について、終生的貞操結合が認められれば社会的承認を与え、婚姻の法的効果を付与しても良いのではないかと申しました。そして、併せて、その場合、社会的承認を与えることに主眼があり、子の監護教育は原則として予定する必要のないことですから、同性婚カップルでは子のための呼称環境の確保は不要なので、その面での同氏の必要は少なく、むしろ、別氏こそ自然なのではないか、とも申しました。しかし、よく考えて見ると、女性の同性婚の場合、現在の判例 (最判昭37・4・27)・通説により分娩・出産の事実によって母子関係が成立するとされることを前提とすれば、同性婚に母子関係の成立が伴い得ること、つまり、同性婚当事者間に子が生まれることが考えられます。また、男性の同性婚の場合も、家庭・家族を失った幼児が多数存在するという社会の現実を踏まえ、社会的養護の要請を満たすためには、養子制度のさらなる活用が考えられますから、男性の同性婚当事者にも養子縁組を認めて良いのでは、と考えるに至りました。そうすると、同性婚にも子の存在を前提とした上で、同氏原則の導入を考えても良いのではないでしょうか。勿論、同性婚当事者の未成年者との養子縁組を制度として認めるか否かは、別に論じられるぺき重要な論点です。

同氏協議に代わる母子氏(立法論私見)
 そうとすれば、まず、通常婚・同性婚を通じて、現在の婚姻時からの同氏原則は維持されるべきと考えます。しかし、あくまで個人の氏の不変を貫く別姓論者の事実婚は別として、現実に同氏協議が調わないために婚姻届が出せないまま仕方なく経過している事実婚は存在すると思いますので、そのような当事者間で、子の出生届、或いは、
(同性婚当事者と未成年者との縁組が制度として認められたとして)養子縁組届を出す現実の必要が生じた場合は、その子のためにはどうしたら良いでしょうか。私は、その段階に至った夫婦・カップルについては、その時点で、出生届或いは縁組届(未成年者との縁組許可の審判が必要となりますが)と同時に母の氏、或いは、主たる監護者の氏による婚姻届をすることができるとしてはどうかと考えます。前述しましたように、同氏原則においては、子のための安心・安定な呼称環境を確保することが重要な眼目ですので、家族に子が登場する際には、子のための親子同氏原則を確保するべく、やむを得ず、「協議による同氏」原則の変更を許すという考えで臨むことができると思います。つまり、その段階では、直前に出産を経ていて目前の監護に相応しい母親、或いは、子と密に接することとなる者と子との同氏を現実の要請として重んじ、他の一方はそれに合わせるべく子との同氏に同意することを強制されることになります。つまり、この場合、考え方としては、未婚の母が子と独立の新戸籍を編製することにより母子同氏(民法790条2項)となるように、現実の子との生活のため、まず母子の「氏」が創設され、実父は、自らもたらした事実婚という事実によって、その新戸籍へ参加する形となります。これは男女平等に反するものでも、呼称の自由に反するものでもなく、母と子の現実に、実父のもたらした事実婚の事実が融合して、家族・家庭の誕生という祝うべき社会的出来事が起きたと考えるべきです。ここに融合創一が起きるとも言えます。勿論、父親が、母子氏にそのような形で同意を強いられることを承服せず、婚姻届が提出できなければ、事実婚がそのまま続くか否かは別として、非嫡出子の出生届、或いは、縁組不許可の結果で終わることとなります。ただ、実質が男女の通常婚である事実婚で、当事者間に子が生まれたのに、妻の氏を称する-上記のように、実は子の氏を称する-婚姻届に同意しない父親には、DNAによる立証等によって、その父子関係と「氏」だけが欠ける事実婚であることの証明がなされれば(障碍事由等の審査も経た上で)裁判によって婚姻の成立を宣言して良いと思いますが、如何でしょうか(女性の同性婚の場合も、子が生まれ得る想定の下に、同様の経緯も考えられなくありませんが、その場合、「父親」役の女性がDNA立証をクリアすることは不可能ですから、それでも、同様の婚姻成立を認めることができるか、さらに一段階の制度化判断が必要です)。憲法24条に違反する仰天の不埒な提言と思われる方がおられるかも知れませんが、憲法は又、12条において、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」ともしています。ですから、憲法は、前述のように、戦前の戸主による理不尽な掣肘等を受けることなしに婚姻が可能となるよう、その自由を宣言したのであって、この場合のような婚姻における放恣を許す趣旨で24条を置いたのではありませんし、このような状況下での子の福祉のための婚姻強制 (と外形的には見えますが、上述来のことからお分かりのように、これは、氏協議に代わる単なる母子氏の強制であって、婚姻意思は、父親のもたらした事実婚によって既に既存のここととして前提されています) は、正に公共の福祉に叶うものですから、何ら問題はないと考えます。むしろ、そうすることの方が、実質的な男女の平等に資することではないでしょうか。事実婚の証明を法定証拠によって容易な方式とし、できちゃった「婚氏」が、ほほえましく語られる時代が来たら良いと思うのですが。
 こうして見てくると、「同氏」という原則は、夫婦同氏
(民法750条)が出発点で、親子同氏(民法790条)はそれに付随するものであると、私も思っておりましたし、一般にも当然のようにそう思われていると思いますが、同氏の眼目は子のためにこそあったと認識できますから、親子同氏、それも、その内の「母子同氏」こそが原初的で根本的な出発点であったことが分かります。そして、それであるならば、このような母子氏に寄り添うことについて、その外形だけを捉え、「男女平等に反する」などと言う余地のないことも明らかです。また、このような母子中心の「氏」と戸籍のとらえ方こそが、戦前から今日まで社会の底流を牢固として流れる「家」とか「家柄」を中心とした「氏」観を破る突破口となり得るとも思うのですが、如何でしょうか。
 
私事で大変恐縮なのですが、私にはここで母子家庭に育ち苦学力行した父と父が詠んだ歌が思い出されます。そのような境涯で母親に連れられ二人の姉と共に福島から山形に追われるように移って行ったときのことを思い出して、詠んだそうで、父がその人生の出発点であったとよく申しておりました。条句のご紹介の前に掲載することをお許し下さい。
 

  母とならば しき

       いずべとてることなし (ぬく)のあれば。




  くれ
790

  夫婦
並びに 親子 (なご)まる
750790(あかし)(うじ)なれば

         違
名困
790親子同(うじ)



  
   親子同氏
790が原則 故に
  
    子
「ママ名困790そのくれ790!」
  
        言
われたため791

    ①   (家裁の)許可けた()   

       (るか
父母(ちちはは)が養縁成って子()()ならば許可せず )  

   れば   変更できる十五()っこい791ならば

              
() (理人)わって()() 変更


         
改姓 った未成()成人後一年復氏ができる

                改姓した父母が子と異氏の例:父母が他人の養子になる場合等



子の引渡請求
 子が親権者ないし監護権者の意に反して第三者によって監護されている場合、親権者・監護権者は自らの権利が妨害されている訳ですから、その妨害を排除するため、その権限に基づいて子の引渡しを請求することができます。しかし、その子が意思能力を有し、子自らの意思で第三者の下にいるときは、権利妨害と認めることができず、したがって、引渡請求も認められないことになります。この点に関する判例(最判昭35・3・15)があります。妻と別居中に子を自らの下に置いていた夫が亡くなり、代わりにその身内が監護していたのに対し、妻から子の引渡しを求めた事案のようですが、この判決は、「その幼児が三歳に満たない頃からひき続き相手方のもとで養育されているというだけでは、右幼児は自由意思に基いて同所に居住しているとはいえない。」として相手方の主張を退けました。また、最近、同じく親権に基づく妨害排除請求の事例として、次のような判例(最決平29年12月5日)が出ました。
 離婚した父母のうちその長男の親権者と定められた父親が,法律上監護権を有しない母親を債務者とし,親権に基づく妨害排除請求権を被保全権利とし て,長男の引渡しを求める仮処分命令の申立てをした事案について、原審は、本件申立ての本案は,家事事件手続法別表所定の子の 監護に関する処分の審判事件であり,民事訴訟の手続によることができないから, 本件申立ては不適法であるとして却下すべきものとしましたが、この最高裁決定は、「離婚した父母のうち子の親権者と定められた一方は,民事訴訟の手続により,法律上監護権を有しない他方に対して親権に基づく妨害排除請求 として子の引渡しを求めることができると解される上記最判昭35・3・15,最判昭45年5月22日)として、申立ての手続適法性自体はこれを認めた上、「もっとも,親権を行う者は子の利益のために子の監護を行う権利を有する(民法 820条)から,子の利益を害する親権の行使は,権利の濫用として許されない」として、次のように判示しました。
 「離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることは,次の(1)~(3)など判示の事情の下においては,権利の濫用に当たる。
(1) 子が7歳であり,母は,父と別居してから4年以上,単独で子の監護に当たってきたものであって,母による上記監護が子の利益の観点から相当なものではないことの疎明がない。
(2) 母は,父を相手方として子の親権者の変更を求める調停を申し立てている。
(3) 父が,子の監護に関する処分としてではなく,親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求める合理的な理由を有することはうかがわれない。


 ところで、幼児の引渡しに際して、よく依拠される法律に
人身保護法という法律があります。その人身保護法2条1項は「法律上正当な手続によらないで、身体の自由を拘束されている者は、この法律の定めるところにより、その救済を請求することができる。」と定め、また、これを受けて、人身保護規則3条は、「法及びこの規則において、拘束とは、逮捕、抑留、拘禁等身体の自由を奪い、又は制限する行為をいい、拘束者とは、拘束が官公署、病院等の施設において行われている場合には、その施設の管理者をいい、その他の場合には、現実に拘束を行つている者をいう。」とする他、同規則4条は、「法第二条の請求は、拘束又は拘束に関する裁判若しくは処分がその権限なしにされ又は法令の定める方式若しくは手続に著しく違反していることが顕著である場合に限り、これをすることができる。但し、他に救済の目的を達するのに適当な方法があるときは、その方法によつて相当の期間内に救済の目的が達せられないことが明白でなければ、これをすることができない。」と定めます。
 そして、この人身保護法による引渡請求に関する判例がいくつかありますから、ご紹介します。まず、

1. 最判昭43年7月4日です。この判決の要旨は、「一、意思能力のない幼児を監護することは、監護方法の当不当または愛情に基づく監護であるかどうかとはかかわりなく、人身保護法および同規則にいう拘束と解すべきである二、夫婦の一方が他方に対し、人身保護法に基づき、共同親権に服する幼児の引渡を請求した場合には、夫婦のいずれに監護させるのが子の幸福に適するかを主眼として子に対する拘束状態の当不当を定め、その請求の許否を決すべきである。」と述べています。そして、
2. 最判平5年10月19日は、「 夫婦の一方が他方に対し、人身保護法に基づき、共同親権に服する幼児の引渡しを請求する場合において、幼児に対する他方の配偶者の監護につき拘束の違法性が顕著であるというためには、右監護が、一方の配偶者の監護に比べて、子の幸福に反することが明白であることを要する。」とします。また、翌年の
3. 最判平6年11月8日は、「法律上監護権を有しない者が幼児をその監護の下において拘束している場合に、 監護権を有する者が人身保護法に基づいて幼児の引渡しを請求するときは、請求者による監護が親権等に基づくものとして特段の事情のない限り適法であるのに対し て、拘束者による監護は権限なしにされているものであるから、被拘束者を監護権者である請求者の監護の下に置くことが拘束者の監護の下に置くことに比べて子の幸福の観点から著しく不当なものでない限り、非監護権者による拘束は権限なしにされていることが顕著である場合(人身保護規則四条)に該当し、監護権者の請求を認容すべきものとするのが相当である。」と述べています。
 
  なお、人身保護法による上記の引渡しとは別に、民法766条の類推適用から、家事事件手続法39条別表第二の三「
子の監護に関する処分による審判事項として、或いは、同法105条による審判前の保全処分として引渡しを請求することもできるとされていますが、当該事件の経緯に照らし、上記人身保護の要件である「その方法によって相当の期間内に救済の目的が達せられないことが明白」である場合には、人身保護法によることとなります。そして、以上いずれによるとしても、判決や決定が引渡しを認めても相手方がこれに従わないときは、直接的に有形力を行使して子の身柄を取り戻すことはできないため、間接強制といって、従わない日数分支払金額が増える形で強制する他はないとされています(但し、意思能力のない幼児のケースについて、直接強制を可能とした下級審例もあります)。私は、そのような形で法的正義の実現が子を盾にして妨げられている場合には、子に対する直接強制が許されないのは当然として、阻止する相手に対しては、有形力を用いての妨害排除ないし制圧はやむを得ないと考えますが、如何でしょうか。


養 子 
 親子関係は、前述したように、出産
(或いは、その事実に基づく推定)によって発生しますが、養子縁組によっても生じます。実の親子が自然的親子関係とすれば、養親子は、人為的・法的親子関係と言えます。養子縁組は、当事者間にこの法的な親子関係を築くという縁組意思の合致と縁組届けとによって成立します ( 但し、後記の「縁組障碍」のないことが要件となります ) 。そして、縁組により養子と養親との間には、嫡出親子関係が発生する(809条)と共に養親及びその血族との間に血族間におけるのと同じ親族関係が生じます(民法727条)。また、養子は、養親の氏を称して(810条)、未成年であれば養親の親権に服することになります(818条Ⅱ)。但し、養子となる者の実親との親子関係には影響がないので、養・実二つの親子関係が併存することになりますが、実親の親権は縁組成立により失われ、その者と養子となる子との親子同氏も解消することになります。この実親子関係の併存を敢えて断ち切る養子制度が昭和62年に設けられた特別養子制度です。ですので、養・実両親子関係の併存する普通の養子を普通養子とも言います。普通養子は、養親となる者より年長・尊属でなければ成年者をも養子とすることができますし、成年養子で(やしな)われるのが子ではなく、(養)親でもよいという具合に、縁組目的にも特別な制限がなく、前述の法的な親子関係を築く意思がありさえすれば、節税目的等、他のどんな思惑が働いていてもその門は開かれている感があります。しかし、普通養子のうち未成年養子については、夫婦共同養親でなければならず、また、裁判所の許可も必要とされる等、子の監護養育のため必要な規制が加わる仕組みとなっているところを、特別養子については、さらに子の年齢や親の年齢、実親の同意や特別な保護要件等を厳格に定めて、より子の養護・養育に重きを置いた制度となっていると言うことができます。養子の相続関係についてはこちらをご覧下さい。

縁組届け
 縁組届けは、当事者である養親と養子が、民法799条によって準用される婚姻届けの規定(§739)に則って、成人二人と、合わせて計四名の署名・押印する書面ですることになります ( 口頭で届けてもよい (§739Ⅱ、戸籍法37条 ) のですが、その場合は四名全員が役所に出向かなければなりませんし、時間がかかります)。15歳未満の子が養子に入る場合は、子の親が法定代理人として代わりに縁組を承諾して届けることになります(§797)が、この場合は両親が、証人2名の協力を得て、養親となるべき人と届けることになります。その侭簡単に受け付けられて届けが終わる訳ではなく、下記の各縁組障碍事由等についての審査にパスして初めて「受理」ということになります。ことに、未成年養子縁組等については、家裁の許可を得た上での届けとなりますから、手間と時間を要することになります。この戸籍係での審査に係のミスがあっても、ひと度「受理」があると、一応有効となり、縁組障碍を理由として縁組を取り消すためには、家裁に縁組取消請求をしなければなりませんから、厄介です。ですので、戸籍係に予め相談する等して、慎重に縁組届けの手続きに臨まれることをお勧めします。

なお、
他人の子を嫡出子として届出しても、その出生届をもって養子縁組届とみなすことはてきないとする判例 ( 最判昭25・12・28) があります。
この判決は、「養子縁組は本件嫡出子出生届出当時施行の民法第八四七条第七七五条(現行民法第七九九条第七三九条)及び戸籍法にしたがい、その所定の届出により法律上効力を有するいわゆる要式行為であり、かつ右は強行法規と解すべきであるから、その所定条件を具備しない本件 嫡出子の出生届をもつて所論養子縁組の届出のあつたものとなすこと ( 殊に本件に 養子縁組がなされるがためには、上告人は一旦その実父母の双方又は一方において 認知した上でなければならないものである ) はできないのである。」 と判示しています。


     さきに739799れと

        養子
とし、親子となるには

  
 証人二人頼んで、(署)()

    書面
口頭難避(ため)739

           (養子)
縁組け えたなら

       愛育専心 
799



  養子はまる
809から

      
養親さん 嫡出子
 


       縁組成ればそのから

、     なにせ
727 (養親その血族)

          血
つづきの 親族されるなり


養子の氏
 養子は、養親の氏を称します(民法810条)。しかし、民法は、夫婦同氏の原則(民法750条)も設けています。それで、夫婦の一方が養子となり、他方は養子縁組しない場合は、夫婦の氏はどうなるのでしょうか。このような場合を予定して、民法810条但書きは、「ただし、婚姻によって氏を改めた者については、婚姻の際に定めた氏を称すべき間は、この限りでない。」とします。つまり、夫婦が揃って養子となる場合は、810条の原則どおり夫婦共に養親の氏を称することで、750条の夫婦同氏の原則も守られることになりますが、他方、夫婦の一方が養子となる場合で、婚姻によって氏を改めた者が養子となるときは、例外的に婚氏のままで良いとされ、これによって夫婦同氏原則も守られることになります( 婚氏優先原則 : 養子の戸籍はそのままで、養子となった旨の身分事項が記載されます)。例外が認められているのはその場合だけですから、夫婦の一方が養子となる場合で、その者が婚姻の際氏を改めなかった者であるときは、810条の原則どおり養子は養親の氏を称することとなり、それに伴い、その配偶者も、750条(夫婦同氏)に従って養親の氏を名乗り、これによって、夫婦同氏原則が守られます ( 養子は、養親の氏の新戸籍を構えることになります 。戸籍は、夫婦とその間の未婚の子で編製されますから、いずれにしても、養親の戸籍に入ることはありません ) 。なお、上記の例外が認められる場合で、その後婚姻の際氏を改めたその者が離婚をすると、養子は離婚復氏767Ⅰ)をしますが、直ちにこの810条によって、養親の氏を名乗ることになります ( 養親の戸籍に入ることになりますが、養親の氏で新戸籍を作ることもできます)


      養子 はまる809嫡子であれば
             養氏
して
養籍
810    

   
但し 改姓  (夫婦)婚姓810
 
      
てたその
(その後単独で) 養縁 らば

             
婚氏優先養籍()らず(婚氏優先の原則)



     婚
自氏婚氏とし

       その
(単独)となる(養氏称して)

        連れ
(配偶者)和まる750養方姓夫婦同氏の原則


       養 (子の)運は818Ⅱ養親さんの親権

          服
して、それで破綻818Ⅱない



養子縁組要件 
 養子は、どのような要件の下で縁組できるかについて、民法792条から798条が養子縁組要件を定めています。列挙すると、
未成年養親禁止(§792)尊・長 養子禁止§793後見 養親禁止(要許可、§794、未成年養子の夫婦共同養親(§795)要許可(§798)原則配偶者要同意原則(§796)15未満児養子の 代諾 可797)となります。これらの要件を備えない縁組は、縁組届けの段階で受理を拒まれます(§800)ので、縁組障碍と呼ばれます。誤って受理された場合は、未成年養子につき、子が15歳未満であるのに親の代諾を欠く場合と夫婦共同縁組でなければならないのに、一方だけとの縁組の場合は、いずれも縁組無効ですが、その他は、取消請求によって縁組取消しの対象となります。縁組取消しには、この縁組障碍によるものの他に、詐欺・強迫によるものもあります(民法808条747条)。縁組取消対象となる縁組の内、尊()()長養子禁止違反以外のものは、例えば、届けの時未成年であった養親が成人し、或いは、被後見人であった養子について後見が終了し、それに伴う後見の管理計算も終わった等の後は、取消期間である6か月の経過か、それまでの追認によって、縁組取消しの請求権が消滅します。縁組障碍・縁組取消しについては、こちらをご覧下さい。なお、平成30年の民法改正により成年年齢が18歳に引き下げられましたが、養親の責任の重さに照らし、養親の年齢は20歳が維持されることになりました。


    養子地球792えれば

     太陽
たるべき養親聖人なるべし成人たるべし



    性急792未成年者養子とる

      違法
バレ804縁組取消請求できる

     成人後六月(むつき)経過追認取消請求できぬ



   (あに)(あね)ダメだが年下(としした)弟妹(ていまい) 養子にとれる

    おじ
おば (たとえ)年下にても目上(めうえ)(ゆえ)養子はならぬ

     
このせこさ793尊・長 (縁組)禁止
 


    尊長
禁止せこさ793をば

       尊重
しない()(れい)()()805

     各当事者
親族(家裁に)取消請求できる也





   後見人膝下不祥事なくす794ため

      
(家裁の) 許可 らねば被後者とは、

          縁組
することできぬ



  後見人

        被後者膝下不祥事

    なくす
794 (ための) 許可をば

    
養親マントをはおろう806とした縁組

        
取消(請求)できる   被後者=被後見人




    後見人後見離れ
870(後見) 計算わらぬ

         
被後者との縁組するに許可



    
但し 後見人後見870(後見) 計算えての

   
本人成人
(能力) 回復追認又は(回復後)()(つき)経過となれば

   (成人又は回復後計算終えれば追認又は計算後六月の経過で)

               
すことはできぬ


§794は後見人が被後見人を養子とする縁組に、§870は後見終了の計算に関する規定


未成年者を養子とする縁組
 子は、通常、両親の共同親権の下に養育されます(民法818条3項)。ですから、未成年者が養子となるについては、父母になぞらえた夫婦養親の下で普通の家庭生活が送れるようにとの制度設計により、民法795条は、「配偶者のある者が未成年者を養子とするには、配偶者とともにしなければならない。ただし、配偶者の嫡出である子を養子とする場合又は配偶者がその意思を表示することができない場合は、この限りでない。」と定めて、原則、夫婦が共同養親とならなければならないこととしました〔未成年養子夫婦共同縁組。夫婦の片方が縁組意思を欠いていた場合は、縁組無効となります(こちらもご覧下さい)。また、未成年者を養子とするについては、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合を除き、縁組による養子の福祉の観点から審査を経て、家庭裁判所の許可も得なければなりません(民法798条)その未成年者自身は、意思能力を有する限り、自己の内面世界を意識できる青年前期を経て、15歳になれば縁組能力有りとされますから、他人の養子となるについて親の同意等は要りません(但し、上記家裁の許可が必要です)。縁組は、しかし、実親の親権が失われ、養親の親権下に入る効果を生みます(民法818条2項)から、通常、学齢になれば有するとされる意思能力の程度では足りず、そのような結果に対する認識も可能な年齢になっていることが必要とされます(縁組効果の発生は、家裁の判断にかかりますから、子自身については、縁組の当否ではなく、その縁組の意思や希望があれば、それを受け止めてあげることが必要なのです)。因みに、人が遺言をすることができる年齢も15歳からです (こちらをご覧下さい) 。養子となる者が縁組能力のない15歳未満である場合は、法定代理人が代わって縁組の承諾 (代諾と言います) をすることにより養子〔代諾養子〕となることができます(民法797条)。法定代理人の代諾がない縁組は、結局縁組する意思表示がないことになりますから、縁組無効となります。養子となる者について、父母のいずれかに親権がなく、監護権はあるという場合は、親権者の承諾のほかに、その監護権者の同意も得なければならず(民法797条2項)、その同意を得ていなかった場合は縁組取消しの対象となります(民法806条の3)。親権が停止されている親がいる場合も、同様に停止中の親の同意が必要とされます(民法797条2項後段)。両親の親権が停止中で、未成年後見人が法定代理人として代諾するについても、両親の同意が必要となります。取消請求についてこちらもご覧下さい。



    夫婦者

      
未成
()(を)養子とするときは

       
795()救護(きゅうご)795 難事(なんじ) (ゆえ)

            
夫婦 共同 縁組

    
但し例外嫡出連 ()表示不可





     他人(ひと)

     
養子となるとて くな
797

     十五
() になれば自由
             
 
(但し、家裁の許可要す。§798)

     十五未満
(法定代理人) 代諾

              
代諾なくば無効



    
離婚して監護 とか

         
親権停止 とか (別に)いるならば

           
その同意をもねばない


     代諾


            
監護とか 親権停止

        同意
なく
797された縁組

          
その縁組取消請求やれるのさ
8063



    但しその追認したり
  
             (
養子)本人十五 ()となって

        
六月(むつき)つか追認すればせぬ

    


    未成()

       
養子とするには福祉

        守
家裁許可

     許可
なくば798

            
未成()者養子 はできぬ




     
未成者養子

          
(家裁)許可なくば798

        
 福祉害するれぬ807

             
(養子が)自己(偶者)直系卑属以外

                    
され
    



          (家裁)許可なくば798

         
(
養子)本人(実方)親族代諾者

                  
取消請求できる
 

       但し 養子成人
           
(して)六月(むつき)つか

                   
  追認あればせぬ



成年養子要(配偶者)同意原則(796条)
 また、配偶者のある者が成年者を養子とするときは、配偶者の同意を得なければなりません(民法796条)。条文上は、「成年者と」(縁組するには)とはありませんが、未成年養子夫婦共同縁組原則795)により配偶者のある者が未成年者と縁組するときは、夫婦共同で縁組しなければなりませんから、ここは、配偶者のある者がその他の縁組をするときということで、成年者を養子とする場合のこととなります。その場合の、養親となる者の配偶者の立場(家族生活、扶養・相続関係等で少なからぬ影響を受けます)を慮って要同意とするのが、民法796条で、その同意を貰っておかないと、その縁組は取り消され得るとする規定が民法806条の2です。配偶者の同意が詐欺・強迫による縁組も、配偶者の同意のない縁組と同様に、縁組を取り消すことができますが、同意を欠く配偶者については縁組を知った時から、詐欺・強迫による縁組については詐欺が分かり、或いは強迫を免れてから、いずれも6か月が経過するか、それまでに追認があれば、取消権が消滅します。こちらもご覧下さい。
  


   夫婦者

   
養子縁組するに、

      やれるのに
806の2やらざる無精
  
         
連合(つれあ)いの

        
同意なくも796ネグったら


           縁組取消
される


          (
夫婦共同縁組か他方が表示不可ならば別)




   騙
されて、又、されてした
養子(組は)

           
詐欺強迫れて

           
六月(むつき)

    
ナシ
747(取消し)めてやまるのに806の2

      (詐欺判り
強迫逃れて)六月(むつき)つか

           
追認取消請求できぬ


§747は詐欺強迫による縁組の取消しに関する規定

縁組障碍縁組取消し
 
養子縁組にも婚姻同様に、縁組要件に欠けるものについては、戸籍届けの受理を拒まれ(§800)、あるいは誤って受理されても後日取り消されることとなる「縁組障碍」があります。列挙すると、未成(年)養親禁止(§792、§804) ()、尊・長養子禁止§793、§805)()後見養子禁止(要許可、§794、§806) (→)、未成年養子夫婦共同縁組(§795)(裁判所)許可(§798§807)原則()成年養子(配偶者)同意原則7968062) (→)、15未満の養子代諾 可797、§806の3)() となります。要するに、戸籍係縁組くに792 (から) 799 八箇条(はま)800縁組届まらぬ受理ならぬならぬけも一度(ひとたび)受理で、一応有効、然れどもやれそう803やれよ804(から)やれや808(まで) 五箇条められたる取消しの原因 あれば(家裁に) えて縁組取消できる也。」を具体的に説明することになります。重複になりますが、まとめのつもりで下記に述べてみたいと思います。そして、この縁組の障害事由があると上記のとおり縁組取消請求が待つことになります ( 但し、夫婦共同縁組に反した縁組、15歳未満児について代諾がなかった養子縁組は、初めから無効であって、取消しの対象ではありません ) が、縁組取消しには、障碍事由による場合に加え、 ( 婚姻取消しにおけると同様に) 詐欺・強迫を理由とする場合も加わります(民法808条による747条の準用)。取消請求は、尊属養子・年長養子以外の障碍事由について、例えば未成年養親については、養親が成年に達してから(§804)、後見養親については被後見人が成年に達し、あるいは行為能力を回復し、後見終了の管理計算が終わってから(§806)(先に計算が終わったときは、成年後あるいは回復後)6か月が経過すると時効によって、或いは、それまでに追認があると、取消請求権が消滅して請求できなくなります。取消期間は、婚姻取消しでは3か月であったのが、こちら縁組取消しは6か月と倍になります。縁組取消しの手続きは、婚姻取消しと同様ですが、こちらもご覧下さい。

 
民法は「成年に達した者は、養子をすることができる」(民法792条)とするので、その反対解釈で未成年者は養親となることができません(未成養親禁止の原則)。未成年者が養親となる届出は、受理を拒まれて縁組できず、誤って受理されても、養親又はその親族から取消しの請求をされ得ることになります(804条)。但し、受理されてしまった場合、養親が成年に達した後6か月を経過するか、又は追認したときは、取り消し得なくなります。「(子の)運は818養親さんの親権して、それで破綻818ない。ということで、養子に対して監護・教育等重大な責任を伴う親権者となる ( 他方、実親の親権は失われることになる )訳ですから、養親となるためには成年者であることが必須の条件となります。未成年者が婚姻したときも、「これによって成年に達したものとみなす。」(753条)法効果によって、養子をとることができます。(条句)

 
平成30年の民法改正により成年年齢は18歳に引き下げられましたが、養親資格は「20歳」とされて、実質的年齢は維持されることになりました。したがって、上に述べたところは、「未成(年)」とあるのを「未20歳(はたち)」と読み替えて頂かなければなりません。また、成年年齢と共に婚姻年齢も、成年と同じ18歳となりましたから、未成年者の婚姻という事態は消滅することとなり、ひいて、民法753条による成年擬制も条文が削除されますので、スッキリと「成人・結婚は一律18歳から。しかし、養親は20歳から」(養親(資格)20歳(以上)原則)ということになります。この成年・婚姻の年齢に関する改正法の施行日は令和4年(2022年)4月1日です。こちらをご覧下さい。

 しかし、養子となるべき者は、未成年者であるべきという限定はないので、成年者が養子となる場合は、養「親」であるに相応しい者であるための制限を受けることになります。つまり、

 尊属又は年長者を養子とすることはできない
(793条)との定め(尊・長養子禁止の原則)によって、これに違反する戸籍届けも受理を拒まれ、又、各当事者又はその親族から縁組の取消しを請求され得ることになります(800条805条)。「親」にとって、子たる者に尊属・年長の属性が伴うことはあり得ないからです。この取消請求権は、公の秩序に関係することから、消滅時効にかからないとされています。但し、提起された取消請求訴訟は、この取消請求権が一身専属であるが故に、原告である養親が死亡したときは、当然に終了するとする判例(最判昭51・7・27)あります。(条句)

 
次には、配偶者のある者が未成年者を養子にとる場合、上記のように親権を行使するについて、夫婦共同してしなければならない(818条3項)関係から、縁組は夫婦で共同してしなければなりません(795条)(夫婦 共同縁組 原則)。これに違反した縁組は、その戸籍届けの受理を拒否されます。そして、にも拘わらず誤って受理された場合については、上記未成養親・尊・長禁止の場合のように取消しできる旨の規定がありませんが、それは事柄が、一旦有効扱いされたものを取り消すという、瑕疵視できるものでなく、初めから無効とすべきものだからで、原則として、夫婦双方について無効とされます。但し、単独の親子関係を成立させることが、他方の配偶者の意思に反せず、その利益を害するものでなく、養親の家庭の平和を乱さず、養子の福祉をも害する恐れがないなど」の特段の事情の認められるときは、縁組意思を有する方と養子との間の縁組は有効と認めてよい旨を判示した判例(最判昭48・4・12)があります。(条句)

 この判決は、「夫婦が共同して養子縁組をするものとして届出がされたところ、その一方に縁組をする意思がなかつた場合には、原則として、縁組の意思のある他方の配偶者についても縁組は無効であるが、その他方と縁組の相手方との間に単独でも親子関係を成立させることが民法七九五条本文の趣旨にもとるものではないと認められる特段の事情がある場合には、縁組の意思を欠く当事者の縁組のみを無効とし、縁組の意思を有する他方の配偶者と相手方との間の縁組は有効に成立したものと認めることを妨げない。」とし、さらに、当該事件について、「甲男乙女夫婦を養親、幼児である丙を養子として届出のされた養子縁組につき、乙に縁組をする意思がなかつた場合であつても、右届出の当時、甲と乙とが別居しその婚姻共同生活の実体は少なくとも一〇年間は失われていて事実上の離婚状態が形成されていたものであり、甲および丙の親権者らは、乙とはかかわりなく甲丙間に縁組をする意思を有し、縁組後は、丙は、甲およびその事実上の妻丁に養育されて親子として生活をともにしており、甲丙間に親子関係が成立することは乙の意思にも反するものではなかつたなど判示の事実関係のもとにおいては、甲丙間においてのみ縁組を有効とすることを妨げない特段の事情が存在するものと認めるのが相当である。」として、当該縁組について縁組意思のある一方のみについての有効性を認めました。
 
この判決によって、未成年養子の要件である「夫婦共同縁組」原則が、民法795条の条文上は、「配偶者のある者が未成年者を養子とするには、」夫婦共同を要すとあるだけなので、配偶者のない者が未成年者を養子とする場合があり得ることを改めて認識させられましたし、そうとすれば、この判文に照らしても、未婚者・独身者が養親となる未成年養子縁組の家裁での許可判断には、子の養育の観点から、やはり同様に「特段の事情」が必要と思われます。殊に、2022年以降17歳までが未成年とされることとなり、未成年養子は、全てこれまでの所謂「児童」にあたる者(児童福祉法・児童の権利条約)を養子とすることになる点に照らしても、未成年養子の養親は夫婦であることをむしろ原則視するべきであるように思います。

 この③の事例と共通する面もありますが、配偶者ある者が、養子、或いは、養親となる縁組をしようとする場合は、他方の同意を得なければなりません(796)(配偶者要同意原則)。「縁組成ればそのから養親及びその血族は、なにせ727養子と血つづきの 親族扱いされるなり。」となりますから、 他方にとっては、婚姻関係に影響が大であるばかりか、夫婦で同じ養氏を称することになる(810)かも知れず、又、親族としての扶養義務を負い、ゆくゆくは、養子が相続分を得て自己の相続減に繋がることもあるからです。この違反についても同意をしていない配偶者からの取消請求が可能です(但し、その者が縁組を知った後6か月を経過し、又は追認をしたときは取消権は消滅します)(8062Ⅰ)配偶者が詐欺又は強迫によって同意した場合も同様とされます(取消請求権消滅時効の起算点は、詐欺と分かり、或いは強迫を免れてから6か月となります)(806条の2Ⅱ)。(条句)

 少し特殊な場合となりますが、後見人が、その被後見人を養子とする場合、地位の乱用から不正が行われないようチェックするため、家裁の許可を受けなければなりません(後見養子の要許可原則)。後見任務が終了した場合でも、後見に関する管理計算が終了しない間は同様とされます(794条)。これに違反した縁組届けは受理されませんし、誤って受理された場合は、養子又はその実方の親族から縁組取消しの請求をすることができます。但し、受理されてしまった場合、管理計算が終了して、養子が成年に達し又は行為能力を回復(成達・回復)した後6か月を経過するか、又は追認したとき ( 計算が終了する前に成達・回復したときは、計算が終了したときから6か月が経過したとき ) は、取り消し得なくなります。(806条)。(条句) 

 また、未成年者を養子とする場合、子が15歳未満であるときは、その法定代理人が子に代わって縁組の承諾をすることができます(797条1項)。この場合の養子を代諾養子と言います。そして、代諾のない縁組は結局縁組意思がないのと同じなので、縁組無効となります。また、この代諾には、親権者のほかに監護権者である父母(のいずれか)が他にいる場合には、その父母の同意を得なければなりません(同条2項前段)。親権を停止された父母がいる場合も同様とされます(同条2項後段)。この定めに違反した縁組届けは受理されませんし、誤って受理された場合は、同意をしていない父母から縁組取消しの請求をすることができます。但し、その者が追認した場合、又は養子が15歳に達した後6か月を経過するか、若しくは追認したときは、取り消し得なくなります。同意権者が詐欺又は強迫によって同意した場合も同様とされます(取消請求権消滅時効の起算点は、詐欺と分かり、或いは強迫を免れてから6か月となります)(806条の3)。(条句)

 最後に、やはり未成年者を養子とする場合ですが、子の福祉のために家裁がチェックする必要があるので、家裁の許可が必要とされ(798条)(未成年養子の要許可原則)、違反の縁組は縁組届けを受理されませんし、誤って受理された場合は、養子、その実方の親族又は代諾した者からその取消請求をすることができますが、但し、養子が成年に達した後6か月を経過するか、又は追認したときは、取り消し得なくなります(807条)。未成年養子に関するもう一つの関門である民法795条の条文上は、上記のように必ずしも養親が夫婦である必要はないのですが、この798条の許可判断に際しては、むしろ夫婦であることを原則とし、独身者が許可を求めた場合、独身者であっても養親たるに足りるとする特段の事情があることを要するとすべきだと考えます。(条句)



 未成年者〔二十歳未満〕養子とる 違法バレし804縁組

    尊・長尊重しない破礼()
805

    後見マント
羽織
806無許可でなした後見縁


  
やれるのに806の2同意なくも796連合いをネグった縁組

   
    代諾、親権
停止監護(権)同意をとらぬ縁組

           
取消請求やれるのさ
806の3



 未成年者
無許可養子いたくらみ(の)れぬ807

  の縁組(取消)請求すれば
やまるのに8062

  (成年後或いは欺し脅し脱した後)六月経過(取消しは)不可なれば

  
やれや 808取消りなば、えいわな807 808じゃ






縁組取消しの効果 
 縁組の取消しに、一般の法律行為の取消効である「遡及無効」
(民法121条)を認めると、取消しまでの間養親子として築いた社会生活を覆すこととなり混乱を招いて悪影響を及ぼしますから、縁組取消しには、「将来に向かってのみその効力を生ずる。(民法748条1項)と定める婚姻取消しの規定(民法748条)が準用されます(民法808条)。そして、準用される748条の2項、3項により、縁組により双方間に生じた財産の得喪関係については、これをそのまま維持するのは妥当でないため、縁組の時その取消原因のあることを知らなかった当事者が縁組によって取得した財産は現に利益を受けている限度において返還させ(748条2項)、知っていた当事者には得た利益の全部を返還させると共に、相手方が善意であったときはその損害賠償もすべきであると定められています(748条3項)。また、808条2項により準用される816条は離縁に伴う復氏の規定ですので、縁組が取り消される場合も、縁組前の氏に復することとなりますが、同条但書により、夫婦で養親であった内の片方とのみ縁組を取り消すときは復氏せず、また、縁組後7年を経過した後の復氏については、取消し後3か月以内での届出により養氏続称ができる、とされます。同じく808条2項により準用される769条は離婚に伴う祭祀承継に関する定めですが、この準用により、養子が縁組によって祭祀承継者となっていた場合、縁組取消しに伴って代わりの承継者を協議で決めることとなり、協議ができない、或いは、協議しても決まらない場合は家裁で決めて貰うこととなります。祭祀承継については、こちらもご覧下さい。



   やれや
808取消りなばそも縁組取消

       
遡及ナシ
748姓婿769南無矩769祭祀承継めて

     実氏
816復氏それで808れや


§748は婚姻取消しの効力に、§769は離婚による復氏の際の祭祀承継に、§816は離縁による復氏に関する規定



縁組の成立には縁組届け縁組能力縁組意思が必要です(民法799条739条738条)が、これらがない場合は
縁組無効となります(802条)。
縁組無効
 縁組をするについて当事者間に縁組意思がなく、或いは、縁組届けがない、若しくは人違いであった等の事由があれば、その縁組は、裁判等を要することなく、当然に無効(民法802条)であり、当事者以外の者からもその無効を主張することが許されます。縁組意思がない無効の例としては、夫婦共同縁組であることを要する未成年養子について、夫婦の片方に縁組意思がなかった場合や15歳未満の子の代諾養子縁組について代諾がなかった場合が挙げられます。無効な縁組の当事者となってしまった場合、第三者から縁組を前提とした主張がなされたときは、縁組取消しの裁判等を要せず無効を以て対抗することができます。とは言え、戸籍に記載のある縁組について戸籍の訂正 (戸籍の記載が、不適法又は反真実なとき真正な身分関係に一致させるよう是正すること) をしなければなりませんから、そのためには戸籍法により縁組無効の裁判を経なければなりません(戸籍法116条)。が、調停前置主義の定め(家事事件手続法257条)がありますから、まずは調停に付されることとなり、それが合意に達すると「合意に相当する審判」がなされます(家事事件手続法277条)。そして、調停不成立であれば、いよいよ人事訴訟(人事訴訟法2条3号)縁組無効確認の訴え」ということになります。その縁組無効確認の判例があります。一つは、旧法時の古い縁組ですが、法定推定家督相続人である養女の去家を可能にするため全くの方便として、その者の叔父を新たに養子とする縁組をしたという事案で、その縁組を無効とした下記判例1.です。次に、無効を主張された縁組を有効であると判示した下記判例2.をご紹介します。この判例2.によっても窺われますが、いかに人為的親子であっても、情交などの人倫に反する関係は社会的にも法的にも許されざることですから、その関係の継続を目的とする縁組は当然無効と言うべきです。しかし、それが、この事例のような過去のたまたまの出来事であったに過ぎず、縁組届けの時点においては当事者間に真に法的な親子関係を築く意思の合致があるのであれば、有効な縁組と認められるべきでしょう。また、前述のように、この縁組本来の目的が存在するのであれば、節税目的等ほかの目的・思惑があっても、縁組の成立を妨げないことについて、下記判例3.がありますのでご覧下さい。

1「当事者間に縁組をする意思がないとき」(民法802条1号)とは、当事者間において真に養親子関係の設定を欲する効果意思を有しない場合を指し、たとえ養子縁組の届出自体については当事者間に意思の一致があつたとしても、それが単に他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないときは、養子縁組は、効力を生じない旨判示した判例(最判昭23・12・23)
 
この判決は、上記のように述べて、当該縁組を無効とした原審判断を維持し、合わせて、養親子関係の設定を欲する効果意思のないことによる養子縁組の無効は、絶対的のものであつて民法93条但書の適用をまつてはじめて無効となるのではない旨も判示しています。

2過去に情交関係があつた当事者間における養子縁組につき縁組意思が存在したと認められた事例判例(最判昭46・10・22)
 この判決は、「養子縁組の当事者である甲男と乙女との間に、たまたま過去に情交関係があつたが、事実上の夫婦然たる生活関係が形成されるには至らなかつた場合において、乙は、甲の姪で、永年甲方に同居してその家事や家業を手伝い、家計をもとりしきつていた者であり、甲は、すでに高令に達し、病を得て家業もやめたのち、乙の世話になつたことへの謝意をもこめて、乙を養子とすることにより、自己の財産を相続させあわせて死後の供養を託する意思をもつて、縁組の届出に及んだものであるなど判示の事実関係があるときは、甲乙間に縁組を有効に成立させるに足りる縁組の意思が存在したものということができる。」と判示しています。


   

  さきに739Ⅱ799れと縁組みし

   親子
となるには
証人二人頼んで、()()

    書面
口頭難避739養子縁組




  
(養子)縁組親子になる

     
能力738あっても意思

        判断
できれば
()ができ

     難避
739 届出 ませたら799せて天気晴朗


     
§738は成年被後見人の婚姻に§739は婚姻の届出に関する規定



   ヤレ二人802

  ‘養子
とする
人違意思ナシナシ (のいずれか)ならば

                      
縁組 無効(養)親子ナシに742


    
但しさきに739Ⅱ証人二人不備

          
ナシに
742Ⅱとされて受理 有効


    §739Ⅱは婚姻の届出の方法に、§740は婚姻届の受理審査に、§742は、婚姻の無効に関する規定

縁組意思・縁組無効関連の判例として、次の判決があります。

○3.
専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても、直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできないとする判例 (最高裁平成29年1月31日判決)
 この判決は、その理由として「養子縁組は,嫡出親子関係を創設するものであり,養子は養親の相続人となると ころ,養子縁組をすることによる相続税の節税効果は,相続人の数が増加すること に伴い,遺産に係る基礎控除額を相続人の数に応じて算出するものとするなどの相 続税法の規定によって発生し得るものである。相続税の節税のために養子縁組をすることは,このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするもの にほかならず,相続税の節税の動機と縁組をする意思とは,併存し得るものである。したがって,専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ち に当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がな いとき」に当たるとすることはできない。 そして,前記事実関係の下においては,本件養子縁組について,縁組をする意思 がないことをうかがわせる事情はなく,「当事者間に縁組をする意思がないとき」 に当たるとすることはできない。」と判示しています。


養子の相続権 についても、上記判例に触れながら確認しておきたいと思います。縁組により嫡出子となる(§809)養子ですから、養親が亡くなったときには当然相続権があります。縁組によって被相続人の財産を継ぐ人を新たに(或いは更に)設けることが節税になる、というのはちょっと解せないと思われるかも知れませんが、相続自体ではなく、相続の結果に対する課税場面での話です。つまり、相続税課税には、まず基礎控除のステップがあり、この控除によって減額された相続財産の額 ( 正確には、それを仮に法定相続分で相続したとしたときの各相続人の取得額 ) に相続税率をかける訳ですが、この基礎控除が、平成26年までは、まず5千万円を計上した後、一人当たり1千万円を相続人の人数分だけ加算できるというものでしたから、相当な金額が相続財産額から減額になっていました。判例の事案では、相続人は長男と娘二人の三人だったようですが、平成24年に、父親と長男夫婦が相談して、長男の子つまり被相続人の孫を養子にして、相続人を計4人としたようで、そうすると、9千万円の控除となる訳です。相続人にとっては、大きな節税効果、長男にとっては増産効果ですが、反面、娘らにとっては、1/3だった相続分が縁組により1/4になってしまった訳ですから、縁組無効を訴えてそれを阻止しようとしたと思われます。ところで、この基礎控除は、平成27年からは、従前の6割分に縮小されて、3千万円プラス一人当たり600万円となりましたので、従前ほどの効果の大きさはなくなってしまいました。そして、このケースの場合は、被相続人に実子がいるので、加算が認められる養子は一人だけですから、1千万円の加算となりますが、控除枠もそれが限度で、このケースで養子を例えば二人とっていたとしても、一人分の加算しか認められません。実子がいない場合は、二人までというように、基礎控除を認められる養子の数に限度があるので、節税効果もその限度にとどまる訳です。特別養子であれば、基礎控除の面でも実子同様の扱いをして貰えますが、厳格な特別養子制度の下で専ら節税目的の縁組が許可される筈はないと思いますから、あくまで副次的効果ということです。さらに、判例の事例で付言しますと、事前に娘たちとも相談し、遺言をしてその中で具体的に娘たちも納得する相続分を定めておけば良かったのにと思われます。基礎控除のメリットを確保しつつ、皆が納得する相続とするためには、面倒でもそうすることが必要だったのではないでしょうか。なお、この例の場合、仮に相続開始時には長男が既に亡くなっていたとすると、養子となっていた孫は、その長男の代襲相続人(887条2項)でもあるので、この二つの相続資格を併有することになり、いわゆる重複相続をすることになります(昭和26年9月18日民事甲1881民号事局長回答)。具体的には、嫡出子扱いされる養子の立場での相続分1/4と、長男の代襲者として長男の持っていた相続分1/4とを合わせた2/4、つまり1/2を相続できることになります。残りは娘二人が各1/4です。資格が重複しても認められない場合については、こちらをご覧下さい。養子の相続税については、相続税算定のあらましもご覧下さい。


      


      息子逝き、(その息子の子)不憫うなら、

        
養子ようして887

       (財産を)息子わりの代襲と、養子自身と、

                
わせがせよ、爺心
()

         「して」は、7の伊語「セッテ」、西語「シエテ」から




特別
養子

 養子は、こうして養家の親族になりますが、実方の親族関係はそのまま残り、両方の親族関係が並立することになります。この実方の親族関係を断ち切る(民法817条の9)養子縁組の制度が「特別養子」です。特別養子は、子供の福祉を図るため、生みの親との法的な親子関係を解消し、子の実親でない夫婦が、共同してその子と実子同様の親子関係を結ぶ制度で、特別養子縁組の成立には、文字通り、普通養子縁組とは異なる特別の事情・必要のほか、①実親の同意、②養親の年齢、③養子の年齢、④半年間の監護、の大きく分けて四つの要件を満たす必要があります。但し、①の要件については、子の利益が実親による虐待等によって著しく害されている場合、又は、実親がその意思を表明できない場合には、同意を要しないとされています。そして、この縁組を希望する夫婦の請求により、家庭裁判所の特別養子縁組成立の審判があると、子はその夫婦の特別養子となります。特別養子縁組届けについてはこちらをご覧下さい。特別養子の戸籍は、一見してそれと分からない記載となっており、また、容易には遡って辿ることができないよう、元の戸籍と特別養子戸籍の間に中間戸籍を設け、第三者がその謄本請求をすることはできない仕組みがとられています。裁判所ホームページの説明はこちらをご覧下さい。(特別養子のことを知る手掛かりとなる放送がありました。NHKドキュメンタリー「カノン~家族のしらべ~」です。機会がありましたら是非ご覧になって下さい。)
 まず、特別養子縁組の成立(民法817条の2)、そして、その各要件(同条の3から同条の8)について見てゆきたいと思います。

 特別養子縁組は、養親となることを希望する者からの請求によって、民法817条の3から同条の7までに定められた要件全てを具備する場合に限り、家裁の審判によって成立させることができます。この請求をするについては、後見人が被後見人を養子とする縁組
(民法794条)や未成年者を養子とする縁組(民法798条)に必要とされる家裁の許可は必要ありません(民法817条の2、家事事件手続法76条164条166条)なお、この縁組は、保護を要する子に対し、実の両親に代わって両親としての養育を与えることを目的とするものですから、当然夫婦共同縁組でなければならない(民法817条3)ので、請求も当然夫婦共同申立てとなります。

   

  薄幸児監護たせぬに817の2そのならば可哀相

    這稚
8173(から)、背稚8177まで要件

     具備
せば養親たるべき
(たらんとする者)

         求
めによって
親族関係断って特別養子




  特別養子
這稚817の3

       
  〔
795()救護795より難事(なんじ)

    ( 故に、養親は)夫婦 (で、かつ)共同縁組必須

            但し、
嫡出連子(つれこ)此限(こぎり)でない


    
§795は配偶者のある者が未成年者を養子とする、夫婦共同縁組に関する規定



養親の年齢
 
乳幼児段階からの養育を要する特別養子の養親であるためには、年齢的にもある程度成熟し、安定した心情と社会的経験が必要ですし、親子の間の自然な年齢差もなければなりませんから、原則として、夫婦共に25歳以上であることが必要とされます。但し、うち一人が25歳以上でなくとも、その者が20歳以上であれば足りるとされています(民法817条の4)。また、この年齢制限は、請求時でなく、審判により特別養子縁組が成立する時に満たされていれば良いとされます。年齢の下限がこのように定められていますが、その上限はありません。したがって、世上散見される孫養子の場合のように初老期に入る夫婦にも制限はかからないこととなりますが、実際に特別養子の縁組請求が出された場合、子に実親同様の養育を授ける趣旨に叶うのか、乳幼児の養育の面倒に耐えられるのか、当該ケースに特別保護の条件が認められるか等々の審査は慎重にならざるを得ないのではないでしょうか。やはり、孫養子は、普通養子としての対処で臨むべきように思われます。



    這稚8174

       
   養親年頃
安定(子との) 年齢差 要すが故に


          二十歳(はたち)8174一方必五年(以上)



養子の年齢
 特別養子縁組は、実親との親族関係を断ち、養親との間に実親子同様の関係を築くことを目的とする縁組ですから、実親との間に親子間の愛着が生じる前に成立させる必要があります。そのため、特別養子となる子の年齢は、原則として6歳未満であることを要します。但し、6歳を過ぎた子であっても、その子が6歳になる前から養親となる者に引き続き監護されていた場合には、8歳未満であれば良いとされます。また、この年齢制限は、特別養子縁組の請求時に満たされていなければなりません(民法817条の5)


  

  親子形成 (のためには)実親愛着 (アタッチメント)未生(みしょう)

    這稚
8175必須なる六歳になる不可とされる也。

      
但し六歳前から監護八歳未満であればよし



特別養子縁組に対する実父母の同意
 
特別養子縁組の成立には、養子となる者の「父母の同意」がなければなりません。親としての被扶養権、子の財産に対する相続権等を結果として失うことはもとより、何より実の子との親子関係が断たれることになるのですから、原則として、実父母の同意は当然の必須要件となります。したがって、親権喪失の審判により親権を失った者であっても、「父母」であれば、原則としてこの同意権を有します。また、この「父母」には、養父母も含まれるとされていますが、実の父親であっても、婚姻外の父であれば、その者による認知がなければ、子との法的な父子関係は認められませんから、その者には縁組同意権は認められません。同意は、要するに特別養子縁組を成立させることを認め、受け容れる旨の意思表示ですが、方式が定められていないので、書面によらない口頭のものでも、その者自身の意思表示であれば、足りるとされています。また、意思表示の相手方も特には定められていませんから、審判により縁組を成立させる家裁に対する同意であることを要しないので、例えば、母親であれば、当然出産後の母親の心情の安定を待った後でなければなりません ( 欧州等では、母親の熟慮期間として2~3か月が保障されている国があるようです ) が、嬰児、乳児段階からの養育、或いは乳児院への措置等の過程でなされた同意であった場合は、その後特別養子縁組成立の審判までの間にその意思表示が撤回されていないことが確認されなければなりません。また、父母本人自身による意思表示でなければならず、代理人による意思表示では、同意ありとは認められません。そのように特別養子縁組成立のための重要な要件となる父母の同意ですが、ただし、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合( 私なりに「虐棄著害の事由」と言います )は、例外的にこの同意は不要とされています(民法817条の6)。その内「父母がその意思を表示することができない場合」とは、行方不明のため意思確認が不能である、或いは、意思能力のない心神喪失状態である等の場合が考えられます。そして、そのような場合であっても、後記する子のための特別の必要性に照らし、父母の同意が不要とされる訳ですが、上記同意権の重要性に鑑みれば、この要件の具備については厳格に審査されなければならず、単に審判時点で父母が父母として陳述ができない事情にあることだけで審判に踏み切ることは許されません。判例(最判平7・7・14)があります。この判決は、子の血縁上の父であると主張する者が戸籍上の父と子との間の親子関係不存在の確認を求める訴えを提起するなどしていたにもかかわらず右訴えの帰すうが定まる前に子を第三者の特別養子とする審判がされた場合のその審判について、「被上告人乙山花子を乙山高男、同雪子の特別養子とする審判(以下「本件審判」という。)が確定していることは明らかであるが、上告人は、被上告人花子が出生したことを知った直後から自分が被上告人花子の血縁上の父であると主張し、同被上告人を認知するために調停の申立てを行い、次いで本件訴えを提起していた上、本件審判を行った福島家庭裁判所郡山支部審判官も、上告人の上申を受けるなどしてこのことを知っていたなどの事情があることがうかがわれる。右のような事情がある場合においては、上告人について 民法八一七条の六ただし書に該当する事由が認められるなどの特段の事情のない限り、特別養子縁組を成立させる審判の申立てについて審理を担当する審判官が、本件訴えの帰すうが定まらないにもかかわらず、被上告人花子を特別養子とする審判をすることは許されないものと解される。なぜならば、仮に、上告人が被上告人花子の血縁上の父であったとしても、被上告人花子を特別養子とする審判がされたならば、被上告人花子を認知する権利は消滅するものと解さざるを得ないところ(民 法八一七条の九)、上告人が、被上告人花子を認知する権利を現実に行使するためとして本件訴えを提起しているにもかかわらず、右の特段の事情も認められないのに、裁判所が上告人の意思に反して被上告人花子を特別養子とする審判をすることによって、上告人が主張する権利の実現のみちを閉ざすことは、著しく手続的正義に反するものといわざるを得ないからである。」と述べています。認知の途を閉ざしたことは、ひいて実親としての特別養子縁組に対する同意・不同意の機会も奪ったことになりますから、そのようなことにならぬよう手続的正義の観点から同意権確保は厳守されなければなりません
 したがって、家裁が父母の同意がないにも拘わらず縁組成立の審判をするときは、養子となるべき者の父母の陳述を審問期日に聴取しなければなりません
(家事事件手続法164条3項)。次に、上記の「父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合」 ですが、ここで法が示す虐棄著害の事由は、民法834条が親権喪失の要件として掲げる事由と酷似しており、いわば「親として失格」の者たちということになりますが、そのような場合は、その親の存在自体が子の利益を著しく害することから、その同意は不要とされる訳です。しかし、前述のとおり、民法817条の6は、原則として、親権の喪失者からも同意を要する趣旨と解され、手続的正義は確保しなければなりませんので、親権喪失者については、縁組審判までにその者から同意が得られれば別ですが、ない場合でも、審問時の陳述等により、特別養子縁組の審判時においても、例えば、未だにその者による他の子に対する虐棄著害があったり、関係機関に対する対応等から事態に改善がない等の事情が認められれば、虐棄著害の事由ありとされて、その者の同意を要しないこととなります。
   

    〔 特別養子成立

    「背血
817の6 ()父母同意 するが

     
その父母 (意思) 表示できぬとか虐待遺棄 (ほか)子に著害

     あらば
そのなのに817の2特別養子は成り立ち得同意は不要)


特別養子縁組の特別保護要件
 特別養子縁組は、それまでの普通「養子縁組」制度があるのに、実親との親族関係を断って、乳幼児期から実子同様に養育できる制度を創設することを目的として、昭和62年に新たに設けられた制度です。ですから、その縁組成立のためには正に特別な事情と必要のあることが要件となります。これを民法817条の7は、「父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。」と定めます。まず、①この要件の前半は、主として、子の養育にとっての実父母側における著しいマイナス要素が念頭にあると言え、②要件の後半は、主として、子にとって養親側に大きなプラス要素のあることが要件となっていると言えます。その具体的な例を挙げれば、①の実父母側の要素としては、例えば、父母の死亡、行方不明、貧困等の、実際に養育不能であったり、著しく困難である状況が考えられ、また、虐待や著しく偏った養育態度、さらには、性犯罪被害者となっての出産であるため感情的に母性愛を感じられない等の特別な事情の場合もあります。②の養親側の要素としては、子の養育の現状に比べ、家庭環境、経済的条件等において明らかに改善が見込まれ、現状に照らせば実父母との親族関係を断って養子とすることに特別の必要性がある場合等ということになります。いわゆる「借り腹」事案であった前述の「代理母」判例の事案では、最高裁の判決後された特別養子縁組の請求に対し、裁判所は「貸し腹」側である代理母には養育の意向がなく、血縁のある養親側に真摯な養育意向が認められるとして特別養子縁組の成立を認めましたが、この場合、両者の養育意志の大きな落差と血縁とが特別の事情・必要の要素となっていると思われます。そして、何より、養親子が事実上の血族であることから、養育の基礎に「融合創一」関係を優に認め得ることが大きな要素であったのではないでしょうか。



    背稚817の7監護()(じる)しく(困)不適 (当という)

            
特別事情
()ため特別必要あること必須。




特別養子縁組成立に必要な半年間の監護
 特別養子縁組の成立には、「養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない」とされ、この期間は、特別養子縁組の請求の時から起算するものと定められていますが、但し、「その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。」とされます(民法817条の8)。この規定の趣旨は、子が審判後に養親の元で法の期待どおり実子同様に養育されることが可能か否か、養親の適格性と養親子の和合可能性を見極めるための試験的養育期間として「6か月以上」が定められているとされます。したがって、請求前から養親となる夫婦の元で里子等として上記適格性等の見極めには十分な期間を過ごし、その監護の状況が明らかである子については、請求後直ちに成立審判を受けることもあり得ます。この規定の趣旨はそのとおりで、そこに何ら問題はないのですが、特別養子制度は、子の利益のためにある制度の最たるものと言えますから、法律要件充足の重要性もさりながら、子が愛育される未来を確実なものとすることが何より重要です。子は、実父母或いは施設から養親の元に養育の場を移されていく過程で、様々な心的激動を体験する訳ですから、養育条件の重要な移行期でもあるこの試験的養育期間は、激動による心的傷害を被ることのないよう子の監護に係わる監護者・関係者間で細やかに配慮をしつつ連携を密にして子に接し、その養育の経過を踏まえ、子が養親に対する愛着をしっかり抱くことができるよう、一貫して子とも養親とも安心と信頼の関係を築き積み上げていく期間であり、また、子を失うこととなる実母・実父に対してもその喪失感を癒やすためのケアに努めるべき期間とも言えます。要は、本来は夫婦・子供の間での絆である融合創一を、社会が代替・支援して、「融合総一」で結ばれた信頼と癒やしの絆の中で、子が養親に対する確かな愛着を得、無償の愛の中で成長できるよう、皆が協力し合わなければなりません。





     特別養子 に、

     破綻
せぬよう
817の8請求からの六月(むつき)以上

                       試験的
監護状況 要考慮 ( 試験養育 )

   
但し、監護状況らかならば請求以前起算でも六月以上めらる

   


特別養子制度のコアというべき実親との血族関係の終了を規定するのは民法817条の9ですが、その条句をご覧頂きます。


   特別養子
()れば

     実父母
とその血族背血8179

            血族
(との親族)関係 たれ終了



     結婚相手嫡子、特別養子()

          する
場合なら背血退()817の9  (親族関係終了しない)



特別養子の離縁
 特別養子の離縁は、養親に虐待・遺棄等養子の利益を著しく害する事態があって、子のため特に必要があり、実親に監護可能性が認められる場合のみ、審判によって離縁が可能となります
(民法817条の10 )。離縁の請求権は、養親には認められず、子と実親或いは検察官からのみ家裁に請求することができ、家裁の審判により離縁が成立すると、離縁の日に実方との親族関係が復活します。 なお、特別養子の戸籍は、容易には遡って辿ることができないよう、元の戸籍と特別養子戸籍の間に中間戸籍を設け、第三者がこの謄本請求をすることはできない仕組みがとられています。



  特別養子
(縁組) ったれば離縁 原則不可なるも、

  養親に
虐待(悪意の)遺棄(ほか)()()のため

   著害
(事由) があれば、

         監護
をばたせぬ自由81710はないに、

             例外
(的に)離縁ができる


    
実父母相当監護可能であって

         子
ため特別必要あれば(養子、実父母、検察官の求めによって)

             審判
離縁することできる



 
  特別養子
養親(虐待 遺棄)子利著害事由あれば

    監護「
たせぬ自由81710」はない実父母相当監護可能なら

                          
離縁審判
できる也。



  
特別養子離縁となればたせぬ一意 817の11解消

         実父母
とその血族親族関係その復活をする



 
 縁組の解消である離縁にも、離婚同様、
裁判離縁協議離縁の二種類があります。当事者間に離縁意思の合致があって、離縁届けがされれば、任意に協議離縁ができます。そして、任意の離縁ができないときは裁判離縁となりますが、裁判離縁には法定の離縁原因(民法814条1項)があり、その離縁原因たる事由が認定されても、裁量により離縁請求が棄却される場合がある(民法814条2項770条2項)点も、離婚と同様です。縁組能力がないとされる15歳未満の者については、養子縁組の際の代諾と同様に、原則として養子の父母が代諾することにより離縁することができますが、養親との離縁の訴えでも同様に父母が当事者となります(民法815条)一方当事者が死亡している場合の離縁については、家裁の許可が必要となります(民法811条6項)。また、夫婦養親が未成年の養子と離縁する場合は、夫婦共同で離縁しなければなりません(民法811条の2)
 離婚には、大別して協議離婚裁判離婚の二つがあって、それぞれ合意と強制の性質を持ち、その中間に、調停離婚と審判離婚があると述べましたが、離縁についても、上の二種類の中間に調停離縁と審判離縁があります。こちらもご覧下さい。




協議離縁
 
縁組能力がないとされる15歳未満の養子の協議離縁については、養子縁組の際の代諾と同様に、離縁後に法定代理人となるべき実父母が子の代わりに養親との離縁協議に臨み(民法811条2項)、父母が離婚しているときは、その協議でいずれかを親権者と定めて、親権者となった親が離縁協議に臨みます(民法811条3項)が、親権者を定める協議ができないときは、家裁が協議に代わる審判で親権者を決めることになります(民法811条4項)。子の身分行為の代理について、こちらもご覧下さい。
 協議離縁届けには婚姻届けの民法739条が準用される
(民法812条)ので、縁組時(§799)と同様に成人の証人二人の署名・押印と共にした協議離縁届けが必要です。また、離縁届けは、上記の代諾離縁の要件を具備していること(§811Ⅱ~Ⅴ)、一方当事者が死亡している場合には家裁の許可があること(§811Ⅵ)、夫婦養親が未成年養子と離縁する場合は夫婦共同離縁となること811の2)、証人の要件を満たしていること(§739Ⅱ)、その他法令に違反していないことが確認されないと受理して貰えません(民法813条)。しかし、この審査に戸籍係のミスがあっても、ひと度「受理」されると、「離縁は、そのためにその効力を妨げられない」とされています(民法813条2項)また、離縁の効果としての復氏(§816Ⅰ)をせず、縁組の日から7年を経過した後の離縁で 養氏続称 を希望する場合は3か月以内に役所に届けることになります(戸籍法73条の2§816Ⅱ)。


裁判離縁
 裁判離縁でも、その離縁原因として、離婚の際の離婚原因と同様、法で定められた具体的と抽象的の二種類の離縁原因があります。具体的離縁原因は、悪意の遺棄3年以上の生死不明という二つの個別原因であり、抽象的離縁原因は、離婚におけると同様の「縁組を継続し難い重大な事由」とされています(民法814条1項)そして、離縁にも、裁判で離縁事由が認定されても請求どおり離縁が認容されない裁量棄却があり得ます(民法814条2項)。ですので、その際の判断にも、昭和62年の離婚判例(最判62・9・2)で示された裁量棄却事由の判断同様の判断が働くものと思われます。したがって、当該離縁請求に裁量棄却事由が有りや無しやの判断は、「離縁の請求が正義・公平の観念社会的倫理観に反するものであつてはならないので、当該離縁請求を認容することが、当該の縁組を巡る当事者の意思・感情、離縁により被る社会的・経済的影響等の諸事情の下で、未成熟子である養子や高齢の養親等の当事者に極めて苛酷な状態を招来することとなる等の特段の事情があって、著しく社会正義に反する結果となることはないか、或いは、離縁が有責当事者からの請求にかかるものであれば、その責任の態様・程度が著しく重く、その者による離縁請求を認容することが著しく信義誠実原則に反する結果となることはないか、の判断にかかり、これらの点がない限り離縁請求は許される。」と引き直して述べることができるのではないでしょうか。
 
判決で離縁が確定したときは、原告となった者は10日以内にその旨の離縁届けをしなければなりません。調停や審判等で離縁が成立したときも同様で、手続きを起こした者が成立した手続きを明示して届けます。訴えや手続きを起こした者が定められた届出をしないときは、その相手方からも届出することができます
(戸籍法73条、63条、戸籍法施行規則57条Ⅱ、家事事件手続法268条287条)。前記10日の期限は、それを過ぎてしまったからといって届出ができなくなる訳ではありません。その日を過ぎると、相手方からも届出が可能となる基準日ということになります。



  裁判離縁廃養814
 
      
(3年以上)生死不明悪意の遺棄

   
やっていけない
大事(おおごと)(縁組を継続し難い重大事由)

      
いずれか具備をするならば
離縁なしマル770なるも

               
遺棄
か或は (生死)不明なら裁量棄却もありるよ 

                         
§770は裁判離婚の離婚原因に関する規定



  養縁破綻(はたん) ()811 (には)

     離縁
配意
811 (があって)協議離縁ができる
  



  
()十五() 815未満 離縁

    
(養子)本人事情ようわん811

     
(離縁後に)()( )たるべき実親

    代諾
するか、さもなくば離縁の訴えできる也





  養子
父母(ちちはは)()離婚ならば

   協議
れか一方親権者にとむべし。


  
協議不可なら審判による。法代たるべきなくば

         
めによって裁判所後見人選任


 
  
養縁者一方 死亡した離縁は、家裁 許可          

   
§815は養子が十五歳 未満である場合の離縁の訴えの当事者に関する規定



成年被後見人の離縁
離縁届け
詐欺・強迫による離縁 (離縁取消し)
離縁無効

 離縁には、成年被後見人の婚姻に関する738条、婚姻届けに関する739条、詐欺・強迫による婚姻の取消に関する747条が各準用になります(民法812条)これにより、離縁も、身分行為であるから、財産行為に関する行為能力の制約がなく、従って、後見人の同意を要しないこと、また、届出によって効力が生じるので、離縁意思と共に届出が必要なこと、それには成人二人の証人が必要なこと、離縁が詐欺・強迫によるものであれば、離縁の取消しが可能なことが定められていることになります(但し、詐欺が分かり、強迫を免れてから6か月以内に取消請求をしないと取消権が消滅します)。なので、離縁意思がない場合は、はじめから離縁無効ということになり、第三者から離縁を前提とした主張をされたときには、取消裁判を待つことなく無効の主張をすることができますが、戸籍上離縁の記載が載ってしまいますから、自分から戸籍訂正をして貰いたい場合は、離縁無効の確認を得るため裁判所の手続きを践まなければなりません。こちらをご覧下さい。


    離縁
なる養子縁組 破綻 812

      
精神
(被後見人)波は738静めて

     証人を二人伴い難避く
739 ()

          
(離縁に)()() があれば
 
     詐欺
判り
強迫逃れて六月(むつき)の内に

     
ナシな
747 (取消し) 求めばやまるのに8062六月(むつき)経過か追認取消請求できぬ也

§738は成年被後見人の婚姻に、§739は婚姻の届出に、§747は詐欺又は強迫による婚姻の取消に、§8062配偶者の同意が詐欺強迫に因った縁組の取消し等に関する規定






離縁の効果
 離縁の効果としては、養親及びその血族との間の親族関係の終了
(民法729条)、復氏(816条)、縁組によって氏を改め祭祀主宰者となっていた養子が離縁する場合の祭祀財産の承継(817条769条)と離縁後に残る婚姻障碍(736条)等があります。当事者の一方の死亡後の離縁は、家裁の許可を必要とします(民法811条6項)。死亡によって養親子の関係は当然に終了しますが、養親族関係が継続するので、それを終了させるものです。養親の一方が死亡し、他方は生存する場合、完全な離縁のためには、生存親とは通常の離縁をし、死亡親とは死後離縁をすることになります。離縁の当事者は養親又は養子であって、その親族から離縁を求めることはできません。養子の配偶者が養子の死後、養親との姻族関係を終了させたいと望むときは、姻族関係終了の意思表示をすれば足ります(民法728条2項)。離縁や姻族関係の終了によっても、一旦直系の姻族となった間柄である以上、その後の婚姻は禁じられます(民法736条)。離縁によって復氏となる( 但し、夫婦養親の一方とのみ離縁する場合は、復氏は伴いません )のが原則である点は、離婚と同じですが 、離縁後3か月以内の届出により、離婚における婚氏続称のような養氏続称が可能とされるのは、縁組後7年以上経過したケースの場合に限られます(民法816条2項)。復氏すると縁組前の戸籍に入る(戸籍法19条)ので、縁組を重ねる転縁組のケースでは、実氏ではなく、離縁する縁組の直前の縁組での養氏に復することになります(こちらの婚氏続称を参照下さい)。祭祀承継については、離婚時のそれに関する民法769条が準用され、協議によって祭祀主宰者を決めて、主宰者が祭祀財産を承継することとなりますが、協議ができない、或いは協議が調わないときは、家裁が決めることとなります。こちらをご覧下さい。




   (なつ)729でも養子(縁組後の)なら

     
離縁によって(縁組による養孫の)縁切れる



  養子
並びにその
孫子(まごこ)それぞれの配偶者

    七福729一族離縁によって

           
養親その血族縁切れる




   離縁したなら実氏(縁組前の氏)いろ816在縁 七年

   
(縁組前の氏に)なく三月(みつき)

   
名務して
767養氏続称 できる


     
「養」破綻816続称


  §
767は離婚による復氏等の規定。「して」は7の伊語「セテ」、西語「シエテ」から



   改姓養子祭祀いでいた場合な817

   離縁
(離婚)南無矩769準用協議祭祀者廃置817する

      協議不調
家裁



   
仏壇仏具() 祭祀()(祭祀)主宰者

       
その承継離婚時769離縁時廃置817

     逝
ってもくな897(祭祀承継者を)めねばない


   §769は、離婚復氏の際の祭祀承継に、§897は、相続に伴う祭祀承継に関する規定




   
養親養子離縁後婚姻なさる736禁忌也

    養親子離縁したならなさろう736とおいなしは浅慮也

    養子
並びに その(系)(属)それぞれの連合いも

                (いずれも)
()()とは禁婚間


 なお、終生扶養を受けたいとの動機から養子縁組をし、それとほぼ同時に、その代わり所有する不動産の大半を養子に遺贈するとの遺言をしたものの、その後養子に対する不信を深めて協議離縁に至ったという経緯に鑑み、遺言が撤回されたとみなされた事例判例(最判昭56・11・13)があります。



離縁無効

協議離縁無効確認調停

 養子縁組は、届け出ることによってその身分行為が完成して成立し、それに伴い重要な各種の効力が発生しますから、その受理には、障害事由の有無の審査が重要です。しかし、この身分関係を解消する離縁については、親権者の定め等の要件を具備し、離縁意思の合致があり、届出が受理されれば、離縁は有効に成立します。この効力は、縁組の解消が将来に向けて生じるだけなので、詐欺・強迫による離縁は後から離縁取消しの裁判の余地が残りますが、そうでないものは、その身分行為の核心である離縁意思の合致を重んじて、その余の点に関する受理審査にミスがあっても、離縁の効力は妨げられません(813条2項)。但し、離縁意思の合致がなかった場合は、その離縁は当然に無効ですから、第三者から離縁を前提とした主張をされたときには、離縁取消し裁判を待つことなく、無効の主張で対抗できます。とは言え、戸籍に存在する離縁の記載を訂正 (戸籍の記載が、不適法又は真実に反するとき真正な身分関係に一致させるよう是正すること) しなければなりませんから、その戸籍訂正のためには、その離縁が意思の合致がない故に無効であると確認する裁判を経なければなりません(戸籍法116条)。しかし、裁判所では、調停前置主義という原則(家事事件手続法257条)があるので、まずは家裁で調停に付されることとなり、当事者間で合意に達すると合意に相当する審判がなされます(家事事件手続法277条)。調停が不成立で終わると、同じ家裁での人事訴訟離縁無効確認の訴え(人事訴訟法2条3号)で争うことになります。こちらもご覧下さい。


 
里親制度について

 
成年養子を除く普通養子及び特別養子は、いずれも子との間に法的な親子関係(嫡出親子関係)を築いて養育をするという、民法に基づく、個人による縁組制度ですが、保護を要する子に対し児童福祉法に基づいて児童相談所と都道府県との連携の下に、家庭的な場で、法的親子関係を伴わずに養育を行うのが「里親」制度です。主としては、原則18歳までの児童を対象とする「養育里親」 (児童福祉法6条の4①) と原則6歳未満の児童を対象とする「養子縁組里親」 (児童福祉法6条の4②) があります。後者は、特別養子縁組の成立を目的として、児童相談所からの委託により成立し、その後、試験養育期間を経て、家庭裁判所へ申し立て、家裁の審判により特別養子縁組が成立するというように進みます。これらの里親を希望する場合は、欠格事由(児童福祉法34条の20)にあたらない等、定められた要件を満たすことが確認された後、必要な研修を受け、審査の上、都道府県ごとのそれぞれの名簿に登録されると里親資格を得ることになります。そして、要保護児童との出会いの後、面会・宿泊等の交流を通じその子との適合性等が確認されて、その子の里親に選定されると、里親委託を受けて実際に養育が始まることとなります (児童福祉法27条1項3号) 。里親が子を養育するための経費や生活費等については定められた額の支給を受けることができます。厚生労働省のこちらのホームページをご覧下さい。左下「里親リーフレット」をクリックすると、その2ページ目に、不妊治療から養育里親になった例や「週末里親」の例などが、「いろいろある、里親のカタチ」として紹介され、また、御自分が、戦争で13人家族の中でただ一人生き残り、孤児院から引き取られて、養母に育てられた女優サヘル・ローズさんの文も載っています。





後 見 は、狭義においては、親権者のいない未成年者及び弁識能力を欠く常況にある成年者身上監督と財産管理を目的とする制限的行為能力者保護制度の一つとされます (→ 法定後見(広義) 仕組みのあらまし をご覧下さい)

条文の配置について

 民法は、第五章「
後見」の冒頭に「後見の開始」の規定(838条)を置いた後、上記の内の未成年者の後見に当たる未成年後見人の指定に関する規定(839条)未成年後見人・成年後見人の選任(§840§841§843)辞・解任、欠格に関する規定(§844§847)を置き、続いて、後見人の監督に当たる後見監督人に関する各規定(§848§852)を置いています。したがって、やや惑わされるのですが、後見人のそれら任免関係規定の後に、続くべき後見人の任務規定が来ずに、先にこの必ずしも必須の機関ではない後見
監督人にまつわる下記の規定が並びます(但し、852条より後の条文は、後見監督の「款」が終わって、次の節「後見の事務」に入っています)。続く後見の事務(第三節)(§853§869)後見の終了(第四節)(§870§875)で後見の章が終わると、次の第六章が「保佐及び補助」ですが、これも条文の配置が異色です。初めの876条だけが独立の一箇条で、これが保佐の開始の条文。以下、876条の2から876条の10まで、この章全てが枝番で埋め尽くされます。それも、876条の6補助の開始」と代理権付与規定 (876条の4876条の9) 以外は、一目瞭然 準用規定の羅列と言える記載で、殆どが成年後見(或いは成年後見と同様 委任、親権)規定を準用しています。配列は、保佐(876条の2から同条の5)、補助(876条の6から同条の10)の順で、まず選任関係の規定、次いで監督人代理権付与の関係と続き、事務任務の終了関係の規定で終わります。そして、ここでの監督人についても、下記後見監督人と同様の準用がされています(各「準用」の下線クリックでご覧下さい)。要するに、後見・保佐・補助のいずれについても、条文の配列は「保護開始・任免・監督・事務・終了」の順で並んでいます。そして、保佐と補助では、「事務」の冒頭に、事務権限としての代理権規定あることになります。

後見監督人にまつわる規定
(配置) その条句でまとめたものがこちらです。

 ①後見監督人の
   指定
(「指定することができる」とあります。§848)
   ・選任 ( 請求によるほか、家裁の職権によっても選任できます。§849)
   ・欠格(§850)の規定と
後見監督人の職務に関する規定(§851)、そして、

 ②後見監督人について852条により準用される 

     ア 委任関係規定(§644
(善管注意義務)§654(終了後の処分)§655(終了の対抗要件))、
     ィ 後見人関係規定(§844
(辞任)§846(解任)§847(欠格)§861(事務費用)§862(報酬))、

 ③また、同条により
未成年後見監督人に準用される
     ア 選任基準規定§840Ⅲ
     ィ 数人時権限規定§857の2

  同じく
成年後見監督人に準用される
     ア 選任基準規定§843Ⅳ
     ィ 数人時権限規定§859のⅡ
     ウ居住不動産の処分許可規定§859のⅢ



法定後見(広義)仕組みのあらまし
 子は、実親や養親の親権の下に入りますが、不幸にして親権による保護に与れない場合は、未成年後見(民法5条838条1号)により保護されることになります。その他、精神障害により財産的な弁識能力が、法律行為に必要な行為能力に及ばない人のための保護の制度として、その能力を欠如する常況にある人のための成年後見(民法7条)著しく不足する人のための保佐(民法11条)不足しているがその程度が著しくない人のための補助(民法15条)の各制度があります。これらを総称して広義の法定後見と言います。成年後見は、被後見人本人がその能力的制約から、日用品の購入等日常生活に関する行為を除き、自分で法律行為をすることが殆どできないので、後見人が法律行為を代理することにより保護がなされます。未成年後見においても、同様に代理による保護がなされますが、本人が弁識能力を備えている場合を想定できるので、本人の行為に後見人が同意を与えるという形での保護も合わせ行われます。保佐と補助は、それを受ける本人に制限的ではあるものの行為能力があるとの前提ですので、基本的に本人の行為に、保佐人・補助人が同意するか否かのチェックをすることにより、又、さらに、保護を十全にするため、本人が望み、或いは、同意をすれば保佐人・補助人に代理権限を付与することによっても、保護しようとするものです。但し、保佐も補助も、上記成年後見同様、本人の日常生活行為については、何らの制限も伴いません。ですから、日用品等の購入のほか、光熱費・水道料・電話代等の支払いや、そのための少額の預貯金の払戻し等は、能力問題で取り消される懸念がありません。保佐・補助の違いの具体的説明、保佐人・補助人の任務・権限等についてはこちらをご覧下さい(その条句をまとめたこちらもどうぞ)。保佐・補助の関係事項は、保護開始や保護体制等こそ後見と異なるものの、その他は(未成年後見を除く) 成年後見の関係と共通するものがあり、選任関係、事務関係、終了関係等、殆どが後見規定の準用です。そして、後見・保佐・補助の関係事実等は、取引の安全・敏速のため後見登記簿に記載され、請求により開示されます。ですので、後見・保佐・補助の法定後見制度と後記任意後見制度の各利用者の事項,法定後見の各開始審判や法定後見での代理権限事項、並びに 任意後見契約の契約内容等は、登記事項として東京法務局の後見登記課において登記され(登記申請は東京法務局の窓口で行います)、公示されるところとなりますが、その開示は、本人はじめ一定の権限を有する者の請求により、地方の法務局でも登記事項証明書の交付によって受けられる仕組みとなっています。


 ここでは、まず狭義の後見について、その開始
(民法838条)から、未成年後見人の指定(839条)、後見人の選任(840条843条)・父母による選任請求(841条)、未成年後見人による親権代行(867条)、後見人の辞(844条845条)・解任(846条)・複数選任時の権限(857条の2859条の2)まで、主として後見人の選任関係等を中心に関連する規定を、条句を通して概観してみたいと思います。


後見開始
 後見は、① 未成年者に対して親権を行う者がないとき、若しくは、 親権を行う者が管理権を有しないとき、又は ② 後見開始の審判があったときに開始されます(民法838条)。前者は未成年後見、後者は成年後見と呼ばれます。未成年者に対する保護は、本来の親権による保護が叶わないときの、ここでの未成年後見の一種があるだけですが、成年後見は、成年者に対する保護として、財産行為に関する弁識能力の程度に応じ、これを欠く状況にあるときの、ここでの成年後見のほか、同能力が著しく不足する「保佐」、不足するが著しくはない「補助」の三種の保護がある内の成年後見であり、以上の二種の後見に関する開始の定めが民法838条ということになります。未成年後見の開始は、親権を行う者がないという事実、ない訳ではないがその者が管理権を失うという事実が発生すると同時に後見開始となる定めとなっていますが、実際には後見人の指定(§839)も選任(§840)もない侭に親族等による事実上の保護がなされているという現状があると言われますし、事実上の保護さえない放置の事態もあるのではないかと懸念されます。そのような現状を正規の扱いに乗せ、後見による身上監護や法定代理等を通じて保護が行き届くようにする必要があります。また、児童福祉法 33 条の8によれば、親権を行う者がない児童等については、その福祉のため必要あるときは、児童相談所長が未成年後見人の選任を請求しなければならず、その児童に親権を行う者又は未成年後見人があるに至るまでの間、児童相談所長が親権を行うとされていますので、法律上、必要があるのに親権或いは後見による保護から漏れる児童があってはならない筈なのです。児童相談所の体制を一層強化して、これらの規定が万全に機能するようにしなければなりません。児童の保護者と共に、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う国及び地方公共団体(児童福祉法2条)は、親権者等の保護を受けられない状況にある児童に現実の福祉が行き届くようきめ細かな体制を整える責務があると思います。離婚後の親権・後見については、こちらもご覧下さい。

 

   
       家族団欒 晩餐838無縁となりし孤老孤児

       
ありて(やさ)(はん)
838(優しさの手本(造語)後見開始



      (うしろ) から
          
のあるにより

        前途
838ないように

               
未成年者親権がいない とき

            
   ②いても
(財産)管理 (権有しないため)のできぬとき

        
     
(識)(力)欠如常況者(§7) (成年後見)開始審判  ありしとき

            
後見開始される


後見人
の選任

 
民法は、未成年後見人の指定について、最後に親権を行使する者は、遺言で後見人の指定ができる旨を同法839条で、遺言による指定のない場合の未成年後見人の選任について、未成年者本人、その親族、利害関係人の請求によって家裁が後見人を選任する旨を、その選任基準と合わせて840条で、それぞれ規定し、また、841条では、父母が親権を喪失等した場合、必要があれば父母から遅滞なく選任の請求をしなければならない旨を定めて、未成年者の保護に欠けることのないよう配慮しています。
 民法842条は、未成年後見人は一人でなければならないという規定であったのですが、平成23年の民法改正時に、削除されました。後見人を一人に限定してしまわずに、事案の内容等の諸事情から後見人が複数いた方が相応しい場合に備えるためです。そして、同じ改正時に840条の2項、3項が新たに加えられ、これにより家裁は未成年後見人を追加的に選任して、後見人を複数体制とすることも可能となり、また、法人を後見人に選任することも可能となりました。そして、同時に新設された857条の2では、未成年後見人が複数の場合、統一した保護を行う必要性から共同後見とするのを原則とし、場合によって、必要に応じ財産管理の権限を内一人に担わせたり、同権限を分掌したりすることができる旨を定めて、未成年後見人複数時の権限関係を明確にしました。なお、遺言によって指定された未成年後見人は、遺言の効力発生と同時に就任する形 ( 例えば、遺言執行者については、1007条のように就任の諾否を前提した条文がありますが、この場合はそのような規定がなく、遺言の効力発生と同時に指定の効力が生じて就任となると解されています ) となるので、就任を望まないときは、844条の辞任の規定による他なく、その場合は、就任意思のないことが同条に定められた辞任の「正当な事由」となるものと解されます。
 次に、
成年後見人の選任については、民法843条が、家裁が後見開始の審判をするときは、同時に、職権で後見人を選任するとして、その選任基準を合わせて規定しています。なお、同条2項は、成年後見人が欠けたときは、家裁は、成年者本人、その親族、利害関係人の請求により、又、選任請求がなくても職権によって、後見人を選任することができる旨を、同条3項は、家裁は、既に成年後見人が選任されている場合であっても、必要があれば、同様に請求により或いは職権で、更に選任して後見人を複数とすることができる旨を、それぞれ定めています。そして、この成年後見人が複数の場合の権限について、民法859条の2が、本来各自単独行使であるところ、家裁において共同行使としたり、或いは、権限を分掌して行使させることができる旨を定めています。


未成年後見人指定
 民法839条は、未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。」と定め、同条2項は、親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。」とします。親権は、父母によって共同行使されるのが原則(民法818条3項)ですが、離婚によりいずれかの単独親権となります(民法819条)。その場合の親権者は、最後の親権行使者と言われ、その者による保護の後は、取敢えず未成年後見に委ねられます(→離婚後の親権)。それで、最後の親権行使者は、一人で遺言によって、自らの保護を離れることとなる子のために未成年後見人を指定することができます。但し、管理権を有しない者つまり、監護権のみを有する者については、自ら保有しない権限を含めての指定はできないので、監護・管理の両権限を有すべき後見人の指定をすることはできません。父母が通常どおり親権の共同行使をするのではなく、一方が管理権を有さないという場合も、他方は遺言による後見人指定ができるとするのが2項の定めです。しかし、この場合その指定された後見人は、管理権のみを有し、監護権は残った(管理権を有しないとされていた)親が引き続き行使することになります。つまり、後見人指定権は、完全親権者または管理権者にのみ認められており、監護権者には認められないこと、そして親権のうちの管理権を有する者は、監護権者が別にいるときは、その管理権限の限度においてのみ権限を行使できる後見人を選任することとなる、ということです。


       
未成()
         最後
親権 (単独)行使者

        闇
(病み) 839にせぬため手続きの煩瑣苦839にせず

         遺言
(未成年)後見人指定をすべし(指定が可)



          管理権
せぬ 指定不可


        
(共同親権)父母(ちちはは)一方管理(権なく)ができぬとき

              他方
遺言(いごん)(後見人)指定  



         親権最後者


          手続
きの煩瑣苦839にせず遺言

                後見人
指定をすべし




未成年後見人選任 
 
民法840条は、「前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。」と定めます。838条により未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき」は、その事実の発生と共に後見が開始されることとなっているのですが、実際には、この840条による選任請求がないと後見は行われないことになってしまいます。法は、後見の必要が生じれば、自ずと関係人等からの請求があるであろうというスタンスなのかもしれません。それで良いのか疑問も感じるところです。同条の2項は、既に後見人が選任されていても、追加的にさらに選任することができる旨を定め、3項は選任に際しての選任基準を「未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。」としています。なお、選任は、前記の経緯と857条の2の文言からも、当初の選任時から複数の選任が可能となったものと解釈することができます。



       親権最後者指定
なく

                  
(ある)(また)(未成年)後見けたれば

         裁判所
心身安まる
840よう
                       
一切事情考慮して

               
840げずに (未成年) 後見() 選任


成年後見人選任
 民法843条は、「
家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。」とし、同条2項は、「成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、成年後見人を選任する。」また、3項は、「成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは成年後見人の請求により又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。」としています。保護を要することが前提で、親権者がいなくなる等、保護に欠けるに至れば後見が開始となる未成年後見と異なり、成年後見はその必要が生じたときに後見開始となりますから、後見人もそのとき同時に職権により選任されます。選任が複数になることもあり得ることは、未成年後見と同じですが、欠けたとき、また、先任の後見人がいるときでも追加的に、求めによりまたは職権で、選任できることは未成年後見と同じです。そして、同条4項は、成年後見人の選任基準を「成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。」と定めます。


         成年後見開始のときは

                  
家裁同時八隅
843まで

           一切考慮
職権
(成年)後見人選任をする


親から
の選任請求
  
 民法841条は、「父若しくは母が親権若しくは管理権を辞し、又は父若しくは母について親権喪失、親権停止若しくは管理権喪失の審判があったことによって未成年後見人を選任する必要が生じたときは、その父又は母は、遅滞なく未成年後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。」と定めます。ただでさえ、保護のネットから漏れてしまう子供がいないか懸念される状況があり、親権の保護下にあっても虐待等が噴出する世の中ですが、やむを得ない事情で親権或いは管理権を辞退(民法837条)しなければならないこととなったり、親権行使に問題があったりした親でも、子に対する愛情があれば、自らの手を離れた後の子の保護を心配する筈です。それで、やむなく自らの保護が叶わないこととなった父または母には、子の保護のため必要があれば、代わりの保護を求めるべく、遅滞なく(滞って、手遅れになることのないように)、家裁に後見人の選任を請求するよう義務づけて、子の保護を期するという趣旨となります。


       はした841なく?

              
親権 辞任喪失停止

         管理
()喪失あった(未成年)

       後見人
()あれば

            (遅滞なく) 841 (未成年後見人) 応援 むと

                       
(家裁に選任)むべし(請求義務)




後見人の欠格事由 
 
民法847条は、後見人の欠格事由を、① 未成年者、② 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人、 ③ 破産者、被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族、⑤ 行方の知れない者、と定めます。同条は、これらの事由のある者は、「後見人となることができない。」としていますが、候補者となれないことは勿論、一旦選任された者にこれらの事由がある場合、その者は、裁判等を待つことなく当然に後見人の身分を失い、後見人を欠くこととなるので、後任の選任が必要となるとされます。

       後見人(を選ぶときは)
             ハードル
とすな847欠格事由

         破産
未成行方(ゆきがた)れず

              
(家裁で)ぜられたる()(理人)(佐人)(助人)

             
(本人に対し)訴訟した(その)(偶者)()()

           
「落とす」の「オト」は、伊語の8「オット」から








未成年後見人複数


        未成被後人

                  
(よう)(ごう)(「お客様は神様 」的な造語)なのに857の2

            「
後見人おれば
                        
養護たに857の2いうときは(後見人を)

            
複数置いて混乱避けて

           
()共同(行使)(家庭)裁判所

             一部
(権限のみ)限定

                        
或は財産権限各担()又は分掌させ



         第三者
意思表示

                      
内一人
() してすればりる

                      「しえた」は
7の西語「シエテ」から



(親権の共同行使〔参考〕)

              
 父母親権 (真剣)やっと 818Ⅲ

                   
共同行使破綻818Ⅲない

成年後見人複数
       成年後見()名時

                 
各単独
(権限行使)でするべきも

         
(家裁は) 鋭意この 8592洞察

              
職権により
(権限)
             共同
分掌行使

           (
或は)ときに職権 (で、これを) 取消



        第三者
意思の表示

                  
内一人
() 対して すれば足りる也



        成年後見
()数名時、鋭意この任8592 職務 (同)(掌)


後見人の辞任・解任
 
後見人は人の保護という公益的任務を帯びているため、(親権最後行使者による未成年後見人の指定の場合以外は) 裁判所の審査を経て選任される職務ですから、後見人が自由に辞任したり、被後見人や親族が自由に後見人を解任できたりという訳にはいきません。やはり辞・解任も裁判所の手続きを要することになります。辞任については、正当な事由があれば、裁判所の許可によって後見人を辞任することができます(民法844条)。後見人がその任務を辞することにより、新たに後見人を選任する必要が生じたときは、その後見人は、遅滞なく新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません(民法845条)解任については、後見監督人・被後見人・親族からの請求のほか、公益を代表する検察官からの請求により、若しくは、職権で、家裁が審判により後見人を解任することになります(民法846条)解任のためには、その後見人にも意見を聴取する必要があります(家事事件手続法120条1項4号)が、家裁は、その他にも、解任すべきか否かを、民法863条1項による調査、具体的には、家事事件手続法124条により、家庭裁判所調査官を通じての調査を行い、その報告を待って判断することになります。

後見人辞任
        後見人

         
 繁(はん)()(にん)8762 (を)
                            
したくば

          ‘
正当事由はしょ844らず

                  家裁
許可ねばない    

           
§8762は、保佐人の選任等に関する規定(本条が準用される)